【解説】小学校高学年の教科担任制
(解説 2019-11-27付)

 国は、小学校高学年における教科担任制の導入に向けた検討を進めている。文部科学省の設置する新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会は21日の第5回会議で、これまでの審議を踏まえた論点取りまとめ(素案)を作成。義務教育9年間を見通した教科担任制に関する論点として、義務標準法の在り方を含め必要な教員定数の確保、小規模校でも実施可能な仕組みの構築などを検討する必要性を示した。

 論点では、小学校における教科担任制導入によって、教材研究の深化、授業準備の効率化による教科指導の専門性や授業の質の向上、教師の負担軽減が図られるとし、学力向上や小・中学校間の連携による円滑な接続などの効果を指摘。児童の発達段階、教育内容の専門性の向上などを踏まえ、小学校高学年からの教科担任制を本格的に導入するべきとした。

 そのため、義務教育9年間を見通した教育課程・指導体制の一体的検討が必要とし、義務標準法の在り方を含めた必要な教員定数の確保、小学校における教員間の分担の工夫、中学校における担当授業時数や部活動指導時間を踏まえた教員の在り方など、小学校間や小・中学校間の連携の在り方を検討するべきとした。

 また、教科指導の専門性を高める教員養成・研修の仕組みの構築や、教科指導・探究活動等の専門性の高い教員の配置の推進など、教育職員免許法の在り方も含めた養成、採用、研修、免許制度、人事配置の在り方のほか、小規模校でも実施可能となる仕組みの構築を挙げた。

 このほか、小学校高学年以降に専門性の高い教育を行うことを見据え、中学年までに基礎的・基本的な知識、技能を確実に習得させるための教育課程の在り方を検討する必要性を示した。

(解説 2019-11-27付)

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