2年度文科省文部科学関係予算案①
(国 2020-01-22付)

 文部科学省の令和2年度文部科学関係予算案主要事項はつぎのとおり(カッコ内%は対前年度比)。

《一人ひとりの可能性とチャンスを最大化するための教育政策の推進》

教育政策推進のための基盤の整備

【新学習指導要領の円滑な実施と学校における働き方改革のための指導・運営体制の構築(チームとしての学校運営体制の推進)】=1兆5438億900万円(100・3%)

 新学習指導要領の円滑な実施と学校における働き方改革を目指し、学校における指導・運営体制の効果的な強化・充実を図り、チーム学校を実現するため、教職員定数の改善、専門スタッフや外部人材の配置拡充、業務の適正化などを一体的に推進する。

◆義務教育費国庫負担金=1兆5221億4100万円

 義務教育費国庫負担制度は、公立の義務教育諸学校の教職員の給与費について都道府県および指定都市が負担した経費の3分の1を国が負担するもの。

①教職員定数の改善=82億円増(3726人増)

②教職員定数の自然減等=86億円減(3925人減)

③教職員配置の見直し=43億円減(2000人減)

④教職員の若返り等による給与減=4億円減

⑤人事院勧告による給与改定=72億円増

▼教職員定数の改善=3726人増

▽学校における働き方改革=3341人増

・教員のもちコマ数軽減による教育の質の向上―小学校専科指導の充実(小学校英語教育の早期化・教科化に伴う、一定の英語力を有し、質の高い英語教育を行う専科指導教員を充実)1000人増。義務教育9年間を見通した指導体制への支援(子どもが切磋琢磨できる学習環境を整備するとともに、小学校高学年における専科指導に積極的に取り組む複数の学校等を支援)2201人増。中学校における生徒指導や支援体制の強化100人増

・学校運営体制の強化―学校総務・財務業務の軽減のための共同学校事務体制強化(事務職員)20人増、主幹教諭の配置充実による学校マネジメント機能強化20人増

▽複雑化・困難化する教育課題への対応=385人増―教育課題への対応のための基礎定数化関連315人増(平成29年3月義務標準法改正による基礎定数化に伴う定数の増減、通級による指導426人増、日本語指導79人増、初任者研修39人増、自然減等229人減)、貧困等に起因する学力課題の解消50人増、チーム学校実現に向けた学校の指導体制の基盤整備(養護教諭、栄養教諭等)20人増

◆専門スタッフ・外部人材の拡充=145億6200万円

▼スクールカウンセラーの配置充実(補助率3分の1)=48億6600万円

・スクールカウンセラーの全公立小・中学校への配置(2万7500校)

・いじめ・不登校対策のための重点配置(500校)

・貧困対策のための重点配置(1400校)

・虐待対策のための重点配置(1000校)

・教育支援センターの機能強化(250ヵ所)

・スーパーバイザーの配置(67人)など

▼スクールソーシャルワーカーの配置充実(補助率3分の1)=18億600万円

・スクールソーシャルワーカーの全中学校区への配置(1万中学校区)

・いじめ・不登校対策のための重点配置(500校)

・貧困対策のための重点配置(1400校)

・虐待対策のための重点配置(1000校)

・教育支援センターの機能強化(250ヵ所)

・スーパーバイザーの配置(67人)など

▼補習等のための指導員等派遣=62億4200万円

 多彩な人材がサポートスタッフとして学校の教育活動に参画する取組を支援

▽学力向上を目的とした学校教育活動支援=31億9800万円

 児童生徒一人ひとりに合ったきめ細かな対応を実現するため、教師に加えて学校教育活動を支援する人材の配置を支援(7700人↓8000人)

 当該分野に知見のある人材(退職教職員や教師志望の大学生など)―実施主体・都道府県・指定都市、負担割合・国3分の1・都道府県・指定都市3分の2、具体例「補習や発展的な学習への対応」「外国人児童生徒等の学力向上への取組」「地域の教育資源を活用した学習活動の支援」(総合的な学習の時間の学校外学習)など

▽スクール・サポート・スタッフの配置=19億100万円

 教師が児童生徒への指導や教材研究等に注力できる体制を整備し、教師の負担軽減を図るため、学習プリント等の印刷などを教師に代わって行うサポートスタッフの配置を支援(3600人↓4600人)

 地域の人材(卒業生の保護者など)―実施主体・都道府県・指定都市、負担割合・国3分の1・都道府県・指定都市3分の2、教師の負担軽減を図るための事業として実施。各自治体において明確な成果目標を設定し、効果の検証を含めて実施するものに対し、補助を行う

