2年度文科省文部科学関係予算案③(国 2020-01-24付)
文部科学省の令和2年度文部科学関係予算案主要事業はつぎのとおり(カッコ内%は対前年度比)。
【国際協働によるSDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献】=10億7400万円(103・9%)
諸外国および国際機関(ユネスコ・G20・国連大学・OECDなど)との協働を通じて、SDGs目標達成のための施策を推進するとともに、わが国の教育の国際化、国際社会や地域社会で活躍するグローバル人材の育成を図る。
◆日本型教育の海外展開推進事業(EDU―Portニッポン)=7200万円
海外でも注目されている日本型教育の海外展開を促進するため、関係省庁および政府系機関、民間企業などを含む教育関連機関などが連携して、日本型教育の海外への広報機能を強化するとともに、海外展開のモデルとなる事業を支援する。
◆国際バカロレアの推進=1億1000万円
海外でも幅広く活用されている教育プログラムである国際バカロレアのわが国における普及を加速するため、国際バカロレア機構との協力を進めるとともに、コンソーシアムによる国内推進体制を強化する。
◆新時代の教育のための国際協働=3億8400万円
G20教育大臣会合(平成30年初開催)やG7教育大臣会合(31年3年ぶり開催)などにおいて、SDGsの達成やSociety5・0時代に対応するための各国共通の教育上の課題への対応が求められていることを踏まえ、教員交流や国際機関との連携を通じて、新しい時代に求められるスキル・素養をもった人材育成の在り方を開発する。
◆国際連合大学を通じた地球規模課題解決に資するグローバル人材育成等=1億4400万円
SDGsの達成などの地球規模課題解決に貢献するグローバル人材育成のため、国連システムのシンクタンクであり、わが国に本部を置く唯一の国連機関である国連大学を活用して、大学院プログラムを強化・充実させるとともに、国連大学と国内大学との連携の強化を図り、SDGs推進を加速させる。
◆国内外におけるユネスコ活動の推進=3億6300万円
ユネスコへの信託基金の拠出を通じ、わが国の知見とユネスコの専門性を生かした事業を展開し、SDGs達成への貢献およびわが国のプレゼンスの向上を図る。
国内においても、持続可能な開発のための教育(ESD)の優れた取組を一層促進するほか、多様なステークホルダーの知見を結集するプラットフォームを立ち上げるなど、国内外のユネスコ活動を戦略的かつ効果的に推進する。
▼ユネスコ事業への協力=2億円
日本の強みとユネスコの専門性のシナジーを期待することのできる事業を中心とした協力を戦略的・重点的に実施することで、SDGs達成に向けた国際貢献・協力を進めつつ、わが国がユネスコにおいてより重要な地位を獲得することを目指し、ユネスコに対し信託基金を拠出する。
教育・科学分野においては、日本の知見を生かしたコンテンツ支援や能力開発、ネットワーク形成支援などを実施するほか、ユネスコの重要施策でありSDGs達成に向けた新たなESD実施枠組みである「ESD for 2030」の効果的な推進に貢献。
ユネスコの「世界の記憶」事業においても、わが国の一層主導的な立場の確保を図りながら、日本の防災に関する経験などを生かした記録物の保全・保護などの取組を展開する。
▼ユネスコ未来共創プラットフォーム(新規)=1億1200万円
世界と地域をつなぐユネスコ活動の推進に向け、国内外の多様なステークホルダーを結集し、国内のネットワーク拠点の戦略的整備の推進と先進的なユネスコ活動の海外展開を一体的に推進する体制を構築する。 国内拠点整備については、地域ユネスコスクールネットワークの構築・発展、ユネスコ世界ジオパークやユネスコエコパークを活用した持続可能な社会づくりによる地域活性化など、海外展開については、持続可能な開発に資する教育・科学・文化協力のほか、日本の経験や知見を生かした取組やユネスコの新たな重点分野に関連する取組などを推進する。
▼SDGs達成の担い手育成(ESD)推進事業=5000万円
新学習指導要領に「持続可能な社会の創り手」育成が掲げられ、また、国連決議において「ESDはすべてのSDGs実現の鍵である」とされた。
こうした国内外のニーズを踏まえ、SDGs達成の担い手を育む多様な教育活動を実施・支援し、担い手に必要な資質・能力の向上を図る。
