社会生き抜く力を育成　函館で全国特別活動研究協議大会

（関係団体 2019-08-08付）

全国各地から約４５０人が参加した

　【函館発】全国特別活動研究会（村上昭夫会長）は６日から２日間、函館アリーナで第６３回全国特別活動研究協議大会北海道・函館大会兼第４７回北海道特別活動研究会函館・渡島大会を開催した。全国各地から約４５０人が参加。これからの社会を生き抜いていく子どもに求められる力の育成に向けて、講演や分科会で研鑚を積んだ。

　大会主題は「多様な他者と協働し、集団や社会に参画する力を高める特別活動～よりよい人間関係を築く力を高め、自己の生き方についての考えを深めていく子」。

　現代の子どもたちは、グローバル化や高度情報化などが進む、これからの社会で生き抜いていくために、社会に主体的にかかわり、自らの課題をみつけ、解決していく力や、様々な価値観をもった他者とかかわり、他者の考えを認め合いながら協働する力の一層の育成が求められている。

　特別活動は「集団活動」「実践的な活動」の２つの特質があることから、特別活動を通した多様な他者との協働と、集団や社会に参画する力の育成を進めていくこととした。

　初日の開会式では、村上会長があいさつ。「特別活動には感動があり、子どもを成長させるもの。大会の成果を各地で生かしてほしい」と述べた。

　その上で「子どもたちにより感動を与えることができるよう、大会を自身の資質・能力向上につなげてほしい」と呼びかけた。

　このあと、文部科学省初等中等教育局教育課程課の安部恭子教科調査官、渡島教育局の五十嵐晋局長、函館市教委の辻俊行教育長が来賓祝辞に立ち、大会の成果に期待を寄せた。

　開会式終了後、総会が開かれ、前年度の事業報告・決算報告のほか、本年度の役員と事業計画・予算案を決定した。

　総会に続き、安部教科調査官が「これからの特別活動の展開と課題」をテーマに講話。新学習指導要領で求められる資質・能力や、「主体的・対話的で深い学び」と特別活動の関係にふれ「特別活動は地域や学校生活という集団で行うもの、将来的に実社会で生きていくためのスキル・能力の育成につながる」と強調した。

　「子どもたちが自発的に学ぶ意味や学び続ける姿勢の育成、今の学びが将来にどのようにつながるか取り入れた活動を実施してほしい」と述べ、特別活動を通したキャリア教育の実施を呼びかけた。

　講演終了後、埼玉県特別活動研究会と東京都特別活動研究会の発表、基調提案が行われた。

　２日目は、小学校・中学校・高校の学級活動や生徒会活動のほか、特設の小学校学級活動指導入門など１０分科会を実施した。このほか、実践提案や意見協議を行った。

　分科会では、「キャリア教育を意識した学年・学級経営の推進」「多様な他者と協働し、集団や社会に参画する力を高めるホームルーム活動・生徒会活動・学校行事」に関する発表が行われ、参加者は積極的に意見を交わした。

(関係団体 2019-08-08付)