道徳教育推進校の北広島市西部小 夢実現に必要なことは 公開研で2授業公開(学校 2019-12-06付)
努力してやり抜こうとする態度を育てる授業を展開
本年度、道道徳教育推進校に指定された北広島市立西部小学校(椿野次雄校長)は11月29日、同校で公開研究会を開いた。研究主題「自ら考え、対話することを経て、より良く生きようとする子の育成~心に響く道徳科の授業づくりを通して」のもと、2授業を公開。うち、6年の「志をもって」では、オリジナル教材「車いすバスケットボール選手 碓井琴音さん」を活用し、自分の経験の振り返りや交流を通して夢の実現に必要なことを考えさせる授業を展開した。
同校は、平成30年度から2ヵ年計画で道徳科を研究教科に据えて研究をスタート。
研究内容には、①道徳的な心情や判断力を育てるための指導方法の工夫②振り返りや評価の工夫③効果的な教育課程の編成―を設定している。
公開授業のうち、6年1組(児童数30人)では、鈴木三津江教諭が「志をもって」を指導。オリジナル資料「車いすバスケットボール選手 碓井琴音さん」を活用し、「希望と勇気、努力と強い意志」の内容項目について学習した。
本時のねらいを「碓井さんの生き方にふれることを通して、何かをやり遂げようとするときに一番大切なのはどんな心なのかを考えさせ、困難があってもくじけずに努力してやり抜こうとする態度を育てる」と設定した。
碓井さんは、車いすバスケットボール日本代表を目指す北広島市在住の大学生。前年度、福祉をテーマとした総合的な学習の時間で講師に招いて交流したこともあり、児童らにとって身近な存在。また、病気の発症が子どもたちと同じ世代であること、彼女の夢が現在進行中であることなどから、道徳的価値がより深まることをねらって自作教材を扱った。
鈴木教諭は、自分の夢や目標を児童に発表させた上で、今までに目標を達成できなかった経験があるか発問。さらに「何かをやり遂げるためにはどんなことが必要か」と問いかけ、ノートに書かせた。
「努力」「周りの支え」「やる気」などの意見を引き出した上で、碓井さんの動画を再生し彼女の生き方から学ぶことを伝えた。
碓井さんに関連する資料をパワーポイントで提示。中学2年で骨肉腫を発症して足を切断し、義足を付けることを決断したことや、高校3年から車いすバスケットボールを始めたことなどを紹介した。
鈴木教諭は、碓井さんの生き方を紹介する中で「病気を知ったとき」「車いすバスケに出会ったとき」「U25世界選手権でベスト4に入ったとき」を取り上げ、自分ならどう思うか発問。発表では、自分の経験に結び付けて発表している児童を評価するなど、自分らしい感想をもって教材と向き合うことを促した。
また、碓井さんが語る今後の夢を紹介。彼女が夢の実現に向けて懸命に努力し、小さな夢や目標を一つずつ乗り越えている最中であることを伝えた。
鈴木教諭は再度、「何かをやり遂げるために必要なこと」について発問。個人でノートに書かせたあと、グループ交流を通して多面的・多角的な考えにふれさせた。発表では「自分だったら」という表現に着目させたほか、「難しい」と感じることも大切な視点であることを伝えた。
授業の冒頭と現在の考えを比較させ、交流によって友達の意見を吸収したり自分の意見を深めたりできたか確認。
最後に、日常生活の中で見られる児童の頑張りの姿をスライドで流し、今後の意欲につなげた。
このあと、全体会で中田豪研究部長が研究の概要を説明。
分科会では、石狩教育局義務教育指導班の因雅仁主任指導主事と北広島市立西部中学校の城野文久校長の指導助言のもと、教材づくりや本時の展開などについて研究協議を行った。
(学校 2019-12-06付)
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