第74回道社会科教育研究蘭越大会 授業改善について考察 7つの公開授業や講演など(関係団体 2019-11-08付)
約230人が参加し、研鑽を積んだ
【小樽発】道社会科教育連盟、後志社会科研究協議会主催の第74回北海道社会科教育研究大会蘭越大会が1日、蘭越町立蘭越小学校を主会場に開かれた。全道から約230人が参加。小・中学校3校7つの公開授業や分科会、講演会などを通して、児童生徒が主体的・協働的に学ぶ社会科の授業改善について意見を交わした。
道社会科教育連盟の研究主題は「社会を知り、世界を切り拓く子の育成~見方・考え方を鍛え、生きて働く資質・能力を確かに育む社会科の学び」。本年度は4ヵ年継続研究の初年度で、①学習問題の吟味と正しい教材化②協働的な社会科らしい学び③確かな知識の入力と活用・発揮―を柱に研究を進めている。
後志社会科研究協議会では研究主題に「社会的な見方・考え方を働かせ、思考・判断・表現力を育む授業」を掲げ、統計資料や調査結果などを根拠とした「AI的思考」と、思いや願いに寄り添う「人間的思考」の視点から交流場面を意図的に設定する授業づくりを行っている。
大会では、蘭越小、蘭越町立蘭越中学校、ニセコ町立ニセコ中学校で7授業を公開した。
蘭越小で行われた開会式では、道社会科教育連盟の山下豊委員長があいさつ。地域の社会的事象を大切にして教材開発してきた後志地区の取組を評価し、「後志地区の授業と全道各地区の実践の提案交流を通して、充実した大会にしてほしい」と期待した。
次いで、大会運営委員長を務める蘭越小の山﨑貴志校長が「皆さんの社会科への思いと英知を結集してほしい。これから複雑化・多様化する社会をたくましく生きる子どもを育てるためにオール北海道で学び合い、磨き合う大会にしよう」と呼びかけた。
来賓からは後志教育局の櫻井康雄局長、蘭越町の金秀行町長が祝辞。
櫻井局長は「社会科は、自分の住む町や世界各地の気候はどうなっているのか、水・電気・ガスをどのように使い、ごみをどのように処理するのか、先人はそれぞれの時代で平和を願いどのように取り組んだのか、世界の人々と仲良く暮らすためにどうすればよいのかといった日々の生活、自分自身の人生や国の将来にかかわる重要な学習」とし、組織的な授業改善に期待。児童生徒が進んで調査や見学に取り組み、地図や年表、グラフの読み取り方が分かり、主体的に学習する授業づくりを進めるよう求めた。
続く全体会では、道社会科教育連盟の斉藤健一研究部長、川本真央蘭越大会研究部長が研究概要を説明。授業分科会、課題別分科会を行ったほか、道教育大学旭川校の坂井誠亮教授が「新学習指導要領に基づく社会科授業の改善」と題して講演した。
◆子育て支援へ認識深め 蘭越小6年生の公開授業
第74回道社会科教育研究大会蘭越大会では7授業を公開。うち蘭越小学校の髙岸京平教諭は、6年生の「わたしたちの暮らしを支える政治」を指導した。児童は、保育所、子育て支援センター、学童保育所が同じ場所にあるよさについて多角的に考え、表現する活動を通して、親の思いや願いをかなえる子育て支援のよさについて認識を深めた。
髙岸教諭はこれまでに町内の子育て支援施設について調べたことを振り返らせたあと、「3つの子育て支援施設が同じ場所にあるよさはどんなことだろう」と課題を提示した。
児童はそれぞれ考えを付せんに書き、意見を交換。「移動が楽」「グラウンドなどを一緒に使える」「保育所に子どもを預けている間にセンターに相談できる」「職員同士が協力できる」などと発表した。
髙岸教諭は、親、子ども、施設職員の立場から分類して板書し、前蘭越町長である宮谷内留雄さんへのインタビュー映像、センター職員の意見を紹介。児童は自分の考えと比較しながら気付いたことについて意見を交わした。
髙岸教諭は「利用する人たちの願いをかなえる子育て支援施設になっている」とし、児童は安全・安心などをキーワードに自分の言葉でノートにまとめた。
また、教科書にある東京都世田谷区の子育て支援事業と蘭越町に共通していることについて考え、世田谷区役所も蘭越町役場も親の願いをかなえる子育て支援を進めていることを確認した。
最後に、振り返りをノートに書いて全体で交流した。
(関係団体 2019-11-08付)
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