外国語教育推進会議事業本格化 中・高教諭でTT指導 英語力高める授業づくり 蘭越町教委
(市町村 2019-11-11付)

 【小樽発】蘭越町教委は、本年度から外国語教育連携推進会議に基づく各種事業に精力的に取り組んでいる。町内の全保育所・幼稚園、小学校、中学校、高校で英語教育を進め、発達段階ごとの学習到達目標を設定。蘭越高校や蘭越中学校の英語教諭が他校で授業を行うなど異校種連携にも力を入れている。10月からは蘭越高の笹木克己教諭と蘭越中の菊地洋平教諭が蘭越中で、チーム・ティーチング(TT)授業を展開。英語で議論するための文章づくりなどを指導している。

 蘭越町は昨年7月に全学校・園で構成する外国語教育連携推進会議を発足し、町内における外国語教育の推進、異校種間の連携、円滑な接続を目指し、活動を展開している。

 本年度から保育所・幼稚園に英語指導員を配置するとともに、小学校に英語指導助手(ALT)を派遣。小学1・2年生でも英語活動を行っている。

 英語教育における発達段階ごとの目指す児童生徒の姿と、学習到達目標を示した「CAN―DOリスト」を作成。小学校では「英語に親しみ、様々な人々と積極的に英語でコミュニケーションを図ろうとする態度が身に付いている」など5点、中学校では「卒業後、一人ひとりが自分に必要な英語力を高められるように、英語でのコミュニケーション能力の基礎や英語の学び方を身に付けている」など6点を目指すこととしている。

 10月からは蘭越高の笹木教諭が蘭越中3年生の英語科基礎コースの授業に参加。3回目となる10月31日には「英語で議論することができる」を目標に、蘭越中の菊地教諭とTTによる指導を行った。ALTのダニエル・ブラットリーさん、氏家裕子学習支援員も加わった。

 3回目の授業で菊地教諭は本時の目標を確認し、ワークシートを配布。生徒は教科書にあるロボットの導入に関する考えの会話を参考に、自分の主張を英語で書き込んだ。

 笹木教諭は生徒のロボットに対する意見を引き出すとともに、英語の表現の仕方、単語の意味などを助言。生徒はより良い文章になったことに満足げな表情を浮かべていた。

 菊地教諭は「賛成なら“私もそう思う”、反対なら“そうは思わない”と言うなど相手の意見を理解した上で自分の考えを伝えて」と話し、生徒にペアで練習させた。

 11月にもTTによる指導を予定しており、笹木教諭は「生徒一人ひとりに合わせた指導を心がけている。基礎・基本を大切に、少しずつハードルを上げていきたい」「中学生の反応は新鮮であり、気付いたことを高校での指導にも生かしたい」と述べ、意欲的に取り組む考え。

 蘭越中では、生徒一人ひとりに声をかけて支援する機会が増えたことをメリットに挙げ、今後は評価に笹木教諭の視点を入れていく考え。

 町教委では今後、菊地教諭による小学校での乗り入れ授業も計画しており、異校種間連携を進めていく。巻礼子学校教育アドバイザーは「目指す姿を共有して一貫した英語教育を進めたい。来年度も発展的に継続していきたい」と話している。

(市町村 2019-11-11付)

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