【解説】薬物使用未成年　大幅に増加

（解説 2019-08-27付）

　警察庁がまとめた「３０年における少年非行、児童虐待および子どもの性被害の状況」によると、覚醒剤乱用による検挙人数は９６人。２１年の２５７人以降、減少傾向にあるものの、前年と比べ５人増加。大麻法にかかわる少年の検挙人数は前年比１３２人増の４２９人と大幅に増加。うち、高校生は２１人増の７４人となった。

　道警が発表した「少年の非行」（平成３０年）における薬物乱用で検挙・補導した少年は前年比１６人増の１９人と大幅に増加。内訳は覚醒剤取締法違反が３人増の４人、大麻取締法違反が１３人増の１５人。

　学職別では有職、無職少年がそれぞれ７人、中学生と高校生がそれぞれ１人、その他の学生３人となっている。

　厚生労働省の薬物乱用対策推進会議は昨年８月、第５次薬物乱用防止５ヵ年戦略を策定。目標の一つに「青少年を中心とした広報・啓発を通じた国民全体の規範意識の向上による薬物乱用の未然防止」を示し、関係機関が連携した薬物乱用防止教育の充実などを挙げた。

　薬物乱用防止教室はすべての中学校、高校で必ず年に１回は開催すること、地域の実状に応じ小学校でも開催に努めることとしている。文部科学省によると、札幌市を除く道内公立学校における薬物乱用防止教室の開催率は８３・６％。中学校、高校、義務教育学校、中等教育学校はいずれも１００％。小学校は全国平均より１０ポイント低い６９・８％だった。

(解説 2019-08-27付)