【解説】教育情報化の手引　文科省

（解説 2019-09-30付）

　文部科学省は、『教育の情報化に関する手引』案をまとめた。「情報活用能力の育成」など全８章で構成。ＩＣＴを効果的に活用した学習事例、ＩＣＴ活用指導力の向上に向けた教員の研修・採用の在り方などを示している。検討委員会での意見を踏まえて修正を加え、近日中に公表する。

　新学習指導要領を踏まえた教育の情報化の円滑な実施に向け、学校や教育委員会が具体的に取り組む参考資料として作成するもの。２４日の第４回教育の情報化に関する手引作成検討委員会で示した。

　教育の情報化の背景、情報活用能力の育成、プログラミング教育の推進など全８章で構成。このうち、第４章「教科等の指導におけるＩＣＴの活用」では、ＩＣＴを効果的に活用した学習場面の分類例と留意事項、小・中学校の各教科等における具体的な学習活動の例を紹介している。

　第５章「教師に求められるＩＣＴ活用指導力等の向上」では、教員の研修や採用に当たってのポイントを挙げており、各学校でＩＣＴ活用指導力の向上を図るため、効果的な活用方法を働きかける校内研修リーダーを養成する研修の重要性を挙げている。

　ＩＣＴ活用指導力を有する教員の確保に当たっては、文科省「教員のＩＣＴ活用指導力チェックリスト」の活用を例示。特に、中学校の技術、高校の情報の免許状保有者の適切な配置に向けた計画的な採用が必要としている。

　第７章「学校におけるＩＣＴ環境整備」では、ＩＣＴ環境整備やデジタル教科書やデジタル教材、遠隔教育の推進を説明。児童生徒がＩＣＴを活用する場面が多くなり、目の疲れ、姿勢、疲労など、健康面に与える影響も踏まえ、明るさの調整ができる教室環境、姿勢に関する指導など、改善のポイントを示している。

(解説 2019-09-30付)