【解説】視覚障害者等の読書環境整備

（解説 2019-07-11付）

　国の「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」が６月２８日に公布・施行された。基本的な施策として、大学や公立図書館などにおいて視覚障がい者等が利用しやすい書籍等の充実などを定めている。

　法律は、視覚障がい者等の読書環境の整備を総合的かつ計画的に推進し、障がいの有無にかかわらず、すべての国民が等しく読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができる社会の実現に寄与することが目的。

　基本理念に、①デイジー図書等の電子書籍などが視覚障がい者等の利便性の向上に著しく資することにかんがみ、その普及が図られるとともに、視覚障がい者等の需要を踏まえ、引き続き、点字図書、拡大図書などが提供されること②視覚障がい者等が利用しやすい書籍や電子書籍等の量的拡充および質の向上が図られること③視覚障がい者等の障がいの種類および程度に応じた配慮がなされること―の３点を掲げた。

　基本的な施策には、「視覚障害者等の図書館利用にかかる体制整備等」「インターネットを利用したサービスの提供体制の強化」など９点を設定。大学や公立図書館などについて、果たすべき役割に応じて点字図書館と連携しながら、視覚障がい者等が利用しやすい書籍等の充実や円滑な利用に向けた支援の充実、図書館の利用にかかる体制の整備などが行われるよう、必要な施策を講ずることなどを定めた。

　法の公布・施行を受け、文部科学省は、通知「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律の施行について」を発出。法の趣旨を踏まえた取組に努め、各地方公共団体の障害保健福祉部局と連携の上、視覚障がい者などの読書環境の整備をより一層推進するよう呼びかけた。

(解説 2019-07-11付)