札幌市の2年度予算要求 教育関連事業 新規に学びの支援センター整備 デジタル教材の整備推進
(市町村 2019-12-11付)

 札幌市は6日、令和2年度の予算要求概要を公表した(10日付1面既報)。一般会計総額は対前年比2・0%増の1兆430億8000万円。教育関連事業では新規事業として、特別な支援を必要とする子どもへの相談等を総合的に行う学びの支援総合センターの体制整備費に5100万円を積み上げた。さらに、青少年科学館再整備費に7500万円、山の手養護学校の北海道医療センター新病棟等への移転費として8700万円を要求した。また、授業用タブレットPCなどのICT機器およびデジタル教材の整備、校務用ネットワークにおけるインターネット接続環境の分離などに24億100万円を求めた。教育関連の主な事業はつぎのとおり。

◆教育委員会

▽学校規模適正化推進=900万円―小規模化が進む学校の規模適正化の検討

▽教育の情報化推進=24億100万円―授業用タブレットPCなどのICT機器およびデジタル教材の整備、校務用ネットワークにおけるインターネット接続環境の分離など

▽地域ぐるみの学校安全体制整備推進=1200万円―スクールガードリーダーによる学校の巡回指導など

▽学校給食=120万円―学校給食の調理くずや残食の堆肥化およびその堆肥で育てた野菜の学校給食への提供ならびに教材、園などでの栽培活動を通じた食育・環境教育の充実

▽家庭教育推進=1100万円―家庭教育学級の開設、講演会などの実施

▽野外教育=740万円―林間学校などの実施 

▽地域活動推進=9200万円―学校図書館地域開放事業121校(うち新規2校)、サッポロサタデースクール57校(うち新規10校)、知的障がい者のための成人学級3団体(うち新規1団体)

▽青少年科学館再整備(新規)=7500万円―展示物および施設設備などの更新・改修に向けた基本設計、受付システム改修

▽学校新築=32億1800万円―芸術の森地区新設小校舎3階延べ6279平方㍍(普通14教室、特別11教室、特別支援2教室)、屋内運動場1358平方㍍、屋外プール

▽学校増築=8億1800万円―札苗緑小校舎3階延べ1315平方㍍(普通6教室)、星置東小校舎2階延べ521平方㍍(普通2教室)増築など。札苗北中構造計算

▽学校改築=86億7200万円―新陽小校舎4階延べ6510平方㍍(普通14教室、特別10教室、特別支援3教室)屋内運動場1316平方㍍、栄中校舎3階延べ7672平方㍍(普通16教室、特別19教室、特別支援2教室)、発寒南小校舎3階延べ5787平方㍍(普通13教室、特別10教室、特別支援2教室)、屋内運動場1358平方㍍、二十四軒小校舎3階5787平方㍍(普通13教室、特別9教室、特別支援2教室)屋内運動場1358平方㍍改築など。本町小解体など。東白石小・羊丘小・発寒西小グラウンド造成など。東山小・山の手小・元町北小実施設計など

▽学校基本設計=9300万円―光陽小・元町北小・発寒中 

▽武道場整備=400万円―北野台中家屋調査

▽学校給食施設整備費=7億4100万円―栄南小・みどり小給食室棟増築、屯田南小実施設計

▽施設改修等整備=54億792万円―小学校延べ163校、中学校延べ91校、高校延べ7校、特別支援学校4校、中等教育学校1校の非構造部材耐震性点検

▽学校施設耐震補強=3億1400万円―小学校改修10校、中学校改修1校

▽リニューアル改修=23億9000万円―小学校(基本設計5校、実施設計3校、工事1校)、中学校(基本設計1校、実施設計2校、工事4校)

▽学校規模適正化関係改修等整備=4億5700万円―新札幌わかば小改修、旧豊滝小解体実施設計

▽義務教育児童生徒遠距離通学助成=5700万円―遠距離通学を行う児童生徒へ通学定期代の助成 

▽高校等生徒通学交通費助成=1800万円―石狩管内の高校等に通う生徒の通学交通費助成の実施

▽高校改革=1700万円―進路探究学習の推進、市立高校合同説明会の実施、高校と企業等の連携を推進する市立高校コンシェルジュの配置、大通高の外部人材活用など 

▽公立夜間中学関係=200万円―公立夜間中学の設置に向けた調査、検討

▽教育課程等推進=3300万円―学校支援体制の充実、小中連携・一貫教育の推進、日本語指導ボランティア派遣による帰国・外国人児童生徒への支援、児童生徒の体力・運動能力向上に向けた運動・スポーツ機会の拡充

▽外国語指導助手関係=5億2300万円―123人(増員3人)

