第67回道特別支援教育研究大会 あるからこそできる学びを 池田理事長 実践と英知結集(関係団体 2019-09-18付)
各地から167人が参加した
【小樽発】第67回道特別支援学級教育研究連盟全道大会後志・岩内大会、全日本特別支援教育研究連盟北海道地区研究集会、令和元年度後志特別支援教育連絡協議会研究大会が13日から2日間、岩内町内ほかで開かれた。167人が参加。公開授業や講演、分科会などを通して、新学習指導要領を踏まえた授業づくりについて考えた。主催は全日本特別支援教育研究連盟(=全特連)、道特別支援学級教育研究連盟(=道特連)、後志特別支援教育連絡協議会。研究主題は「未来をたくましく生きる力の育成~学習指導要領の改訂のポイントを押さえた授業づくりを目指して」。
連盟では、指導要領改訂の経緯や基本方針、要点を理解し、社会の在り方を見据えながら、その先も見通した未来社会の姿を考えていくことを重視。特別支援学級の授業づくりを通して、障がいのある子どもたちに予測困難な未来をたくましく生きる「本物の力」を身に付けさせることが求められると考え研究を進めてきた。
初日、開会に先立ち、岩内町と共和町の小・中学校5校で授業を公開。
岩内町の岩内地方文化センターで行われた開会式では、冒頭、道特連の池田哲也理事長があいさつ。後志地区の特別支援教育の歴史を振り返るとともに、学習指導要領の改訂、高等支援学校の入試が変わるなど大きな転換期を迎えることを指摘した。
その上で、「個別の教育的ニーズのある子どもたちの自立と社会参加を目指し、特別支援学級があるからこそできる学びについて研究を進めたい」「特別支援教育に関する様々な課題についてみんなの実践と英知を結集し、児童生徒一人ひとりに力を身に付けさせよう」と呼びかけ、充実した研究大会になるよう期待した。
全特連の明官茂理事長は「新学習指導要領ではインクルーシブ教育システムの理念を踏まえ、すべての学校において障がいのある子どもに対する特別支援教育を着実に進めていくことが具体化された」とし、教育現場における実践を支援していく考えを示した。
また、藪智樹実行委員長(岩内第二中学校長)は「見識を深めるとともに交流の輪を広げ、思い出に残る有意義な大会にしてほしい」と呼びかけた。
来賓からは後志教育局の櫻井康雄局長、上岡雄司岩内町長が祝辞。
そのうち、櫻井局長は「子どもたちの十分な学びを確保し、一人ひとりの障がいの状態や発達段階に応じた指導や支援を一層充実させることが重要」とし、通常の学級にも支援が必要な子どもが在籍している可能性があることを前提にした教育を進めるよう要望。「特別支援教育コーディネーターを中心に、全教職員が研修を深めて、専門性の向上を図ってほしい」と求めた。
引き続き、研究主題を説明したほか、次期開催地区事務局長である根室市立光洋中学校の藤原秋彦校長が来年の全道大会は10月に中標津町で行うことなどを報告した。
このあと、道教育大学札幌校特別支援教育専攻の齊藤真善准教授が「自閉症スペクトラム障がいの特性と合理的配慮について」と題し講演。分科会は「生活単元学習」「道徳科の指導」「自立活動」「不登校児童生徒への支援の実際」をテーマに実践を交流。2日目は引き続き分科会で協議を深めた。
◆自ら目標設定し体つくり 2町5小・中授業公開 工夫凝らし実践―岩内第二中
道特別支援学級教育研究連盟全道大会後志・岩内大会、全日本特別支援教育研究連盟北海道地区研究集会、令和元年度後志特別支援教育連絡協議会研究大会では13日、岩内町立岩内東小学校、岩内町立岩内西小学校、共和町立北辰小学校、岩内町立岩内第二中学校、共和町立共和中学校の5会場で公開授業が行われた。
うち、岩内第二中では大山久幸教諭、髙瀬志恵教諭、板垣雄介教諭、平喜之教諭が1~3年生の合同体育「体つくり運動」を指導した。
本時では、①自分で設定した目標を目指して走ることができる②進んでサーキットトレーニングに取り組むことができる③自分の運動を振り返り、がんばったことや感想を発表することができる―を目標に設定し、生徒7人が取り組んだ。
最初に、大山教諭が課題①「自分で決めた周回数を目指してランニングをしよう」と、課題②「サーキットトレーニングで強い体をつくろう」について説明。
このあとラジオ体操を行い、10分間ランニング。生徒は自分で設定した目標回数を目指し、体育館内を走った。教諭らは生徒それぞれの周回数をプリントで提示し、視覚支援した。
休憩後、課題②に取り組み、生徒は腕立て伏せ10回、平均台、腹筋10回、ハードル、背筋10回、平均台、スクワット10回の順番でトレーニング。教諭らはイラストでトレーニングのポイントを確認できるよう示すとともに、生徒の頑張りを励ました。
振り返りで生徒は、「10分間走では18周走るのを頑張った。次回は20周を目指したい」「サーキットトレーニングの平均台を頑張った。つぎはバランスを上手にとりたい」などと感想を発表した。
授業後は、日常実践の進め方などを話し合った。
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池田理事長
(関係団体 2019-09-18付)
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