北教組と道私教協が合同教研　競争と管理の政策転換を　給特法廃止へ運動強化　北教組信岡委員長

（関係団体 2019-11-12付）

約３５００人が参加した

　北教組（信岡聡中央執行委員長）と道私教協（川又英弘執行委員長）は１日から３日間、ゆうばり文化スポーツセンターなどを会場に、第６９次合同教育研究全道集会を開いた。初日、開会あいさつに立った北教組の信岡中央執行委員長は、競争と管理の政策の転換が真の学力の向上につながると訴えたほか、給特法廃止・見直しを実現する運動を強化すると表明した。

　集会スローガンは「平和を守り真実をつらぬく民主教育の確立～教え子を再び戦場に送るな」。　

　夕張市での開催は２００８年以来１１年ぶり。３日間を通し、全道から延べ約３５００人が参加した。

　開会あいさつでは、北教組の信岡中央執行委員長と道私教協の川又執行委員長、北教組空知支部の八木巻俊支部長が登壇。

　信岡委員長は、大学入学共通テストの英語民間試験にかかわり「格差を容認し、生まれた地域や経済力の差に目をつむり、憲法に保障された子どもたちの教育を受ける権利や機会均等を奪うもの」と批判。また、教員不足による免許外教科の指導や、多忙化による教材研究、研修時間の不足は子どもの学習権の侵害につながると指摘し、「競争と管理の政策の転換、抜本的な勤務条件と教育条件の改革が、子どもたちの真の学力向上につながる」と訴えた。

　１年単位の変形労働時間制の導入を可能とする給特法改正案については、超勤を追認し、固定化・常態化させるものと批判し、業務削減と教員の持ち授業時数削減に向けた定数改善、給特法の廃止・抜本的見直しなどの改善を実現するための運動を引き続き強化する考えを示した。

　その上で「私たちが置かれている社会・経済状況と政府・文科省の政策が目指すものを厳しく分析・批判し、子どもの現実や地域・社会と教育のかかわりなどについて議論を深めてほしい」と呼びかけた。

　続いて、教育実践セミナーを実施。「私たちのめざす“主権者教育”～改訂学習指導要領と対決し、学校改革・自主編成をすすめるために」と題した提起のほか、「“国連障害者権利条約”の理念を生かしたインクルーシブ教育を考える～同じ場でともに学ぶための教育実践をすすめよう！」をテーマとするパネルディスカッション、静内アイヌ協会の葛野次雄会長の講話「“よりよい共生”の実現とは～アイヌの精神世界から“アイヌ新法”“遺骨問題”を問う」を行った。

　２日目は２７の分科会に分かれて研究協議。「青年のつどい」では、「私たちにできる自主編成運動」「私たちにできる“職場づくり”と“組織強化・拡大”」をテーマに交流した。

(関係団体 2019-11-12付)