札幌市教委が市立高教育研修会　学習評価の観点学ぶ　指導要領改訂に伴う変更点も

（市町村 2019-12-11付）

中学校の授業例をもとに研修を行った

　札幌市教委は６日、市内ちえりあで市立高校教育研修会を開いた。令和４年度からの新学習指導要領の年次進行による実施に伴う指導要録の変更について説明したほか、学習評価の観点について研修。参加者は課題探究的な学習における指導力の向上を図った。

　研修会は学習指導要領の趣旨の説明および研究協議を通して、授業改善の指導と評価の一体化に向けた情報などを提供するほか、高校教育の改善・充実を図ることが目的。

　冒頭、佐藤圭一教育課程担当課長があいさつ。「生徒が生涯をたくましく生きていくことができるよう、研修内容を各校で実践してほしい」と呼びかけた。

　全体会では、教育課程担当課の三浦敦史義務教育担当係長が学習評価について説明。

　市立高校における指導要録について、従来の評定、取得単位数のほか、４年度から新たに観点別学習状況の欄を新設することを紹介。現行では４観点を評価基準としているが、新制度では、①知識・技能②思考・判断・表現③主体的に学習に取り組む態度―の３観点に整理することを周知した。

　三浦係長は、３観点の評価の工夫例を紹介。①について、ペーパーテストの実施において「事実的な知識の習得を問う問題と概念的な理解を問う問題のバランスに注意することが重要」とした上で、生徒に文章で解答を説明させるほか、教科に応じて式やグラフで表現させることなどを工夫例として示した。

　②については、思考の過程が理解できるような論述やレポートなどを工夫例として紹介した。

　③については、「元々の特性を評価するのではなく、指導によって評価していくことが重要」と伝えた。

　また、工夫例として生徒による自己評価や相互評価の状況などを考慮の材料とすることなどを紹介。３観点の評価の基本構想について、「バランスの良い指導を」と呼びかけた。

　全体会のあとは、各教科別に分科会を実施した。

(市町村 2019-12-11付)