道中学校長会第5回理事研修会 重大な決意と覚悟を 働き方改革推進で新沼会長
(関係団体 2019-11-13付)

道中学校長会第5回理事研
新沼潔会長

 道中学校長会が8日にホテルライフォート札幌で開いた第5回理事研修会(12日付1面既報)では、新沼潔会長が学校の働き方改革の推進などについて説明した。働き方改革では、部活動改革が最重要課題とし、「重大な決意と覚悟をもって進めよう」と訴えた。概要はつぎのとおり。

▼道中研・全日中研、地区別教育経営研究会

 9月27、28日に行われた第61回道中研究大会空知・岩見沢大会を終え、1ヵ月が過ぎた。先日発行した道中だより368号において会員の皆さんに大会の内容について報告した。

 岩見沢市を会場に2日間にわたり開催されたこの大会には、全道各地より350人を超える会員の参加があった。大会実行委員長の太田智子校長を中心に、小学校の校長も含めた空知校長会の総力を挙げたきめ細かな配慮と準備、おもてなしによって大きな成果を上げるとともに、4ヵ年継続研究のまとめにふさわしい充実した大会になった。

 また、先月末に行われた全日中研究協議会群馬大会にも、多くの会員の皆さんに参加いただいた。道中を代表して、第3分科会において宗谷校長会と上川校長会から提案が行われた。

 新学習指導要領において創設され、先行実施されている「特別の教科 道徳」における現状と課題について校長会としての共同研究による成果と課題、校長としてのリーダーシップやマネジメントの在り方など示唆に富んだ提案だった。

 地区別教育経営研究会では、各地区において、年々、内容や運営方法など十分検討や工夫が進められ、校長の職能向上に資する充実した研究会となっていることにも感謝申し上げる。今後もさらなる充実を目指していただきたい。

 また、本年度も道小・道中の役員がスライドを使いながらそれぞれの組織の活動を紹介するとともに、各地区からの質問等に幹事が答えた。来年度に向けて意見や要望などあれば、経営部まで寄せてほしい。

▼新学習指導要領の全面実施

 「特別の教科 道徳」など一部先行実施されているが、今求められているのは人生100年の時代をたくましく生き抜くための基礎を身に付けることである。100年を生きる健康や体力はもとより、学習面においても大きな転換が求められている。アクティブ・ラーニングの導入を含めた「主体的・対話的で深い学び」への授業の質の転換はその最たるものといえる。私たち教員は、基本的に自分たちの受けた教育をベースにして現在の教育を行っている。

 しかし、これからはそこからいかに脱却し新たな教育をつくり上げていけるかが大きな課題といえる。一人ひとりの教員の意識改革をいかにして成し遂げていくかが我々校長の腕のみせどころといえる。

▼教員の働き方改革

 北海道ではこの2年の間に北海道アクション・プランの改定を2回行い、改革を推し進めている。時間外勤務を月45時間以内、年間360時間以内にすること。それは今実現しなければならない最低限の数字といえる。

 そのためには、特に中学校で部活動改革が最重要課題である。勝利至上主義から脱却し、いかにして子どもの将来にわたる健康・体力の基礎としていくか。ここでも一人ひとりの意識改革が大切である。

 しかし、このような現状の中、一部競技団体でリーグ戦を導入し、さらに活動を増やしていこうとする動きもみられる。さらに、その活動には中体連で引退するはずの3年生も含まれているとの情報もあり、明らかに時代に逆行しているといわざるを得ない。

 私たち校長は、働き方改革を実現する責務を負っている。「日本協会の指示だから」「道協会の指示だから」と言って我々校長は引くわけにはいかない。あくまで「北海道アクション・プラン」にのっとった形での活動しか認めるわけにはいかない。

 さらに、3年生については部活としてではなく、個人資格での参加しか認めるわけにはいかない。毅然とした態度と対応が不可欠と考える。

 私たちは長年、「教員は金のことを言ってはいけない」「時間を気にしてよい教育はできない」という風土の中で生きてきた。その結果が今、若者の教員離れという形となって表れている。

 このときを逃せば、これからの教育に未来はない。重大な決意と覚悟をもって働き方改革を進めていこう。

(関係団体 2019-11-13付)

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