▽中学校における部活動指導員の配置=11億4200万円

・適切な練習時間や休養日の設定など部活動の適正化を進めている教育委員会を対象に部活動指導員の配置を支援(9000人↓1万200人)

・広域的に人材を確保するための交通費を支援(新規)―負担割合・国3分の1、都道府県3分の1、市町村3分の1(指定都市にあっては国3分の1、指定都市3分の2)

※スポーツ庁の運動部活動にかかるガイドラインおよび文化庁の文化部活動にかかるガイドラインを順守するとともに、教師の負担軽減の状況を適切に把握するなど、一定の要件を満たす学校設置者に対して支援を行う。支援に際しては、上記ガイドラインを順守した上で、ガイドラインを上回る休養日の設定を行うなど、学校の働き方改革の取組を推進している学校設置者へ優先的に配分する。

 交通費については、人材確保のための人材バンクの立ち上げ、または、人材バンクの立ち上げ計画を作成している学校設置者に対して支援を行う。

 補習等のための指導員等派遣事業については、各自治体において客観的な在校等時間の把握等を行っていることを前提とする。

▼関連施策

▽学校司書養成講習会

◆学校における働き方改革の推進=71億700万円

▼学校における働き方改革推進事業(新規)=3200万円

 教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況の調査実施・分析、都道府県・市町村別公表等や、これまでの業務改善の取組事例や全国から集めた優良事例の展開を通じて、教育委員会や各学校における働き方改革の自走サイクルを構築する。

▽教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査・分析等

▽優良事例展開(働き方改革フォーラムの実施)

【学校安全のさらなる強化】=9億5200万円(269・7%)

 集団登校中の児童生徒が巻き込まれる交通事故、襲撃事件の発生など学校安全の確保について新たな課題が生じている。このため、警察や地域と連携し登下校時の安全確保を中心に、国公私立すべての学校において学校安全の取組をさらに強化する。

◆地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業=3億3800万円

 地域ぐるみで見守り活動を行う体制を整備し、子どもの安全を確保する。すべての自治体でスクールガード・リーダーの専門的助言に基づく見守り活動が行われるよう人員を増員する(4000人)とともに、スクールガード・リーダーの装備品を充実する。

◆学校安全推進事業=2億4400万円

▽セーフティプロモーションスクール等の先進事例を参考とするなどして、実践的な安全教育、学校安全の組織的取組、外部専門家の活用を推進。安全教育の推進に関する調査研究を実施

▽都道府県等における教職員等への研修を支援。小学生低学年向けリーフレットの作成・配布

【新時代の学びを支える先端技術の活用推進】=4億5300万円(176・3%)

 教育におけるICTを基盤とした先端技術の活用には大きな可能性があり、Society5・0時代の誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学びの実現に向け、新時代の学びを支える先端技術活用推進方策などを踏まえ、以下の取組を実施。

◆新時代の学びにおける先端技術導入実証研究事業=4億5300万円

 Society5・0の時代に求められる資質・能力を育成するためには、新学習指導要領の着実な実施やチームとしての学校運営の推進が不可欠であり、その中核を担う教師を支え、その質を高めるツールとしての先端技術(データの利活用を含む)には大きな可能性がある。

 GIGAスクール構想を推進し、教師の指導や子どもの学習の質をさらに高め、子どもの力を最大限引き出す学びを実現するため、様々な先端技術の効果的な活用方法の整理・普及と、その基盤となるICT環境整備を一層促進する必要があり、そのための実証を行う。

▼先端技術の効果的な活用に関する実証

 誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学びの実現に向け、学校現場と企業等との協働によって、昨今の技術革新を踏まえながら、学校教育において効果的に活用できる先端技術の導入・活用について実証を行う。

▼遠隔教育システムの効果的な活用に関する実証

 教師の指導や子どもたちの学習の幅を広げたり、学習機会の確保を図る観点から、学校教育における遠隔教育の導入・活用に関する実証を行う。

▼多様な通信環境に関する実証

 GIGAスクール構想の実現に向けて、多様な学校の規模・ニーズ等に対応できるようWi―FiやLTE、5G、また、SINETや商用のネットワークなど、様々な通信回線・ネットワークの構成についての実証を行う。

▼ICT活用教育アドバイザーの活用

 教育の質の向上に向けて、全国の自治体における学校のICT環境整備の加速とその効果的な活用を一層促進するため、各都道府県ごとにエリアをカバーした支援スタッフを配置(教員研修講師、指導面技術面助言、遠隔教育実施のサポート等)。

【これからの学校教育や社会教育を担う教育人材の資質・能力の向上】=14億5200万円(72・7%)

