道中理が函館で研究大会 創造する力を育む理科 小路会長 世代超えつながりを (関係団体 2019-11-14付)
150人が参加し、研鑚を積んだ
【函館発】道中学校理科教育研究会(=道中理、小路徹会長)は10月中旬、函館市立深堀中学校で第58回道中学校理科教育研究会函館大会を開いた。全道から教職員約150人が参加。大会主題「自然と人間との調和をめざし、未来を創造する力を育む理科教育~主体的に学習に向かい、科学的探究能力を高める理科教育」のもと、公開授業や研究成果の交流を通して、指導力の向上に励んだ。開会式で小路会長は、小・中・高の世代を超えた学びのつながりの重要性を指摘した。
道中理では、研究主題「自然と人間との調和をめざし、未来を創造する力を育む理科教育」のもと、8ヵ年計画で研究を進めており、本年度6年目。研究の観点は、①教育課程と学習内容からのアプローチ②学習活動や学習形態からのアプローチ③教材・教具や観察・実験の工夫からのアプローチ④学力観および学習評価からのアプローチ―の4つ。
開会式では、小路会長が登壇。大会主題について説明し、「未来を創造する力の本質は、主体的、能動的な学びへの姿」と新学習指導要領とのかかわりを示し、「新たな時代の教育では、小・中・高の世代を超えた学びの“つながり”が重要」と呼びかけ、大会を通して理科教育の追究と新たな価値創造へのつながりに期待を寄せた。
つぎに、木村雅彦大会運営委員長があいさつ。「日々の研究は大会のためではなく、子どものスキルアップのため。成果を積極的に交流し、互いの資質・能力向上に努めてほしい」と呼びかけた。
来賓祝辞では、渡島教育局の五十嵐晋局長と函館市教委の松田賢治学校教育部長が登壇し、大会の成功と成果に期待を寄せた。
このあと、各学年1クラスずつで授業を公開したほか、学年ごとの分科会、地区別での研究発表などを通して、本道における理科教育の向上に向けて研鑚を積んだ。
◆空気の力で水が出入り 深堀中1年「身の回りの現象」
開会式のあと、函館市立深堀中学校の1年、函館市立戸倉中学校の2年、函館市立湯川中学校の3年の授業を公開した。このうち、深堀中1年C組(生徒数29人)では、単元「身の回りの現象」の授業を種市竜太教諭が指導。生徒は、コップの水が空気の力で出入りする仕組みを学んだ。
本時は22時間扱いの21時間目。「大気による圧力」を題材に授業を展開した。
学習目標として、「簡易真空容器の中の空気を抜いたり入れたりすると、コップから水が出入りする現象や水が出てこなかったりする仕組みについて、積極的に話し合う」「コップの中から水が出たり入ったりする現象を、自分なりに根拠をもって考え、説明できる」の2点を設定した。
はじめに、生徒が4~5人のグループに分かれ、簡易真空容器を使用した実験に取り組んだ。
水が半分ほど入ったコップを逆さまにして容器に入れ、真空状態にすることで、水が外に出てくることを確認。
その上で、種市教諭は「なぜコップの中の液体が出入りしたのだろう」と課題を投げかけ、グループで交流するよう求めた。
生徒は、個人思考のあと、グループ内で水が出入りした理由について意見交換。「空気を抜くことで隙間ができたから水が出る」「空気が抜けることで、その分だけ外に出ていく」などの声が上がった。
つぎに、コップに隙間ができないように水を入れ、同様に実験。空気の出し入れでコップの水に変化が出ないことを確認した。
実験のあと、条件の違いによる実験結果を交流。
「隙間があるときは、空気が出ようとするから水も出ていく」「隙間がない状態では、空気がないから外に出てこない」などと意見を出し合った。
種市教諭は、コップの隙間にある空気の影響で水が出入りすることを説明し、「液体は、空気の力によって出入りする」とまとめた。
(関係団体 2019-11-14付)
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