ＩＣＴ活用テーマに協議　道研連が滝川で研究発表大会

（市町村 2019-09-06付）

上野教育課程調査官が講演した

　【岩見沢発】道教育研究所連盟（＝道研連、委員長・北村善春道立教育研究所長）は８月２９日から２日間、滝川市内のホテルスエヒロで第７４回道教育研究所連盟研究発表大会空知大会兼第６１回全国教育研究所連盟北海道地区研究発表大会を開いた。道内の各研究所員など約７０人が参加。国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部の上野耕史教育課程調査官による講演や、プログラミング教育・ＩＣＴの活用をテーマとした研究発表・協議などを通し、資質・能力の向上を目指した。

　道研連は、第１６次共同研究主題「これからの時代の教員に求められる資質・能力の向上に係る支援の在り方」のもと研究を進めており、本年度は３年次計画の３年目となる。

　共同研究について研究協議を行うとともに、各加盟機関での教育研究、教員研修などの取組について交流・協議することによって、道内教育の一層の充実・発展ならびに所員・研究員・教職員の資質向上に資することが目的。

　初日の開会あいさつで北村委員長は、学校と地域が一体となった未来につながる教育を実現するためには「子どもたちが主体者として学びにかかわることが重要」と強調。ＩＣＴの活用による新たな学びの可能性を期待した。

　また、「大会の成果を日々の実践で生かし、子どもたちの今と未来を豊かにする学校教育を創造してほしい」と呼びかけた。

　続いて、全国教育研究所連盟委員長を務める国立教育政策研究所の中川健朗所長と、空知教育局の竹林亨局長が祝辞。うち、竹林局長は、急速で予測困難な社会変化にふれ「学校教育もまた新たな対応が常に求められる」と指摘。大会を様々な教育実践の変革の方向性を示すものとしてとらえ、その意義を確認した。

　全体発表では、共同研究推進委員会の髙山幸委員長が第１６次共同研究３年次の研究内容を説明。

　記念講演では、上野教育課程調査官が「教育研究所・センター所員の資質・能力向上に向けて～新学習指導要領全面実施に向けたプログラミング教育やＩＣＴを活用した授業改善への支援」と題して講演。

　所員には「教員が必要とする資質・能力」の育成に向けた支援が求められていることを説明した上で、支援内容や指導方法を明確化することの重要性を説いた。また、「プログラミング教育」や「ＩＣＴを活用した授業改善」の研修例を挙げ、目指す資質・能力や研修内容、研修改善の視点などを具体的に示した。

　講演のあと、今回初の試みとして、プログラミング教育などにかかるブース体験を実施。

　２日目は、「プログラミング教育の全面実施に向けた取組」「ＩＣＴを活用した授業改善に関する取組」の２テーマで各部会に分かれ、研究発表や協議を行った。

(市町村 2019-09-06付)