幼小中合同教育課程研究協議会開く　キャリア教育の充実へ　教諭ら３００人参加　札幌市教委

（市町村 2019-12-16付）

指導と評価の一体化に向けた研修を実施した

　札幌市教委は１２日、市内ちえりあで幼小中合同教育課程研究協議会を開いた。市内の小・中学校、幼稚園教諭など約３００人が参加。新学習指導要領におけるキャリア教育の充実に向け、資質向上を図った。

　協議会は、幼・小・中の教職員が幼児教育段階から義務教育段階までを見通した教育課程の編成や指導の在り方などについて理解を深め、目標や課題を共有することで、学校教育の改善・充実を図るもの。

　開会に当たり、相沢克明学校教育部長があいさつ。新学習指導要領に示されている校種間連携について、「幼・小・中を通して自立した札幌人となるため、どのような働きかけをするのか考える機会としてほしい」と呼びかけた。

　全体会では、教育課程担当課の岩田悟義務教育担当係長と山下敦史義務教育担当係長が、指導と評価の在り方やカリキュラム・マネジメントの充実について説明。

　指導と評価の在り方については、指導と評価の一体化のための学習評価の進め方として、①単元の目標を作成する②単元の評価規準を作成する③指導と評価の計画を作成する④観点ごとに総括する―の４点について具体例を示した。

　うち、①単元の目標作成では、「知識および技能」「思考力、表現力、判断力等」「学びに向かう力、人間性等」の３点について、中学校の保健体育科を例に紹介。思考力、表現力、判断力等について、「自己の課題を発見し、合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫するとともに、自己や仲間の考えたことを他者に伝えることができるようにする」などの観点を説明した。

　幼児教育における指導と評価については、幼児教育センター担当課の松井泰子幼児教育企画・研修担当係長が説明。

　幼児一人ひとりの発達の理解に基づいた評価として、「保護者同士の話し合いなどを通して、自分自身の幼児に対する見方や傾向を自覚し、幼児理解を深めることが重要」と強調した。

　全体会のあと、幼小中合同各教科等部会に分かれて「幼児教育段階、義務教育段階を見通した教育課程の編成、学習等指導および評価の改善・充実」について研究協議した。

(市町村 2019-12-16付)