上川北部へき地複式教育研究大会 主体的・協働的に学び深め 士別市上士別小が道徳公開
(関係団体 2019-09-20付)

北部地区へき地複式教育研加藤委員長
あいさつする加藤委員長

 【旭川発】上川北部地区へき地複式教育研究大会、士別市へき地複式教育研究大会が10日、士別市立上士別小学校で開かれた。学校関係者、地域住民など95人が参加。上士別小が研究の窓口「特別の教科 道徳」の授業を行い、複式学級の児童が主体的・協働的に学びを深める様子を公開した。

 上川へき地・複式教育連盟、士別市へき地・複式教育研究連盟、上士別小主催。

 上川へき・複連は、道へき地・複式教育研究連盟の研究主題を踏襲。第10次長期5ヵ年研究推進計画の「主体的・協働的に学び、ふるさとへの誇りと愛着をもった人間性豊かな子どもの育成~児童生徒一人一人が仲間とつながり、地域とともに“生きる力”を伸ばす学校・学級経営と学習指導の充実をめざして」を研究主題とした。

 また、会場校の上士別小の研究主題は「自己を見つめ、かかわり合う子の育成~道徳の時間を中心とした指導法の工夫」。3年次計画の最終年次。

 上士別小の研究内容は、①学習過程の構築と工夫②主体的・対話的・深い学びの工夫―の2点。本年度は特に、①で学習過程の分析と評価の工夫、②で話し合う活動と書く活動の工夫を重点とした。

 1・2年生、3・4年生、5・6年生の複式学級で「特別の教科 道徳」の授業を公開。

 うち、5・6年生では、髙橋朋之教諭が5年生4人に教材名「どうすればいいのだろう」、6年生4人に教材名「私には夢がある」を指導した。

 授業までに、5年生には友達との接し方について、6年生には世の中で感じる差別について、それぞれ把握するためのアンケート調査を行っている。

 髙橋教諭は導入で、5年生は「公正・公平」について、6年生は「差別」について考えを深めさせるために課題を設定。展開では、教材を読んだあと、学習過程の分析と評価、話し合う活動、書く活動にかかる工夫として、児童たちが個人思考した際に出た考えなどを短い言葉やキーワードとしてメモできるよう付せんに書き込ませ、ワークシートを活用して記録の蓄積を図るようにした。

 終末では、ワークシートに本時の感想などを記入させた。5年生は「困っている人を見つけたら、自分から進んで行動しようと思った」、6年生は「差別をなくすため、互いの思いを話し合って分かち合うことが大切」などと書き込んだ。

 公開授業後の開会式では、主催者を代表して上川へき・複連北部地区の加藤信彦委員長があいさつ。

 全国的に少子化、児童数減少による統廃合の問題や複式校の極小規模化など、へき地・複式校を取り巻く現状が年々厳しさを増していることにふれ、道へき・複連の基本理念に基づいて児童生徒一人ひとりに生きる力を伸ばす教育を充実させるため、教師の授業力向上などの重要性を指摘し「本研究大会を通して、あすからの授業に役立ててほしい」と求めた。

 来賓からは、上川教育局の川端香代子義務教育指導監と士別市教委教育長職務代理者の五十嵐紀子委員があいさつ。連盟のより一層の充実と発展を祈念した。

 このあと、三好雅之研究部員が基調報告。

 また、上士別小の宮西和美教諭による研究発表、低学年部会・中学年部会・高学年部会で研究協議を行った。

(関係団体 2019-09-20付)

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