 教員の質の向上の観点から、2016年11月に教育公務員特例法等の一部を改正する法律が成立したことを受けて、教員の養成・採用・研修の一体的改革を進めるとともに、教職員支援機構における学校経営力の育成を目的とする研修や研修のマネジメントを推進する指導者の養成等を目的とする研修等を実施する。

 また、新たな学習指導要領では、「社会に開かれた教育課程」が掲げられており、多様な外部人材を活用するなど、社会と連携したより効果的な学校教育の実現を図る。さらに、地域の社会教育を推進し、地域づくりや人づくりの中核を担う社会教育主事の資格付与のための講習や社会教育主事や司書などの資質向上に資する研修を充実させる。

◆新しい教育課題に対応した教員研修の充実と大学における教員養成の改革=1億3600万円

▼教員の養成・採用・研修の一体的改革推進事業

▽養成改革の推進

・先導的な教職科目の在り方に関する研究

・教職課程の質の保証・向上を図る仕組みの構築

・教科教育コアカリキュラムの研究

・教職課程の自己評価のガイドライン策定

▽採用改革の推進

・教職の魅力向上に関する取組

・効果的な入職の在り方に関する研究

・教員採用試験における共通問題の作成に関する検討

▽研修改革の推進

・校長および教員としての資質の向上に関する指標と研修の効果的な連動に関する研究

・研修の単位化・専修免許状取得プログラムの開発

・働き方改革推進のための研修の在り方に関する研究

・民間教育事業者との連携による教員の資質・能力向上等

▼現職教員の新たな免許状取得や更新等

▽現職教員の新たな免許状取得を促進する講習等開発事業

▽大学における教員の現職教育への支援等

▼教職員支援機構における研修および調査研究の推進

 教職員に対する総合的支援を行う全国的な中核拠点として、以下の事業を実施

▽学校経営力の育成を目的とする研修や研修のマネジメントを推進する指導者の養成等を目的とする研修等

◆学校教育における外部人材の活用促進事業(新規)=3100万円

▼多様な人材が円滑に学校教育に参画できる環境整備

▽外部人材を活用する教員向けの研修教材の作成

▽民間企業等と教育委員会との効果的なパートナーシップの在り方に関する調査研究

▼社会と連携した効果的な学校教育の普及促進

▽外部人材の活用に関するガイドラインの作成

▽社会人等を対象とした効果的な情報発信等

◆社会教育を推進するための指導者の育成および資質向上事業=61

▽指導者の養成

▽指導者の資質向上

【国立大学改革の推進等】=1兆1117億3900万円(100・9%)

〈国立大学法人運営費交付金〉=1兆1070億3300万円(100・9%)

 Society5・0に向けた人材育成や、イノベーション創出の中核としての国立大学の役割を果たすため、教育研究の継続性・安定性に配慮しつつ、取組・成果に応じた手厚い支援と厳格な評価を徹底することによって、国立大学改革方針を踏まえた「教育」「研究」「ガバナンス」の改革を加速化するとともに、基盤的経費である運営費交付金を確保する。

◆Society5・0に向けた人材育成の推進

▼数理・データサイエンス教育の全国展開=10億円

 数理・データサイエンス・AI教育を推進するため、拠点大学および協力校の拡充を通じて、新たに専門分野の特性を踏まえた応用基礎レベルのモデルカリキュラム等を策定するとともに、全国への普及展開を一層加速する。

▼教育研究組織整備に対する重点支援(新規・拡充)=7億2700万円

 地域の教育研究拠点として地方創生への貢献や、Society5・0に向けた人材育成や世界最高水準の教育研究を実現するための体制の構築など、各大学の戦略的な教育研究組織整備を支援する。

◆教育研究の基盤整備

▽教育研究の基盤設備の整備=8億8900万円

 地域の中核としての連携強化を通じた大学の機能強化や、情報関連ネットワークの整備(オンライン教育などに必要となるICT環境の整備・更新等)、障害学生支援など、教育研究の基盤設備の整備を支援する。

※上記のほか、基盤的インフラ設備の整備について支援(28億円)(臨時・特別の措置)

◆研究力向上改革の推進

▽共同利用・共同研究拠点の強化=69億1500万円

 国内外のネットワーク構築や新分野の創成など、共同利用・共同研究拠点の強化に資する取組の支援や研究環境の充実を図ることによって、より多くの研究者が共同利用・共同研究を通じて活躍できる機会を拡大し、わが国の研究力向上を図る。

