札教組第５１次研究集会開く　日常の“見える化”が重要　名大院・内田氏が講演

（関係団体 2019-09-17付）

教員の働き方について説いた

　札幌市教職員組合（＝札教組、鈴木誠幸執行委員長）は５日、市内のかでる２・７で第５１次札幌市教育研究集会を開いた。名古屋大学大学院の内田良准教授が「学校の日常を“見える化”する～持続可能な職員室をもとめて」と題して講演。１９７人が参加。子どもたちを育成するゆたかな教育の実現に向けて研鑚を積んだ。

　冒頭、鈴木執行委員長があいさつ。プログラミング教育の必修化や道徳の教科化など教育の動向にふれた上で、子どもたちの人格の完成や主権者を育成するゆたかな教育の実現に向け、実りの多い会とすることを求めた。

　続いて、内田准教授が「学校の日常を“見える化”する～持続可能な職員室をもとめて」と題して講演した。

　学校での柔道死亡事故について、事例を検証して対策を立てることで件数が減少したことからリスクを考える重要性を強調。組体操の危険性と達成感にふれたほか、子どもの人生がこれからも続くことから持続可能な教育を求めた。

　教員の働き方については、様々な仕事に教育的意義があるものの、仕事の量が膨大なため、優先順位をつけることを求めた。

　また、教育は無限で、教員は有限であるため「先生が元気であってはじめて豊かな教育ができる」と話した。

　過労死の事例から出退勤管理など見える化の重要性を強調したほか、過労による鬱や自死は人を選ばないことも説明した。

　また、部活動については人や場所などが限られている中で持続可能な運営を求めた。

　１４日にはかでる２・７で分科会を実施。国語や社会、外国語、教育課程、職場の問題などテーマ別に取組を交流したほか、意見を交換した。

(関係団体 2019-09-17付)