【解説】子の貧困対策大綱 閣議決定
(解説 2019-12-03付)

 政府は11月29日、子供の貧困対策に関する大綱を閣議決定した。親の妊娠・出産期から社会的自立までの切れ目ない支援など、国の方針を提示。地域に開かれたプラットフォームである学校の指導・運営体制の構築や、高校における修学継続に向けた支援など、今後の施策の方向性を示した。

 内閣府が設置する子供の貧困対策に関する有識者会議で検討し、パブリックコメントの結果を踏まえ決定したもの。

 現在から将来にわたり、すべての子どもたちが夢や希望をもつことのできる社会の構築を目指し、地域や社会全体で解決する意識をもって子どもを第一に考えた支援を包括的・早期に実施する。

 基本的方針として、①親の妊娠・出産期から子どもの社会的自立までの切れ目のない支援②支援が届かない、または届きにくい子ども・家族への支援③地方公共団体による取組の充実―の3点を設定。

 教育の支援では、学校を地域に開かれたプラットフォームと位置付け、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーが機能する体制の構築を挙げ、少人数指導や習熟度別指導、補習など、指導体制の充実を示した。

 また、高校などの中退予防や中退後の支援、配慮を要する子どもへの支援、夜間中学の設置促進・充実、学校給食を通じた子どもの食事・栄養状態の確保などを挙げている。

 生活の安定のための支援では、妊娠・出産期から社会的孤立に陥ることのないよう配慮して対策を推進する方向性を提示。子育て世帯包括支援センターの全国展開、若年妊婦へのアウトリーチ支援などを進める。

 経済的支援として、児童扶養手当の支払い回数を年3回から6回とするなど、制度を着実に見直す方向性を示した。

(解説 2019-12-03付)

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