具体的には、SDGs達成の視点を組み込んだカリキュラムなどの開発や教育実践、教師の資質・能力の向上、ESD学習者の変容を測る評価手法の開発・実践・普及のほか、新たにユース世代によるESDの取組支援を行う。
《社会の持続的な発展をけん引するための多様な力の育成》
【グローバル社会における児童生徒の教育機会の確保・充実】=183億8200万円(101・1%)
グローバル人材育成については、第3期教育振興基本計画などを踏まえ伝統と文化を尊重し、それらを育んできたわが国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度や豊かな語学力・コミュニケーション能力、主体性・積極性、異文化理解の精神などを身に付け、様々な分野で活躍できる人材の育成が重要である。
このため、わが国の伝統や文化についての理解を深める取組を実施するとともに、在外教育施設の教育機能を強化し、また、高校生の国際交流を促進する。
◆わが国の伝統・文化教育の充実にかかる調査研究=500万円
教育基本法や学習指導要領で重視されている伝統や文化等に関する教育の充実を図り、グローバル社会で活躍できる人材の育成に資するため、教材の作成や指導方法の開発などを行う。
▽わが国の伝統や文化に関する教材の作成、指導方法等に関する調査研究―2地域
◆在外教育施設教員派遣事業等および海外子女教育の推進=177億4000万円
在外教育施設で学ぶ児童生徒が増加する中、国内と同様の教育を行うために派遣教師数を拡充するとともに、高度グローバル人材育成拠点としての日本人学校などの教育機能を強化する。また、新学習指導要領の実施に向けた日本人学校における教材(特に図書)の充実を図る。
▽在外教育施設派遣教師―1299人↓1321人
▽在外教育施設の高度グローバル人材育成拠点事業(拡充)
▽在外教育施設教材整備事業補助(拡充)
◆高校生の国際交流の促進=6億3700万円
▽アジア高校生架け橋プロジェクト―アジア諸国で日本語を学ぶ優秀な高校生を日本全国の高校に招へい(5年間で計1000人、200人×10ヵ月)
▽社会総がかりで行う高校生国際交流促進事業―自治体や学校、民間団体などによる短期留学プログラムへの参加にかかる留学経費等を支援(支給金額5・7万円↓6万円、人数1500人↓2000人)
【グローバル人材育成のための大学の国際化と学生の双方向交流の推進】=385億5500万円(98・7%)
〈大学教育のグローバル展開力の強化〉=44億9900万円(95・6%)
わが国の高等教育の国際競争力の向上およびグローバル人材の育成を図るため、国際化を徹底して進める大学を支援する。
また、大学教育のグローバル展開力の強化を図るため、わが国にとって戦略的に重要な国・地域との間で、質保証を伴った国際教育連携やネットワーク形成の取組を支援する。
◆スーパーグローバル大学創成支援事業=33億200万円
わが国の高等教育の国際競争力の向上およびグローバル人材の育成を図るため、世界トップレベルの大学との交流・連携の実現・加速や、多様な価値観が集まるキャンパスを実現するための人事・教務システム改革など国際化を徹底して進める大学を重点的に支援する。
◆大学の世界展開力強化事業=11億9600万円
大学教育のグローバル展開力の強化を図るため、わが国にとって戦略的に重要な国・地域との間で、質保証を伴った学生交流の実施などを推進する国際教育連携やネットワーク形成の取組を支援する。
〈大学等の留学生交流の充実〉=340億5700万円(99・1%)
意欲と能力のある若者全員に留学機会を付与し、日本人留学生の倍増(6万人↓12万人)を目指すため、若者の海外留学への機運醸成を図る留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」の活動を推進するとともに、学位取得目的の長期留学支援の拡充などによって、留学経費を支援する。
また、優秀な外国人留学生を確保し、内なる国際化を図る留学生30万人計画の実現に向け、海外での日本留学の魅力発信を強化するとともに、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策などを踏まえ、大学等における在籍管理の徹底を図りつつ、外国人留学生の国内就職に資する取組を支援することなどによって、外国人留学生のわが国への受入れを促進する。