▽学術研究の大型プロジェクトの推進=206億900万円

 全国の研究者・学生の教育研究活動に必須である学術情報ネットワーク(SINET)の強化など、わが国の共同利用・共同研究体制を高度化しつつ、世界の学術研究を先導する。

◆成果を中心とする実績状況に基づく配分

 各国立大学法人におけるマネジメント面での改革を一層推進するとともに、教育・研究のさらなる質の向上を図る観点から、基幹経費において、成果にかかる客観・共通指標によって実績状況を相対的に把握し、これに基づく配分を行う。

 2年度においては、850億円を対象として、配分率85~115%で配分を実施。

 元年度に活用したマネジメントに関する指標(人事給与マネジメント改革や会計マネジメント改革の状況等)に加え、教育研究や学問分野ごとの特性を反映した客観・共通指標を2年度配分に適用。

〈国立大学経営改革促進事業〉=47億600万円(104・1%)

 国立大学を取り巻く環境の大きな変化を踏まえ、教育研究の質の向上、イノベーションの創出など、各大学の機能強化に向けた取組が展開されるよう、大学間連携や産学連携の推進等による地域イノベーションの創出や、世界最高水準の教育研究の展開を進める、学長の経営改革構想の実現の加速を支援する。

【国立高等専門学校の高度化・国際化】=627億2700万円(100・3%)

 職業に必要な知識および技術を有する実践的・創造的な技術者を養成している国立高等専門学校について、教育活動を支える基盤的な経費の充実を図る。

◆国立高等専門学校における教育研究の充実=623億3000万円

 Society5・0等の社会変革に対応するため、AI時代を先導する人材育成やKOSENの海外展開を通じて、高等専門学校の機能の高度化・国際化を推進するとともに、地域に求められる人材育成機関としての機能強化に資する取組を重点的に支援する。

▼高専教育の高度化

▽AI技術等の先端技術の応用によって、課題解決・社会実装につなげるカリキュラムの開発等、Society5・0時代を担う技術者の育成を目指す取組を引き続き支援する

▼日本型高専教育制度(KOSEN)の海外展開と国際化の一体的な推進

▽諸外国のニーズを踏まえた日本型高専教育制度(KOSEN)の導入支援を行うとともに、高専教育の国際標準化など国際的な質保証を目指す組織的な取組を支援する

▽英語教育の充実等によるキャンパスの国際化に加え、海外インターンシップや単位互換協定校への留学などを推進し、海外で活躍できる技術者を育成する取組等を引き続き支援する

▼技術者教育の基盤となる学修環境の整備

▽老朽化施設の集中的かつ抜本的な改善に合わせて、老朽化した教育設備や、高専教育の高度化に資する教育設備の更新・整備を集中的に実施

【国立大学・高専等施設整備】=361億900万円(104・1%)

 国立大学等の施設は、将来を担う人材の育成の場であるとともに、地方創生やイノベーション創出等教育研究活動を支える重要なインフラである。一方、著しい老朽化の進行によって安全面・機能面等で大きな課題が生じている。

 このため、第4次国立大学法人等施設整備5か年計画(平成28年3月29日文部科学大臣決定)を踏まえ、防災機能強化など安全性の確保、地方創生やSociety5・0の実現に向けた機能強化等への対応など、計画的・重点的な施設整備を推進するとともに、新しい時代にふさわしい国立高等専門学校の機能の高度化・国際化を実現するため、老朽施設の改善整備を推進する。

◆安全・安心な教育研究環境の整備

▽施設の耐震化および安全対策(非構造部材の耐震対策含む)

▽基幹設備の更新等(機能劣化の著しいライフラインの改善)

◆国立大学等の機能強化等への対応

▽高度化・多様化する教育研究活動へ対応するための整備(先端的な研究施設の整備等を含む)

▽附属病院の再開発整備(地域医療・先端医療等の拠点)

▽国立高等専門学校の機能の高度化

▽国際化へ対応するための整備

【改革に取り組む私立大学への支援など私学の振興】=4105億6400万円(95・7%)

〈私立大学等経常費補助〉=2976億9200万円(94・2%)

 私立大学等の運営に必要な経常費補助金を確保し、教育研究の質の向上に取り組む私立大学等や地域に貢献する私立大学等に対する支援を強化する。

◆一般補助=2742億7500万円

 大学等の運営に不可欠な教育研究にかかる経常的経費について支援する。アウトカム指標を含む教育の質にかかる客観的指標の本格導入等を通じたメリハリある資金配分によって、教育の質の向上を促進する。

◆特別補助=234億1700万円

 人口減少・少子高齢化の進行や社会経済のグローバル化を背景に、Society5・0の実現や地方創生の推進など、わが国が取り組む課題を踏まえ、自らの特色を生かして改革に取り組む大学等を重点的に支援する。

