道教育大鶴陵会が中堅リーダー研修会　授業力向上へ研鑚深め　特設授業公開や実践交流など

（関係団体 2019-11-14付）

特設授業で小６総合学習を指導する中村教諭

　【釧路発】道教育大学釧路校同窓会「鶴陵会」（寺嶋正純会長）は８・９日の２日間、道教育大附属釧路小学校、附属釧路中学校、道教育大釧路校を会場に中堅リーダー研修会を開いた。道教育大附属釧路小・附属釧路中の授業力向上セミナーを兼ねて開催。道内の各支部から１８人が参加した。特設授業や情報交換、実践交流などを通して、資質向上を図った。

　初日の特設授業は、附属釧路小の中村有佐教諭が６年１組で総合的な学習の時間を、附属釧路中の三光楼正洋教諭が２年Ｃ組で道徳科の授業をそれぞれ指導した。

　そのうち、中村教諭の授業「地球のたからを明日へ届けよう」では、身近な環境問題を通して自分たちにできることを考え、自然環境の保全にかかわっていく授業を展開した。

　本時は１５時間扱いの１３時間目。目標に「身近な環境の生態系バランスを守るために自分の立場を踏まえ、より実現可能な考えを表現することができる」を設定した。

　身近な環境問題として「阿寒の森」の生態系のバランスを元に戻し、維持していくために自分たちにできることは何かについて意見交換した。

　子どもたちは以前、阿寒自然体験活動で、シカの食害から木を守るためのネット巻き作業体験やそこで働く人の思いなどを聞いている。自分で調べたことや他人の意見を聞き、生活が豊かになることで失われていく自然環境や、環境保全の取組が生き物の生活環境を奪うことなどを理解した。

　また、日常の暮らしの中で意識できることや取り組めることを考えたほか、食物連鎖が森林やその他の生態系とつながり、バランスを保つことで自然環境が守られていることについて、あらためて自分たちができることは何かを確認した。

　このあとの研究協議で、２つの授業をもとに、小・中学校の会員が一緒になって「小学校における教科等横断的なカリキュラムと、中学校における道徳科の実際」について話し合った。

　２日目、道教育大釧路校で行われた実践交流では、１６本の実践レポートの発表をもとに、各管内の実践研究の現状と課題について意見交換した。

　網走市立白鳥台小学校の田中俊光教諭は、中堅教員の役割として、①学級・学年運営、教科指導、生徒指導等の力の向上②主任等学校運営において重要な役割を担う力の向上③若手教員を育てる力の向上―の３点を挙げ、授業力と学校運営について実践を発表した。

(関係団体 2019-11-14付)