釧路へき複連ゼミナール白糠大会 間接指導の学び実践 43人参加し研究協議(関係団体 2019-11-08付)
【釧路発】釧路へき地複式教育研究連盟(中村研自委員長)は10月30日、白糠町立茶路小中学校で釧路へき地複式教育研究連盟ゼミナール白糠大会を開いた。管内から教職員や大学関係者など43人が参加。公開授業や研究の概要説明、研究協議を通し、へき地・複式教育の充実に向け研鑚に努めた。複式学級5・6年生の算数では、間接指導における主体的な学びを実践した。
釧路へき複連の研究主題は「主体的・協働的に学び、ふるさとへの誇りと愛着をもった人間性豊かな子どもの育成~児童生徒一人一人が仲間とつながり、地域とともに“生きる力”を伸ばす学校・学級経営と学習指導の充実をめざして」、茶路小中の研究主題は「主体的に学び、課題解決に向かう子どもの育成~各教科における、小中一貫教育を活かした指導の工夫を通して」。
茶路小中の複式学級5・6年生(5年生1人、6年生2人)の算数の授業を公開。5年生「三角形や四角形の角」、6年生「拡大図と縮図」の単元で木元康太郎教諭が渡りずらしを駆使しながら間接指導における主体的な学びを実践した。
本時の目標を5年生は「四角形の内角の和が360度であることが説明できる」、6年生は「合同な三角形のかき方をもとに三角形の拡大図や縮図の作図のしかたを考える」と設定した。
6年生には三角形を2倍に拡大した図形の書き方を考える課題を提示。辺や角のうち、3ヵ所のみ分かるカードを選択させ思考させた。
その間、5年生には四角形の内角の和はいつも360度になることを説明するという本時の課題を提示。子どもが一人のため、子どもの考えに対し、教師が対角線の分け方などでいろいろな揺さぶりをかけた。自分の言葉で考えを説明しながら、四角形の内角の和はいつも360度になることを説明。6年生は、作図に必要な辺や角の条件を選んだカードから必要な条件を見つけ出すことで2倍の拡大図を書いた。
参観した弟子屈町立奥春別小学校の野田哲史教諭は「自分の言葉で説明できる姿に小中一貫教育の成果を感じた。同時間接指導など有効な指導法は参考になった」と話した。
公開授業後の開会式では中村委員長があいさつ。本年度が道へき地複式教育研究連盟の第10次長期5ヵ年研究推進計画の初年度に当たることを踏まえ、「コミュニティ・スクールやふるさと教育など小規模校の特性を生かし、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に本日の成果を生かしてほしい」と呼びかけた。
来賓の白糠町教委・川島眞澄教育長は、同連盟の教育活動への謝意を示し「へき地性や小規模性、個に応じた指導など、主体的に学び問題解決に取り組み、個々の資質・能力を伸ばす授業改善の工夫を」と期待を込めた。
続く研究協議では、茶路小中の岡本憲和研修部長が研究の概要を説明。平成30年度からスタートした小中一貫教育に伴い、単元担任制での乗り入れ授業、教科担任制や授業協力など、特色ある教育活動について解説した。
研究主題に掲げた“主体的に学び”について、①目的意識と見通しをもち②より良い取組を考え③自己の学習を振り返ること―とし、課題を解決し、つぎにつなげようとする姿であるとした。
このあと、ワークショップ型討議に移り、子どもの様子や教師の支援などの課題解決法について活発に意見を交換した。
助言に立った白糠町教委の森下智之指導室長は「同時間接指導は客観的に全体を見取るためには有効。明確な課題提示と振り返りの内容をしっかりと把握することも大切」と示唆。
釧路教育局義務教育指導班の菅野裕介主任指導主事は、小規模校の間接指導の重要性を強調した上で「何を学ぶとかいう課題意識をつなぐことが大事。子どもの学びに教師が支援していくことで学びの姿が変わる」と、さらなる授業改善に期待を寄せた。
(関係団体 2019-11-08付)
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