【解説】パソコン１人１台の目標提示

（解説 2019-11-25付）

　文部科学省の設置する新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会は、２１日の第５回会議で「これからの学びを支える学校ＩＣＴの実現に向けたイメージ」を示した。可能な限り早急に国家プロジェクトとして、コンピューター端末の「１人１台環境」を実現し、全授業でデジタル教科書・教材をフルに活用していくなど、ＩＣＴ整備の今後の方向性を示している。

　文科省は６月、学校教育の情報化の推進に関する法律を公布・施行。すべての児童生徒が状況に応じて効果的に教育を受けることができる環境整備の基本理念を示した。

　令和２年度予算概算要求では、３ヵ年計画で全小・中学校、高校、特別支援学校で高速・大容量の通信環境を整備する「ＧＩＧＡスクールネットワーク構想の実現」に３７４億円を計上。ＩＣＴ活用アドバイザー事業など、４つの新規事業を盛り込んだ。

　２１日の新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会第５回会議で示されたこれからの学びを支える学校ＩＣＴの実現に向けたイメージでは、ハード・ソフト両面で学校のＩＣＴ環境を整備する方針を提示。当面の目標として、１日に１～２コマ、授業展開に応じて必要なときに１人１台の環境でデジタル教科書やＡＩ技術を活用したドリルなどのデジタル教材を活用する目標を示した。

　また、可能な限り、早急に国家プロジェクトとして、全授業において１人１台の環境でデジタル教科書・教材を活用。教員の指導や児童生徒の学びを支援する観点から学習ログを活用していくとした。

　今後のスケジュールでは、本年度中にＩＣＴ機器等の標準仕様を示すとし、２年度に先端技術利活用ガイドラインを策定。教育データの活用に向けた標準化を行うとしている。

(解説 2019-11-25付)