多様な学び支える筋道考察 旭川で道情緒障害教育研究大会
(関係団体 2019-08-09付)

第46回道情緒障害教育研究大会
全道各地から450人が参加

 【旭川発】第46回道情緒障害教育研究会上川・旭川大会が1日から2日間、旭川市大雪クリスタルホールを主会場に開かれた。道情緒障害教育研究会(渡辺聡会長)主催、大会実行委員会(村田昌俊実行委員長)主管。全道から教育・保育・医療・福祉の関係者ら約450人が参加。大会テーマ「自閉症・情緒障がい教育再考~多様な学びを支える筋道をともに考える」のもと、講演やシンポジウムなどを通して、児童生徒一人ひとりのニーズに応じた支援の在り方を探った。

 初日、大雪クリスタルホールで全体会を開催。

 開会式では渡辺大会長があいさつに立ち、人工知能が急激に普及・発達するなど目まぐるしい社会の変化がみられる現状を踏まえ、「このような社会状況下で生きにくさを感じている人も年々増え続けている」と指摘。

その上で、「子どもたちの自立に向けて、“一体何ができるのか”“何をしなければならないのか”を考える」よう求めるとともに、「本大会では共に考え学び合い、思うもの、大切にしたいものを見つけたり、再認識していただけたら幸い」と述べた。

 また、村田実行委員長は「日ごろの思いについて語り合い、仲間づくりなど、有意義な2日間にしてほしい」と呼びかけた。

 続いて、上川教育局の河野秀平局長と旭川市教委の黒蕨真一教育長が祝辞。自閉症・情緒障がいのある児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた教育の充実を目指し、道内各地において指導方法などの改善・充実に取り組んでいることに敬意を表するとともに、研究会の発展を祈念した。

 このあと、国立特別支援教育総合研究所発達障害教育推進センターの笹森洋樹上席総括研究員が「多様な学びの場を充実させるために必要な支援~自閉症・情緒障害学級の課題を解決するための手立て」と題し基調講演。

 特別支援教育の視点から、「教員は子どもからの発信をすべてを受け止める姿勢が必要」と強調。認めてくれる仲間、支えてくれる大人の存在がある「肯定的な自己理解を育む支援」のほか、失敗しても大丈夫、何とかなるという経験ができる「自己効力感・自己有用感を育む支援」、自分なりの気分転換と癒やし方を理解させるための「ストレスにうまく対処できるための支援」に取り組むよう求めた。

 続く、シンポジウムでは、美瑛町教委の目良久美管理課長補佐(特別支援教育担当)などをシンポジストに迎え、テーマ「多様な学びの場を充実させるために学校・地域に期待したいこと」について討論を繰り広げた。

このあと、こころとそだちのクリニックむすびめ(札幌)の田中康雄院長が記念講演。演題「子どもの多様なそだちに思いをめぐらす(覚え書)」のもと、専門的な見地を踏まえ、子どもの支援などに関する内容を紹介した。

 2日目は、大雪クリスタルホールほか2ヵ所を会場に、①乳幼児期の支援②通常学級における特別な配慮が必要な児童生徒への支援③思春期を生きる子どもたちの支援④自閉症の子どもの支援⑤発達障害の方の各ライフステージの支援―の5分科会を開催。それぞれのテーマのもと協議、交流した。

(関係団体 2019-08-09付)

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