◆大学等の留学生交流の支援等=79億5100万円
▼大学等の海外留学支援制度=78億6800万円
大学院学位取得型252人、学部学位取得型160人、協定派遣型2万人(渡航支援金1600人含む)、協定受入型5000人。
▼日本人の海外留学促進事業=8300万円
日本人の留学促進については、官民協働によるトビタテ!留学JAPAN日本代表プログラムと合わせて促進。
◆優秀な外国人留学生の戦略的な受入れ=261億600万円
▼日本留学への誘い、入り口(入試・入学・入国)の改善=10億3400万円
▽日本留学海外拠点連携推進事業=4億5000万円
リクルーティング機能から帰国後のフォローアップまで一貫した、オールジャパンの日本留学サポート体制の実現を図る。
▼受入れ環境づくり、卒業・修了後の社会の受入れの推進=239億7500万円
▽外国人留学生奨学金制度=220億8700万円
・国費外国人留学生制度1万1473人
・留学生受入れ促進プログラム7400人
▽留学生就職促進プログラム=3億7200万円―14拠点
地域単位の取組に加えて、留学生の専攻や就職する企業の業種などに応じて、大学・企業などが地域横断的に連携して行う留学生の就職促進の取組を構築する。
【大学教育再生の戦略的推進】=98億5900万円(102・9%)
〈世界をリードする教育拠点の形成〉=77億4800万円(104・6%)
世界に誇れるトップレベルの教育研究活動を実践する大学の機能を飛躍的に高め、世界に発信していくことで、わが国の高等教育・学術研究のプレゼンス向上を図る。
◆卓越大学院プログラム=77億4800万円
国内外のトップ大学や民間企業などの外部機関と組織的な連携を図り、企業などからの外部資金をはじめとする学内外資金を活用しつつ、世界最高水準の教育力と研究力を結集した学位プログラムの構築・実践を通じて、人材育成・交流、および新たな共同研究の創出が持続的に展開される拠点を形成し、あらゆるセクターをけん引する卓越した博士人材の育成を進める。
〈革新的・先導的教育研究プログラム開発やシステム改革の推進〉=21億1200万円(97・1%)
大学等における革新的・先導的教育研究プログラムを開発・実施する取組や、迅速に実現すべきシステム改革を支援・普及することで、大学教育の充実と質の向上を図る。
◆大学による地方創生人材教育プログラム構築事業(新規)=2億5400万円
地域の知の拠点としての大学が他の大学等や自治体、地域の企業などと協働し、地域が求める人材を養成するための教育改革を実行するとともに、出口(就職先)と一体となった教育プログラムを実施することで、若者の地元定着と地域活性化を推進する。
◆Society5・0に対応した高度技術人材育成事業=9億2000万円
産学連携による実践的な教育ネットワークを形成し、Society5・0の実現に向けて人材不足が深刻化している情報技術人材やデータサイエンティストといった大学等における産業界のニーズに応じた人材育成を支援する。
◆持続的な産学共同人材育成システム構築事業=2億8000万円
大学等において、企業などを超えたオープンイノベーションを促進するため、リカレント教育や実務家教員育成に関する産学共同教育の場やプログラムを提供するとともに、持続的に社会の要請に応えられる産学共同人材育成システムを構築する。
【先進的で高度な医療を支える人材養成の推進】=15億1300万円(88・9%)
大学および大学病院における先進的で高度な医療を支える人材の養成や新しい医療技術の開発などを担う人材の養成を推進する。
◆先進的医療イノベーション人材養成事業=10億7300万円
わが国の医療・健康水準の向上のため、高度な教育・研究・診療機能を有する大学・大学病院において、新たな医療ニーズに対応した先進的な医療人材養成拠点を形成する。
▼保健医療分野におけるAI研究開発加速に向けた人材養成産学協働プロジェクト(新規)=2億円
将来にわたって国民に質の高い保健医療サービスを提供していくため、医療機関や民間企業・団体などの協力を得ながら、保健医療分野における人工知能(AI)技術開発を推進する医療人材を養成する。
▼医療データ人材育成拠点形成事業=1億6900万円