◆私立大学等改革総合支援事業=114億4500万円(上記の一般補助および特別補助の内数)

 Society5・0の実現に向けた特色ある教育研究の推進や、地域社会への貢献、イノベーションを推進する研究の社会実装の推進など、特色・強みや役割の明確化・伸長に向けた改革に全学的・組織的に取り組む大学等を重点的に支援する。

◆大学院等の機能高度化への支援=126億3400万円(上記の特別補助の内数)

 Society5・0の実現、イノベーション・エコシステム構築に向け、大学院生、優秀な若手研究者、子育て世代の研究者の支援等を強化し、高専・短大への支援を実施することによって、大学院等の機能高度化を図る。

※大学院生および被災学生に対する授業料減免等を行う大学等への支援の措置を含む。

〈私立高校等経常費助成費等補助〉=1028億8000万円(100・7%)

 私立高校等の教育条件の維持向上や学校経営の健全性の向上等を図るとともに、各私立高校等の特色ある取組を支援するため、都道府県による経常費助成等に対して補助を行う。

◆一般補助=866億1700万円

 各都道府県による私立高校等の基盤的経費への助成を支援する。

◆特別補助=133億200万円

 各私立高校等の特色ある取組を支援するため、都道府県による助成を支援する。

▽多彩な人材の活用等による教育の推進や児童生徒等のための安全確保の推進に取り組む学校への支援(新規)の充実

▽特別な支援が必要な幼児の受入れや預かり保育を実施する幼稚園に対する支援の充実

◆特定教育方法支援事業=29億6100万円

 特別支援学校等の教育の推進に必要な経費を支援する。

〈私立学校施設・設備の整備の推進〉=99億9200万円(91・6%)

 建学の精神や特色を生かした私立学校の質の高い教育研究活動の基盤となる施設・設備の整備を支援する。また、財政融資資金を活用し、学校法人が行う施設整備などに対する融資を行う。

 今後、発生が懸念されている南海トラフ地震や首都直下地震に備えるべく、私立学校施設の防災機能強化の一層の促進を図る。特に、私立学校施設の耐震化や非構造部材の耐震対策などを重点的に進める。中でも、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策(平成30年12月14日閣議決定)に掲げる倒壊しまたは崩壊する危険性が特に高い施設(Is値0・3未満)や、耐震性および劣化等に課題があり対策の緊急性が高い私立学校施設(非構造部材)の耐震対策を集中的に支援する。

◆耐震化等の促進=47億2900万円

 学校施設の耐震化完了に向けた校舎等の耐震改築(建替)事業および耐震補強事業、そのほか防災機能強化をさらに促進するための非構造部材の落下防止対策等の整備を重点的に支援する。特に、倒壊し、または崩壊する危険性が特に高い施設(Is値0・3未満)や、耐震性および劣化などに課題があり対策の緊急性が高い私立学校施設(非構造部材)の耐震対策を集中的に支援する。

◆教育・研究装置等の整備=52億6300万円

 教育および研究のための装置・設備の高機能化等を支援する。

◆私立大学等の装置・設備費=31億5800万円

 私立大学等の多様で特色ある教育・研究の一層の推進を図るため、私立大学等の装置・設備の整備を支援する。

◆私立高校等ICT教育設備整備費=10億円

 次期学習指導要領の全面実施を中学校2021年度、高校2022年度に控え、アクティブ・ラーニング等を推進するため、私立高校等におけるICT環境の整備を支援する。

【公立学校施設の整備】=694億7900万円(104・1%)

 学校施設はわが国の将来を担う児童生徒の学習・生活の場であり、よりよい教育活動を行うためには、その安全性・機能性の確保は不可欠である。

 このため、子どもたちの安全と健康を守り、計画的・効率的な長寿命化を図る整備を中心とした教育環境の改善等を推進する。

◆計画的・効率的な長寿命化の推進

▽将来の財政負担の縮減と老朽化による事故等の危険リスクを低減する計画的・効率的な施設整備の推進

▽空調設置、給食施設の整備や教育環境改善等の推進

◆小・中学校等の教室不足への対応等

▽小・中学校、特別支援学校における教室不足の解消や学校統合にかかる新築、増築や改修、バリアフリー対策等の施設整備への支援

◆防災・減災、国土強靱化のための緊急対策

▽学校施設耐震化の完全達成に向けた支援

▽屋根や外壁、内壁、天井等の非構造部材の耐震対策の推進

▽災害時に避難所となる学校施設の防災機能の強化(トイレ整備等)

(国 2020-01-22付)

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