【解説】大学共通テストで新たな仕組み

（解説 2019-11-29付）

　萩生田光一文部科学大臣は２６日の記者会見で、大学入学共通テストにおける記述式問題の自己採点と実際の採点結果との不一致を防ぐため、自己採点をシミュレートする仕組みの提供を検討していることを明らかにした。来年度の実施を前提に、正答の条件の意味や内容を整理し、高校に周知・指導するとした。

　令和３年度入学者選抜から導入される大学入学共通テストでは、新たに国語・数学で３問の記述式問題を導入。国語では内容面に関する評価をａ、ｂ、ｃの３段階で表示し、数学では段階表示は行わず、マーク式問題と混在させた形式で数式などを記述する問題が出題される。

　文科省は、多数の受験者の答案を短時間で正確に採点する観点に基づき、処理能力、信頼性、実績などを有する民間事業者を活用する方針を示している。一方、採点の客観性・公平性確保、自己採点の難しさなどが指摘されている。

　２６日の記者会見で萩生田大臣は「思考のプロセスがより自覚的なものとなり、論理的な思考力・表現力を発揮することが期待され、高校に対し主体的・対話的で深い学びに向けた授業の改善を促す大きなメッセージになる」と記述式問題の効果を説明。

　「どのような改善が可能か、様々な方策を検討するとともに、記述式問題導入の意味を一層丁寧に説明したい」とし、３年度の実施を前提に改善に全力を挙げる考えを示した。

　自己採点と採点結果との不一致を防ぐための方策として、大学入試センターで、正答の条件の意味や内容を分かりやすく整理して高校に周知・指導するとし、「その内容を生かし、受験生が何らかの形で自己採点をシミュレートできるような仕組みを提供できないか、大学入試センターと協議している」と述べた。

(解説 2019-11-29付)