医療現場から大規模に収集される多様なデータの利活用を推進し、質の高い医療を実現するため、医療データの活用基盤を構築・運営する人材や医療データを利活用できる人材を育成する。
▼多様な新ニーズに対応する「がん専門医療人材(がんプロフェッショナル)」養成プラン=7億400万円
がんにかかる多様な新ニーズに対応するため、ゲノム医療従事者、希少がんおよび小児がんに対応できる医療人材、ライフステージに応じたがん対策を推進するがん専門医療人材を養成する。
◆大学・大学院および附属病院における人材養成機能強化事業=3億7500万円
医療の高度化と社会からの要請に対応するため、優れた高度専門医療人(医師・歯科医師・看護師・薬剤師その他医療職)を養成するための教育体制を構築し、国内への普及を図る。
▼課題解決型高度医療人材養成プログラム=3億1800万円
高度な教育力・技術力を有する大学が核となり、わが国が抱える医療現場の諸課題などに対して、科学的根拠に基づいた医療が提供できる優れた医療人材の養成を推進する。
▼基礎研究医養成活性化プログラム=5700万円
基礎医学を志す医師の減少に歯止めをかけるとともに、わが国の基礎医学研究における国際競争力を強化するため、基礎医学分野において、社会的要請の高い病理学や法医学分野などにおける優れた基礎研究医を重点的に養成する。
【Society5・0の到来等を見据えた高等教育改革の促進】=100億6800万円(108・5%)
Society5・0の到来等を見据え、世界をリードする教育研究拠点の形成や革新的・先導的な教育研究プログラムの開発に関する大学の優れた取組を重点的に支援する。
◆知識集約型社会を支える人材育成事業(新規)=4億円
Society5・0時代等に向け、狭い範囲の専門分野の学修にとどまるのではなく、今後の社会や学術の新たな変化や展開に対して、柔軟に対応し得る能力を有する幅広い教養と深い専門性をもった人材育成を実現するため、全学的な教学マネジメントの確立を図りつつ、例えば、分野融合の学位プログラムなどの新たな教育プログラムを構築・実施する。
【専修学校の人材養成機能の充実・強化】=24億6200万円(100・3%)
専修学校において、産業界・社会が求める有為な人材を養成する機能を充実・強化するとともに、職業実践専門課程の認定などを基軸とした質保証・向上のさらなる充実を図る。
また、経済的負担の軽減を通じた学びのセーフティネットを保障するため、専門学校生に対する経済的支援策について実証・研究を行う。
◆専修学校における先端技術利活用実証研究(新規)=3億5300万円―17ヵ所
専修学校教育における職業人材の養成機能を強化・充実するため、産学が連携し実践的な職業教育を支える実習授業などにおいてVR・ARなどの先端技術の活用方策について実証・研究を行う。
◆専修学校リカレント教育総合推進プロジェクト=4億2500万円―39ヵ所
人生100年時代にふさわしい多様なリカレント教育機会の充実を図るため、教育内容、教育手法、学校運営といった多面的な視点で、就職氷河期世代を含めた社会人向けリカレント教育を専修学校教育において総合的に推進する。
◆専修学校による地域産業中核的人材養成事業=9億6200万円
専修学校の地域産業の発展を支える中核的な人材養成機関としての役割の充実・強化を図るため、地方公共団体や地域の産業界と連携し、分野に応じた中長期的な人材育成に向けた協議体制の構築などを進めるとともに、これからの時代に対応した教育プログラムなどの開発を進める。
▽機動的な産学連携体制の整備
・地域版人材育成協議会の設置5ヵ所
・全国版人材育成協議会の設置1ヵ所
▽教育プログラム等の開発
・Society5・0等対応カリキュラムの開発・実証30ヵ所
・地域課題解決実践カリキュラムの開発・実証30ヵ所
・学びのセーフティネット機能の充実・強化6ヵ所
◆専修学校グローバル化対応推進支援事業=1億9600万円―4ヵ所
専修学校への留学に関する総合的・戦略的な留学生施策の推進を図るため、諸外国における日本の専修学校の広報・優秀な外国人留学生の掘り起こし、日本語教育支援や修学支援、留学生の在籍管理、卒業後の国内への定着支援など、各地域における関係機関・団体との連携によるモデル体制の構築を進める。
◆職業実践専門課程等を通じた専修学校の質保証・向上の推進=1億6200万円
