新指導要領対応の授業を 札体研が第29回研究大会(関係団体 2019-10-08付)
参加者は研究討議などを通じて授業力の資質・向上を図った
札幌市学校体育研究連盟(=札体研、鈴木真委員長)は4日、市立伏見小学校(佐藤辰也校長)で第29回研究大会を開いた。研究主題「分かる・伸びる・関わる体育活動の充実~主体的・対話的で深い学びを生む体育学習」のもと、同校5年生の授業公開、研究協議などを実施。新学習指導要領に対応した授業を目指し研鑚を深めた。
札体研は研究の視点に、①主体的・対話的な姿を生む教材化と学習過程②主体的・対話的な姿を生むかかわり③深い学びを生む評価―の3点を設定し、活動を推進している。
授業公開後に行われた開会式では、鈴木委員長があいさつ。札体研が50周年を迎えたことにふれ、「半世紀という輝かしい歴史を迎えたことは札体研魂と精神が受け継がれていることを実感。2年後と5年後に開催する道体育研究会、6年後の全国学校体育研究大会を視野に入れた準備にも取り組んでいくほか、今後も札幌の子どもたちの健やかな体の育みを目指す」と述べた。
研究討議では市立駒岡小学校の石黒智志教諭が、公開授業の概要を説明。
参加者からは「振り返りのあとに再度試技するなど、もう一度、体を動かして実践してもよかったのではないか」などの意見が挙がり、積極的な討議が行われた。
◆“好きな感じ”味わう 札幌市伏見小5年跳び箱運動
札幌市学校体育研究連盟の第29回研究大会では、伏見小学校5年3組跳び箱運動「台上前転」(秋元来舞教諭、児童数28人)の授業を公開した。児童は、どのようにして“自分の好きな感じ”を味わうことができるか考えながら、様々な場所で台上前転に挑戦した。
同授業は6時間扱いの5時間目。単元を通した授業のねらいは「My開脚跳び(自分の好きな感じ)を求める中で、好きな感じ(感覚)を味わうためには、着手や踏み切りなどの要素が大切であることに気付き、開脚跳びをすることができる」とした。
前時までに児童たちは、マットを重ねたものや高さの低い跳び箱などやさしい場で台上前転を行ってきた。
様々な場での台上前転を通して、「フワッと落ちる感じが好き」「バンと踏み切ると楽しい」など、「自分の好きな感じ」の台上前転を実感するためにどのように動くべきか考えている。
本時の目標は、①台上前転を通して踏み切りや着手、腰の高さなど体の使い方を意識し、跳んだときの実感の差に気付く②安定した台上前転を行う―の2点とした。
はじめに秋元教諭は、前時で「自分の好きな感じ」の台上前転を味わうことができた児童に試技を行わせた。
試技のあと「何を意識していると思うかな」と他の児童に問うと、児童は「手を着く位置」「ジャンプの仕方」などと回答。技能のポイントに目を向かせることでどのように動いたらよいのかを考えさせた。
児童は、高さの違う跳び箱やマットを重ねたものなど、様々な場所で台上前転を行った。
秋元教諭は、跳び箱の隣や手を着く位置の付近に印を用意し「どこまで腰が上がっていたのか」「手を着く位置はどのあたりだったか」などを児童同士で確認させ、具体的にアドバイスをし合いながら運動させた。
授業のまとめでは、「どうすれば“自分の好きな感じ”を味わえたかな」と質問。児童は「腰の位置を前よりも高く上げたら味わえた」「深くジャンプすると気持ちよく飛べた」などと回答した。
児童同士で意見交換させながら振り返りシートに記入し、「自分の好きな感じ」と技能のポイントを結び付けた。
授業後の研究討議では「“○○な感じ”を切り口に単元の導入段階で授業を行っていくのは非常によい」「“○○な感じ”だけでなく、もう少し深く言語化していかなければ、子どもたちは動きの感覚を忘れてしまうのではないか」などの意見が出た。
(関係団体 2019-10-08付)
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