北理研が札幌支部教育研究大会 教師の一言に大きな力 「感性研ぎ澄ませて」三木会長(関係団体 2019-10-02付)
授業公開や研究発表を通して、研究を深めた
道小学校理科研究会(=北理研、三木直輝会長)は9月27日、札幌市立八軒西小学校で第4回札幌支部理科教育研究大会を開いた。小学校3~6年の4授業を公開したほか、研究提言や授業分科会を通し理科教育の充実を目指した。全体会であいさつした三木会長は、教師が子どもにかける一言に大きな力があることを指摘し、向かい合うことの必要性を説いた。
北理研は研究主題を「自然との関わりを求め、知がつながる問題解決」と設定。研究の重点として「経験が活きる単元構成」「知のつながりを促す教師の関わり」の2点を据え、研究を進めている。
全体会では三木会長があいさつ。教師が子どもにかける一言に大きな力があるとし、「子どもたちの発言や何気ないつぶやき、ノートに書かれた一言を私たち教師は感性を研ぎ澄ませてとらえ、子どもの論理に目を凝らし、向かい合っていかなければならない」と話した。
また、授業公開や授業分科会を通して大会が実り多いものとなるよう求めた。
会場校の仲島惠美校長は「大会の成果をつぎの大会に確実につなげるよう、きたんのない意見をお願いしたい」とあいさつした。
来賓あいさつでは札幌市教委教育課程担当課の鈴木圭一企画担当係長が登壇。新学習指導要領の評価の方針や授業などについて、北理研が長年にわたって取り組んでいる子ども主体の問題解決が焦点となることにふれ「大会の成果を札幌市の教育の一層の充実に還元してほしい」と呼びかけた。
続いて、北理研の高畠護研究部長が研究提言した。重点の「経験が活きる単元構成」については、子どもの学習・生活の経験をとらえ、それぞれの単元に活用していることを説明。「知のつながりを促す教師の関わり」では、子どもたちの工夫が生かされるような学習展開、経験や考えを位置付ける板書構成などに取り組んでいることを紹介した。
また、八軒西小の佐々木歩研究部長が研究提言。同校の研究主題「たくましく学ぶ子の育成」のもと、研究の視点として「学びの積み上げ」「深まる問題解決」の2点を据えて研究に取り組んでいることを説明した。
このあと、授業公開や授業分科会を行った。
◆八軒西小6年 てこのはたらき 反比例の規則性とらえ
北理研の第4回札幌支部理科教育研究大会では、八軒西小3~6学年の4授業を公開した。このうち、井上友美教諭は6年1組(児童数25人)の「てこのはたらき」を指導。それぞれの位置でくぎを抜くための力を明らかにしたほか、画用紙に結果を記入させるなど、反比例の規則性をとらえさせるよう授業を展開した。
授業は10時間扱いの4時間目。本時の目標を「くぎ抜きのモデル実験を通して、必要な力は支点からの距離によって大きく変わることに気付き、支点からの距離と力の大きさが反比例の関係になっているという認識をもつ」と設定した。
前時までに、くぎ抜きを使ってくぎを抜く実験を実施。力点を変えることで、くぎの抜きやすさが「変化する」「変化しない」などと児童それぞれがとらえている。
井上教諭は、支点からの距離によってくぎを抜くために必要な力はどのように変わるか問いかけた。
前時までの学習や生活経験から、児童に「この距離だったら半分くらいの力で抜ける」「支点から離れると軽くなる」などと予想させた上で、支点からの距離と必要な力を測るくぎ抜きのモデル実験を行った。
全体交流では、支点からの距離と必要な力について「反比例になっている」「(反比例だから)実際にない目盛りも予想できる」などの意見を取り上げるなど、算数で学んだことが結び付けられることに気付かせた。
また、画用紙のグラフにくぎを抜くために必要な距離と重さをシールで貼ることで見通しの違いを浮き彫りにさせたほか、結果を蓄積することで反比例の規則性をとらえられるように取り組んだ。
授業公開後は授業分科会を実施。井上教諭の授業について、札幌市教委教育課程担当課の鈴木圭一企画担当係長は、観察実験の考えを引き出す声かけなどの工夫にふれ「児童の主体的な問題解決が、しっかりと持続する姿につながっていた」と話していた。
(関係団体 2019-10-02付)
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