札幌市有明小が実践発表会　仲間と協力し課題解決　３・４年体育　鉄棒運動

（学校 2019-12-06付）

　札幌市立有明小学校（東尚典校長）は１１月２９日、同校で教育実践発表会を開いた。約８０人が参加。研究主題「自ら表現し高め合う子」のもと、算数、理科、体育の５授業を公開。３・４年生を対象とした体育では仲間と協力して鉄棒運動の課題解決につながるような授業を展開した。

　同校は、研究の視点として、①個を伸ばす生かす（学ぶ意欲）②集団を伸ばす（学び合い）―の２点を設定。学年や教諭を問わず指導することで、少人数学級の良さを生かした学習活動を推進している。

　公開授業のうち、３・４年生の体育「鉄棒運動」（児童数３５人）は、小暮千裕教諭と高倉里奈教諭が指導。本時の目標を「仲間と協力し、課題解決のために必要なことを考えながら練習に取り組むことができる」と定めた。５時間扱いの３時間目。

　前時までに児童は、前方支持回転と後方支持回転を練習している。

　練習の中で同じ課題をもつ児童がグループをつくり、視点②から、仲間と解決して課題解決に取り組んでいる。

　両教諭は冒頭、児童に各グループで練習方法の考察をさせた。

　児童はホワイトボードに「へその位置に気を付ける」「膝の位置を意識する」など、技の成功につながる練習方法を記入。視点①から、小交流で基礎練習を考えさせることで課題解決につながるよう工夫した。

　児童は小交流で考えた練習方法をもとに、鉄棒運動を実践。

　鉄棒にタオルを巻き付けることで体を固定。逆上がりのコツをつかむ練習などを繰り返し行った。

　両教諭は各グループをめぐり、前方支持回転に挑戦している児童には「ひざと背中を曲げるとへその位置が固定されるよ」などと助言を行った。

　児童は、両教諭の支援をもとにグループで道具を活用した練習を実践。蹴り上げる力を身に付けるためにボールを足元に用意するなど、協力して技の成功につながる練習を工夫した。

　実践練習のあと、両教諭は各グループで振り返りを行わせたほか、次時の目標を設定。仲間と協力して基礎練習を行うことで課題解決につなげさせた。

　公開授業後は分科会。「鉄棒運動に対する練習を児童に主体的に進めさせていた点が有効だった」「主体的に練習させるバランスと教諭が指導するバランスを考えると、より良いのでは」などの意見が出ていた。

(学校 2019-12-06付)