▽算数にーごープロジェクト事業=2億8400万円―全市立小学校の5・6年生における25人程度の算数少人数指導の実施および市独自カリキュラムの整備

▽特別支援教育=5200万円―特別な教育的支援を必要とする児童生徒の教育の推進、医療的ケアが必要な児童生徒に対する支援体制の拡充

▽学びのサポーター活用=1億9000万円―特別な教育的支援が必要な子どもに学校生活上の支援を行うための学びのサポーター等の配置

▽山の手養護移転(新規)=8700万円―山の手養護の道医療センター新病棟等への移転

▽スクールカウンセラー活用=2億2800万円―いじめや不登校等の課題に対応する臨床心理の専門的知識を有するスクールカウンセラーの配置

▽スクールソーシャルワーカー活用=2500万円―関係機関と連携して子どもや家庭の支援体制を整備するためのスクールソーシャルワーカーの配置

▽運動部活動外部人材活用=4000万円―顧問の確保が困難であり、運動部の継続または新設が難しい中学校に対する部の運営・技術指導を行う外部顧問および特別外部指導者の派遣

▽相談支援パートナー事業=9900万円―不登校の子どもや家庭に対するきめ細かな支援を行う相談支援パートナーおよび担当区の小学校の不登校支援についての指導助言などを行う相談支援リーダーの配置

▽進路探究オリエンテーリング事業=900万円―専修学校・各種学校と連携した夏休み期間などにおける中学生対象の職業体験講座

▽観察・実験アシスタント事業=1200万円―小学校の理科の学習における観察・実験活動の充実を目的とした外部人材の活用

▽いじめ対策・自殺予防=1400万円―教職員への研修、関係機関との連携協力会議の開催およびネットパトロールの実施

▽課題探究的な学習モデル研究=2500万円―中等教育学校におけるIBカリキュラムや情報通信機器を活用した課題探究的な学習モデルの研究

▽学校図書館活用促進=5400万円―学校図書館の活用を促進し、児童生徒の読書活動の充実を図ることを目的とした図書館の環境整備等を担うボランティアの派遣および学校図書館司書の配置

▽幼児教育センター関係=4700万円―市立幼稚園9園における預かり保育の実施

▽学びの支援総合センター関係(新規)=5100万円―特別な支援を必要とする子どもへの相談等を総合的に行う体制の整備

▽奨学金支給=1億1900万円―奨学金支給者数1500人(200人増)

◆中央図書館

▽読書チャレンジ・子どもの読書活動推進=680万円―図書館デビュー事業、子どもの読書支援セミナー等の実施

▽仮称・読書活動推進・図書館振興計画策定=270万円―市民の読書活動への支援を総合的に進めるため、図書館の運営やサービスの基本的な考え方を示すとともに、社会全体で子どもの読書活動を支える環境を整える計画を策定

◆危機管理対策室

▽避難場所環境整備=5700万円―応急救援備蓄物資の品目・数量の増強および更新など

▽地域防災計画策定・修正関連=6500万円―市地域防災計画の修正に向けた調査および調査結果を踏まえた計画の修正など

◆まちづくり政策局

▽学校跡活用検討=1100万円―学校統合によって生じる跡地の有効活用に向けた検討

◆市民文化局

▽次世代の活動の担い手育成=360万円―小・中学生、高校生、大学生および若者の地域のまちづくり活動への参加促進

▽平和都市宣言普及啓発=620万円―平和訪問団派遣、平和都市宣言PRイベントなど

▽小学校併設地域交流施設整備=2億900万円―小学校の改築に合わせた地域交流施設の併設

▽アイヌ伝統文化振興=7400万円―交流センターのイベントや小中高生団体体験プログラムの充実、民族共生象徴空間バスツアーなどの実施

▽子どもの文化芸術体験事業=4570万円―オーケストラ、ミュージカルなど本格的な文化芸術にふれる機会の提供

▽博物館活動センター事業=1300万円―博物館活動センターを拠点とした調査・研究、資料の収集・保存、普及・交流事業の実施

▽仮称・札幌博物館整備推進=700万円―仮称・札幌博物館の整備および管理運営などにかかる諸計画策定に向けた調査・検討

◆スポーツ局

▽アスリート活用=1800万円―中学校運動部活動へのアスリート派遣の拡充およびスポーツ体験会などへのオリンピック選手などの派遣

▽障がい者スポーツ普及促進=3900万円―障がい者スポーツの体験会や指導者・ボランティア養成講習会の開催、全国障害者スポーツ大会への選手派遣、競技用備品の整備など

