自ら考え、表現する子を 名寄市へき地複式教育研究大会開く
(関係団体 2019-11-01付)

名寄市へき複教育研究大会
キャッチコピーを考えさせた

 【旭川発】名寄市へき地複式教育研究大会が10月上旬、智恵文小学校で開かれた。市へき地・複式教育研究連盟(委員長・橋早智子智恵文小校長)と智恵文小が主催。約50人が参加。公開授業や研究協議などを通し、自ら考え、表現できる子どもの育成に向けた研究の成果を発信した。

 市へき地・複式教育連盟では、研究主題に「ふるさとの仲間とともに学び合い、新しい時代を拓く心豊かな子どもの育成~児童一人一人が仲間とつながり、地域とともに“生きる力”を伸ばす学校・学級経営と学習指導の充実」を掲げ、地域に根ざした主体的・協働的な学び合いによって“確かな学力”を育てる学習指導の創造を目指している。

 具体的には、①個性の伸長と学び合いを重視した指導計画・実践・評価の改善・充実②主体性を育てる学習指導過程の改善・充実③学ぶ意欲を高める指導方法の改善・充実―などに取り組んでいる。

 智恵文小では、前年度から2ヵ年計画で国語科を窓口に研究をスタートさせたが、児童の実態と仮説を再検討。

 本年度の研究主題を「自ら考え、表現できる子どもの育成~学び方が身に付く指導の工夫」とした。 ①問いを明確にした問題提示や既習事項の想起の場②課題解決に向けてゴールや解決方法の見通しのもたせ方③自分の考えを適切に表現し伝える技能―などを視点に、教師の授業力の向上を図るため研究を推進している。

 この日、開会式で橋委員長があいさつ。市へき地・複式教育研究連盟の研究主題のもと、研究の推進を図ってきたことをあらためて確認。「大会ではきたんなく意見が交わされ、皆さんの学校で今後の実践に役に立つようお願いしたい」と求めた。

 続いて、名寄市教委の小野浩一教育長の代理として、千葉良彦参事が祝辞。長年にわたる組織的・計画的な研究実践を積み重ね、市内、管内・全道のへき地・複式教育の充実・発展に寄与していることに敬意を表した。

 このあと、授業を公開。5・6年生の授業を担当した小林悠介教諭が研究発表したほか、研究協議を展開した。

◆話し合い活動を展開 智恵文小5・6年社会科公開

 名寄市へき地複式教育研究大会では、智恵文小学校の授業を公開した。1・2年生7人が生活科、5・6年生15人が社会科に取り組む姿を紹介した。

 5・6年生の社会科は、小林悠介教諭が担当。5年生7人は単元「自動車をつくる工業」を学習した。本時は9時間扱いの9時間目。

 児童はこれまで、自動車をつくる工業について学習を深めるため、工業生産の様子を調査し、地図、統計などの資料を活用して情報収集に取り組んだ。また、単元の指導計画の中に自動車メーカーのものづくり体験教室を位置付け、生産工程や生産者の努力などについて理解を深めてきた。

 この日は、これまで学習してきたことを踏まえ、智恵文中学校の教員に日本の自動車の生産の良さを知ってもらうためのキャッチコピーの作成に取り組んだ。

 児童は話し合い、ノートにメモを取りながら交流。また、ホワイトボードに自分が考えたキャッチコピーをはじめ、それに合う写真、理由をまとめて発表した。

 6年生8人は、単元「世界に歩み出した日本」を学習。6時間扱いの2時間目。教科書の条約改正にかかる本文について学習するため、自分が陸奥宗光なら不平等条約の2つの内容のうち、どちらを先に解消したいかを考えた。

 資料や本文をもとに、児童同士で話し合う活動を展開。条約の内容や条約改正に取り組んだ陸奥宗光の願いや実績について読み取り、根拠を明確にしながらノートにまとめる活動を行った。

(関係団体 2019-11-01付)

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