道学校図書館研究大会旭川大会開く 学び支え豊かな人間性を 図書館は教育支援の中心的存在 黒澤大会長(関係団体 2019-10-10付)
図書館の3つの役割をあらためて訴えた大会長
【旭川発】第43回道学校図書館研究大会旭川大会が4日から2日間、旭川勤労者福祉会館をメーン会場に開かれた。全道各地から255人が参加。研究主題「学びを支え、豊かな人間性を培う学校図書館」のもと、公開保育・公開授業、分科会、記念講演などを通して、日常の教育実践を交流。大会長を務める道学校図書館協会の黒澤敏行会長は学校図書館を「学校教育を全面的に支援する中心的な存在」とし、役割の重要性を強調した。
主催は、道学校図書館協会、旭川市学校図書館協会、旭川市教育研究会学校図書館部、全国学校図書館協議会。
本年度、設立70周年を迎える道学校図書館協会は、研究主題のもと、学びを培う学習センター、情報センターとしての学校図書館の研究や、言葉の力を培い、豊かな心を育む読書センターとしての学校図書館の研究―などを重点に据え、研究を推進している。
初日、開会式に先立ち、旭川市内の幼・小・中・高8会場で公開保育・公開授業、分科会Ⅰを行った。
旭川勤労者福祉会館で行われた開会式では、大会長を務める道学校図書館協会の黒澤敏行会長があいさつ。新学習指導要領について、教育課程全体や各教科など学びを通じて“何ができるようになるのか”という観点は、学校図書館のもつ学習センター、情報センター、読書センターの3つの役割と呼応すると指摘。「学校教育を全面的に支援する中心的な存在として、学校図書館を計画的に利活用していくことがますます重要になる」と強調した。
大会を通して、「全道各地から参加された皆さんには、日常の教育実践を交流しながら研修の充実を図り、多くの成果をもち帰って、子どもたちのために活用してほしい」と求めた。
続いて、旭川市学校図書館協会会長の藤原淳大会運営委員長が登壇。平成17年10月に旭川市を会場に道学校図書館研究大会が開催されたことを振り返り、「旭川市では学校司書の配置が進められていた時期であり、現在では市内全校に配置されている」と、研究や環境整備を推進してきたことを説明。「参加者の皆さんが新たな時代の学校図書館の姿の一端を感じ取っていただけたら幸い」と呼びかけた。
また、旭川市教委の黒蕨真一教育長と上川教育局の河野秀平局長が祝辞。黒蕨教育長は「子どもたちに対する読書活動の推進がより一層活性化する有意義な時間となるよう心から期待している」、河野局長は「児童生徒の発達段階に応じた読書習慣の定着など、読書活動の支援に努めている。学校図書館の一層の充実に向けて研究を深められていただきたい」と述べ、大会の成果に期待を寄せた。
このあと、全体会に移行。全国学校図書館協議会の森田盛行顧問が学校図書館の現状と課題について報告したほか、道学校図書館協会の山田佳子研究部長、旭川市学校図書館協会の吉井華菜研究部長が基調報告や研究報告を行った。
全体会に続き、旭川勤労者福祉会館など3会場で分科会Ⅱを開催。「管理・運営」「読書指導」「学びの指導」「資料活用」に関し、10グループに分かれ、提言に基づき協議、交流した。
2日目は、旭川勤労者福祉会館などで「旭川の自然散策」「旭川の文学探訪」「これからの学校図書館」「学校司書の活動紹介」など8つのセッションを展開。
このあと、紋別市出身の絵本作家・堀川真氏が演題「本のある場所をつくる」と題して記念講演した。
なお、初日は公開授業・公開保育・分科会Ⅰが旭川宝田学園わかば幼稚園などの各会場で行われた。
各分科会Ⅰの公開保育・公開授業、授業者などはつぎのとおり。=敬称略=
▼第1分科会=旭川宝田学園わかば幼稚園
▽公開保育(読書指導)
5歳児年長組「リスで遊ぼう、学ぼう」=石井英華、後藤優介
▼第2分科会=旭川市立北光小学校
▽公開授業(読書指導)
5年2組「伝記を読んで、自分の生き方について考えよう」=谷村綾音
▼第3分科会=旭川市立西御料地小学校
▽公開授業(学び方の指導)
1年2組「きせつとともだち/あきの ひろばを つくろう」=福井秀晃
▼第4分科会=旭川市立末広北小学校
▽公開授業(資料の活用)
6年1組「世界に歩み出した日本」=堤拓也
▼第5分科会=旭川市立六合中学校
▽公開授業(読書指導)
2年2組「読書活動 読書案内を作ろう 図書館の特集コーナーをプロデュースしよう=」=三浦史也
▼第6分科会=旭川市立緑が丘中学校
▽公開授業(学び方の指導)
2年3組「話す・聞く 魅力的な提案をしよう プレゼンテーションをする」=干場めぐみ
▼第7分科会=旭川市立愛宕中学校
▽公開授業(資料の活用)
1年3組「書く 調べたことを報告しよう レポートにまとめる」=武井翔
▼第8分科会=旭川西高校
▽公開授業(資料の活用)
2年生後期日本史B選択者
「現代に活かせる、日本史の登場人物から学べること」=角田博
▼第9分科会=旭川市立緑が丘中学校
▽公開授業(読書指導)
ナナカマド学級、プラタナス学級、旭川市立緑新小学校特別支援学級児童「秋のお楽しみ会~続あさひかわを作ろう」=中本千悦子
アドバイザーの役割果たす
(関係団体 2019-10-10付)
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