▽さっぽろジュニアアスリート発掘・育成=2800万円―優れた素質を有する子どもたちを早期に見いだし、トップアスリートの育成に向けた取組を拡充

▽ウインタースポーツ普及振興=5000万円―子どもたちがウインタースポーツを始めるきっかけづくりと学習環境の充実および市民に対する観戦文化の醸成

▽ラグビー普及振興(新規)=1100万円―小学生を対象としたタグラグビーの普及やラグビーのトップレベルの試合開催に向けた取組

▽学校施設等開放事業=3億7300万円―グラウンド開放34校(照明26校)、屋内運動場開放283校、プール開放200校、武道場開放16校

◆保健福祉局

▽子どもの心の診療ネットワーク事業=1600万円―児童精神科医療に関する連携体制の構築、各支援機関の機能向上および適切な支援機関への案内

▽医療的ケア児等支援推進=414万円―医療的ケアを必要とする障がい児などへの支援体制を強化するための専門研修の実施、サポート医師の配置

▽子ども医療助成=35億9456万円―中学校修了前の子どもの医療費の一部を助成、新たに助成(通院)の対象を小学3年生まで拡大

▽児童虐待予防対策=1800万円―保健センターにおける心理職員の相談体制を強化し、支援が必要な妊婦および親子に対する適切な支援の実施

▽食育推進=870万円―健康寿命の延伸に向けた食育推進事業、食育ボランティアの養成・支援などの実施

◆子ども未来局

▽少年団体活動促進=1億2700万円―ジュニアリーダーの養成などを通じた少年団体活動の促進および支援

▽子どもの権利推進=550万円―子どもの権利の普及啓発、子どもの権利委員会の開催、まちづくりなどへの子どもの参加の促進など

▽子どもの権利救済機関運営管理=130万円―子どもの権利救済機関の新たな相談方法としての無料通信アプリLINEの導入

▽子どもの学びの環境づくり補助=2000万円―不登校児童生徒の受け皿となっているフリースクールなど民間施設に対する支援

▽子どもの体験活動の場支援=3300万円―旧真駒内緑小の跡施設における子どもが主体的に体験活動を行う場の提供

▽子どもの貧困対策推進=2200万円―地域を巡回して、困難を抱える子どもや家庭を早期に把握し、必要な支援につなげる子どもコーディネーター配置

▽子どもの貧困対策計画改定=20万円―子どもの貧困対策計画の評価・検証

▽子どもの居場所づくり支援(新規)=280万円―子ども食堂などの子どもの居場所づくりを推進するための運営にかかる費用補助

▽少年少女国際交流=510万円―シンガポール少年少女交流事業受入14人、姉妹都市少年少女交流事業受入20人

▽児童会館整備=3億9648万円―児童会館の工事5ヵ所、基本・実施設計8ヵ所、解体2ヵ所など

▽ミニ児童会館整備=412万円―実施設計1ヵ所

▽私立学校教材教具等整備補助=9140万円―小学校1校、中学校7校、高校19校

▽私立保育所等補助=33億1600万円―国の定める基準を上回る保育士などを配置する保育施設に対する補助など

▽私立幼稚園等補助=6億8000万円―特別な教育的支援を要する幼児の保育にかかわる教員の人件費および教材教具・管理用備品の購入費などの補助

▽保育人材確保緊急対策=4億7100万円―保育人材の確保・就労継続支援に向けた各種補助など

▽私立保育所整備等補助=12億8900万円―私立保育所の整備に対する補助(新築3ヵ所・定員増240人、分園新築1ヵ所・定員増29人、増改築2ヵ所・定員増60人、賃貸8ヵ所・定員増430人)

▽認定こども園整備補助=34億5400万円―認定こども園の整備に対する補助(幼保連携型―新築3ヵ所・定員増270人、移行9ヵ所・定員増503人。幼稚園型―移行1ヵ所定員増・60人)

▽児童虐待防止対策=2100万円―市民への普及啓発、関係機関向けハンドブックの増刷など児童虐待の防止および早期発見のための体制強化

▽仮称・第2児童相談所整備(新規)=5800万円―仮称・第2児童相談所の整備に向けた設計など

◆経済観光局

▽ものづくり人材育成支援=1600万円―ものづくり人材育成に関する補助および若年者に対するものづくり産業などの魅力発信

▽国際ビジネス人材育成=250万円―国際ビジネス人材の育成・活用を目的とした日本人学生の留学支援および外国人留学生の就職支援の実施

▽みらいIT人材育成=1000万円―若年層の自発的なIT学習などを推進するための、市内小中高生を対象としたイベントやハンズオンセミナーなどの実施

▽奨学金返還支援(新規)=300―若者の地元定着を向上させるため、地元企業に就職した学生に対する奨学金返還支援の実施

◆環境局

▽総合的環境教育推進=2000万円―環境教育ワークショップなど、環境教育・環境学習基本方針に基づく事業の実施

▽動物園教育推進=300万円―動物と環境に対する理解を促進するための普及啓発

◆建設局

▽冬みち地域連携=5700万円―子どもたちへ除雪に対する意識を浸透させるための雪体験授業および市民(地域)・企業・行政が連携した地域除雪力を高める取組の実施

◆消防局

▽ジュニアバイスタンダー育成=680万円―小中学生を対象にした救命指導に必要な資器材の購入および救命講習テキストの制作

(市町村 2019-12-11付)

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