伝える経験積む授業構築 札中英研が第8回研究大会開く(関係団体 2019-10-09付)
公開授業や授業交流を行った
札幌市中学校英語教育研究会(=札中英研、中村邦彦会長)は4日、札幌市立明園中学校で第8回研究大会を開いた。研究主題「“英語を使って何ができるようになるか”を重視した授業づくり」のもと、外国人に札幌の魅力を伝えることを目指した2年生の授業を公開。授業交流を実施するなど、中学校英語教育の充実に向けて研鑚を積んだ。
開会式で中村会長があいさつ。札中英研が自分の本当に伝えたいことを大切にして、伝える経験を積ませる授業の構築について研究していることにふれ、「公開授業の中で感じ取ってほしい」と話した。
続いて、武富洋一研究部長が研究主題「“英語を使って何ができるようになるか”を重視した授業づくり」を解説。
副題に「主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善」を設定したほか、研究の重点に、①生徒の思考を揺さぶる学習課題の設定②やり取りや即興性を意識した言語活動③思考力・判断力・表現力を高める協働的な学び④CAN―DOリストを活用した自律的な学習者の育成―の4点を据えて、研究を進めていることを説明した。
このあと、同校の磯麻耶教諭が授業を公開したほか、グループ別の授業交流などを行った。
◆やり取りや即興性意識 明園中の磯教諭が授業
札幌市中学校英語教育研究会の第8回研究大会では、明園中の磯麻耶教諭が2年3組(生徒数40人)の「SUNSHINE ENGLISH COURSE 2 PROGRAM6 ―A Work Experience Program」を公開。ペアやグループでの活動など、やり取りや即興性を意識した言語活動、協働的な学びを取り入れた授業を展開した。
本時は9時間扱いの2時間目。
磯教諭は、本時の目標を「外国人観光客にとっての札幌の魅力について、考え、伝えようとする」「外国人観光客と一緒に行きたい観光スポットや買ってあげたいお土産について、読み手に伝わるように書き、他者のメッセージを読んだり聞いたりして内容を理解する」「不定詞の名詞的用法の正しい使い方を理解する」と設定した。
学習課題「外国人に札幌の魅力を伝えよう」のもと、前時で学習した「want to+動詞の原形」を復習。ペアでの会話では、アイコンタクトやボディランゲージを用いるほか、相づちや聞き返しなど反応の大切さを求めるなど、やり取りや即興性を意識した言語活動を展開した。
続いて、香港在住のkomiさんのビデオレターを上映。視聴した内容を答えさせたあと、札幌を案内する際に「どこに行くか」「札幌のお土産に何をプレゼントするか」をグループで考えさせた。
札幌ドームや円山動物園、モエレ沼公園などグループで紹介する場所を決めたあと、「もしあなたが円山動物園を訪れるなら、〇円かかる」など、例を出すことで「If」「Should」など既習の知識を用いながら表現できるように取り組んだ。
このあと、グループで作成したメッセージシートを他グループが読む活動を実施。他グループのメッセージでよいと思うところにアンダーラインを引かせたほか、「Sound nice!」などのリアクションコメントのシールを貼るなど、生徒同士が協働的に学べるよう工夫を凝らした。
前時の復習やビデオレターの視聴など「聞く」「話す」、グループでメッセージを作成したほか、他グループのメッセージを読むなど「書く」「読む」と、4技能を統合した言語活動を展開した。
授業交流では、磯教諭の授業について「生徒たちは集中して一つ一つの活動に積極的に取り組んでいた」「生徒同士が役割分担するなど、協働的な学びとなっていたが、今後はグループの中で先生役の生徒をつくることでより協働的な学びが深まるのでは」などの意見が出た。
札幌市教委研修担当課の上野智恵美研修担当係長は「外国語のコミュニケーションによる見方・考え方を働かせる授業だった」と話した。
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外国人観光客に観光スポットを紹介する授業を展開した
(関係団体 2019-10-09付)
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