大学入学共通テスト英語民間試験　来年度の活用は見送り　制度見直し６年度導入目指す　文科省

（学校 2019-11-05付）

　文部科学省は１日、来年度から始まる大学入学共通テストで導入を予定していた英語民間試験の活用を見送ることを明らかにした。地域によって受験機会や受験料などの格差が生じ、公平な受験機会の確保には、さらに時間が必要と判断した。今後、検討会議を設置して１年をめどに制度を見直し、高校の新学習指導要領が適用となる令和６年度実施の試験からの導入を目指すとした。

　１日、文科省Ｗｅｂページ上で萩生田光一文部科学大臣のメッセージを公表した。

　高校生、保護者に向けたメッセージでは、高校の新学習指導要領が適用される令和６年度の試験から大学入試における英語民間試験を導入するとし、今後１年をめどに検討した上で、結論を出すとした。

　安心して受験に臨むことができる仕組みの構築を表明。また、英語の「読む・聞く・書く・話す」の４技能の重要性に変わりはないとの見解をあらためて示した。

　同日、萩生田大臣は記者会見を開き、これらの内容を発表した。

　来年度から大学入試センター試験に代わって実施される大学入学共通テストでは、英語４技能を測定するため、日本英語検定協会など民間の英語試験を導入し、各団体から大学に成績を電子データで提供する予定となっていた。

　一方、試験会場によって受験機会や受験料の負担などの格差が生じる懸念から、全国高校長協会は９月、文科省に実施延期と制度の見直しを求める要望書を提出した。

　広域分散な本道では、特に受験者、保護者の経費負担が大きいことから、道内関係者からも懸念の声が上がっており、１０月２１日には道教委の佐藤嘉大教育長と道議会の笠井龍司文教委員会委員長が連名で文科省に受験機会の拡大に向けた要請活動を実施した。

(学校 2019-11-05付)