中標津農業高の教育活動 課題研究 チャレンジ精神結実 全国で高い評価 各種コンクール等で受賞相次ぐ 全国の高校で初 GAP普及大賞(学校 2019-11-01付)
【釧路発】中標津農業高校(清水隆弘校長)における教育活動が高く評価されている。9月だけで4つのコンクール、コンペティションにおいて生徒の取組が入賞。GAPの普及に貢献した企業等の取組に贈られるGAP普及大賞を全国の高校で初めて受賞したほか、全農学生「酪農の夢」コンクールで3年生の山神わかなさんが優秀賞を受賞。同校は「生徒が一生懸命に課題研究などに取り組んできた成果が表れた」と喜んでいる。
同校が9月に受賞したのは、①日本GAP協会主催のGAP普及大賞2019の大賞②全国農業協同組合連合会主催の全農学生酪農の夢コンクールの優秀賞③ビジネス系イベントNoMaps釧路・根室高校生ビジネスコンペティションの最優秀賞と優秀賞④地域活性化に貢献する団体を表彰するわが村は美しく―北海道運動コンクールの審査員特別賞。
GAP普及大賞は、食の安全や環境保全に取り組む農場の認証制度の普及に貢献した取組を表彰。ことしは同校を含めて2つの取組が大賞に選ばれた。
同校の取組は、生産技術科動物活用研究班が考案した「スマートフォンを使った地域農業の課題解決手法」。日本有数の酪農地帯である中標津町では、酪農ヘルパーや外国人技能実習生が多く、GAPの実践に必要な作業手順を指導することが難しいという課題を抱えている。このため、研究班は、作業手順の動画を撮影し、スマートフォンで簡単に確認できる手法を考案した。
ことしで9回目となるGAP普及大賞における過去の受賞者はいずれも企業、農業事業者、行政機関など。高校としての受賞は初の快挙となった。「従来の学校におけるGAP活動の枠を超え、新たなチャレンジとして大賞にふさわしい」と絶賛された。
全農学生酪農の夢コンクールは、全国の大学、高校等の学生・生徒を対象に、酪農に対する夢や想いに関する小論文を募集するもの。最優秀賞の次点となる優秀賞3人の中に、同校食品ビジネス科3年の山神さんが選ばれた。
山神さんは「チーズホエーの可能性」と題して、チーズをつくる際に大量に発生し廃棄されているホエーの活用法を模索した自身の経験を紹介。パウンドケーキやプリンの原料になり得ることを示し「チーズホエーにはまだまだ可能性がある」とつづった。
NoMaps釧路・根室高校生ビジネスコンペティションは、10月に札幌で開かれた本番のサテライト会場として、9月中旬に開催されたもの。地域イベントの一環として、高校生ビジネスコンペが実施され、釧根管内から7校が出場し、12の発表が行われた。
コンペでは同校農産加工研究班の「地域が教材!なかのうスタイル~中標津発!地域創造型プロジェクト」が最優秀賞、同校マネージメント研究班の「地域と創るかぼちゃランタンプロジェクト~かぼちゃで生み出せ!地方創成の新たなかたち」が優秀賞に輝いた。
わが村は美しく運動コンクールでは、同校マネージメント研究班が審査員特別賞を受賞。地元の幼・小・中を対象にした食育学校を平成18年度から継続していることや、前年度から地域活性化イベントとして「かぼちゃランタンプロジェクト」を開始したことなどが評価された。
様々な賞を受賞したことに関し、漆原剛教頭は、生徒たちの努力はもちろん、教諭がアンテナを高く張って様々なコンテストの情報を収集していることを評価。「生徒たちにチャレンジする姿勢を伝えてくれている」と話している。
(学校 2019-11-01付)
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