【解説】公立夜間中学設置上の課題

（解説 2019-11-11付）

　道教委がまとめた「教育機会の確保にかかる市町村の現状に関する調査」によると、生涯学習施策として義務教育に相当する教育機会を提供しているのは苫小牧市の１市、首長部局で学習機会を提供している市町村は５市町村あることが分かった。公立夜間中学の設置を検討する上での課題では「ニーズの把握」「財政上の負担」が最も多く挙げられた。

　教育機会確保法施行後の各市町村における課題や、教育機会提供の取組の現状などを把握し、今後の施策の検討に資することが目的。調査対象は札幌市を除く道内１７８市町村教委。調査時期は令和元年５月。

　１７８市町村のうち、公立夜間中学の設置に向けて検討している市町村はゼロ。把握に向けた調査などを検討した市町村は１市町村。議会での議論があった市町村は５市町村、住民からの要望・問い合わせがあった市町村は１市町村だった。

　設置を検討する上での課題として最も多かったのは「ニーズの把握」「財政上の負担」。つぎに「人材の確保」「設置場所の確保」などと続いた。道、国に求める支援では、財政上の支援が最も多く挙げられた。

　１５歳以上の市民を対象に、義務教育に相当する教育機会の確保に向けた生涯学習施策を行っている市町村は苫小牧市のみ。

　義務教育未修了者や外国人居住者などを対象に、労働、福祉、国際関係部局などで学習機会を提供している市町村は５市町村。このうち４市町村が日本語教室、１市町村が国際交流サロンでの取組となっている。

　その他、義務教育未修了者、形式卒業者、外国人居住者に関する課題として、対象者にアプローチするための関係機関との連携や、不登校児童生徒の卒業後の支援に関する保護者との連携が挙げられた。

(解説 2019-11-11付)