専修学校における研修プログラム開発や研修体制づくりなどによる教育体制の充実を図り、先進モデルの開発などによる職業実践専門課程の充実に向けた取組や、教学マネジメントの強化に向けた取組の推進などを通じて、職業教育の充実および専修学校の質保証・向上を図る。
◆専修学校と地域の連携深化による職業教育魅力発信力強化事業=5200万円
専修学校が担う職業教育の魅力発信力を強化するため、効果的な情報発信の在り方について検討・検証を行うとともに、関係機関と連携し、専修学校の職業教育機能を生かした体感型の学習機会などを提供した際の効果、連携に当たっての留意点を整理する。
◆専門学校生への効果的な経済的支援の在り方に関する実証研究事業=3400万円
意欲と能力のある専門学校生が経済的理由によって修学を断念することがないよう、経済的支援および修学支援アドバイザーによる修学支援を行い、施策効果等に関するデータを継続的に収集して、分析・検証し、その効果などについて普及することによって専門学校の取組のさらなる充実を図る。
《生涯学び、活躍できる環境の整備》
【特別支援教育の生涯学習化推進プラン】=31億4200万円(104・3%)
障害者権利条約の批准や障害者差別解消法の施行なども踏まえ、障害者が学校卒業後も含めたその一生を通じて、自らの可能性を追求できる環境を整え、地域の一員として豊かな人生を送ることができるよう、生涯を通じて教育やスポーツ、文化芸術などの様々な機会に親しむための関係施策を横断的かつ総合的に推進するとともに、共生社会の実現を目指す。
◆学校卒業後における障害者の学びの支援に関する実践研究事業=1億1600万円
学校卒業後の障害者について、学校から社会への移行期や人生の各ステージにおける効果的な学習にかかる具体的な学習プログラムや実施体制、情報収集・提供・相談機能などに関する
実証的な研究などを行い、成果を全国に普及する。
◆障害のある学生の修学・就職支援促進事業(新規)=3000万円
複数大学等のネットワークを活用し、障害のある学生への就職支援を含む支援の留意点などを共有化するプログラムを構築するとともに、地域包括ミーティングなどの実践による当該プログラムの展開や関係機関との連携を通じて、障害のある学生の修学・就職支援を推進する。
◆障害者による文化芸術活動推進事業=3億5600万円
障害者による文化芸術の鑑賞や創造、発表の機会の拡充、作品等の評価を向上する取組など、共生社会を推進するための様々な取組を実施する。
◆図書館における障害者利用の促進(新規)=1700万円
視覚障害者などの読書環境の整備を推進するため、職員・ボランティアなどの支援人材やピアサポート人材を育成する。また、障害者サービスの先進的な事例や図書館を利用する障害者の理解促進を図るシンポジウムを開催する。
【切れ目ない支援体制構築に向けた特別支援教育の充実】=25億4600万円(101・8%)
障害のある児童生徒等の自立と社会参加の加速化に向けた取組の充実を図り、障害のある児童生徒等が十分な教育を受けられる環境を構築する。
◆切れ目ない支援体制整備充実事業=19億1900万円
▽特別な支援が必要な子どもが就学前から社会参加まで切れ目なく支援を受けられる体制の整備を行う自治体などのスタートアップを支援―個別の教育支援計画等の活用、連携支援コーディネーター配置など
▽医療的ケアが必要な幼児児童生徒のための看護師配置―1800人↓2100人
◆学校における医療的ケア実施体制構築事業=2900万円
学校における人工呼吸器の管理などが必要な幼児児童生徒の受入体制の在り方や、教育委員会などによる看護師に対する研修の企画・実施の在り方などを調査研究する。
◆発達障害の可能性のある児童生徒等に対する支援事業等=1億5000万円
▽経験の浅い教員の専門性向上にかかる支援体制等構築研究事業(新規)
通常の学級や通級による指導において、新任担当あるいは経験の浅い担当教員を支援するため、研修体制などの調査研究を行う。
▽特別支援教育担当教員の資質向上に向けた人材育成プロジェクト(新規)
発達障害にかかる教員等の専門性向上を図るため、教育と福祉の関係者が協働した教員研修の検討・実践などを行う。
※上記のほか、新たに、発達障害の可能性のある児童生徒の実態把握にかかる調査の在り方を検討するための協力者会議を設置。
◆学校と福祉機関の連携支援事業=800万円
障害のある子どもに対する一貫した支援の提供に資するため、学校と障害児通所支援事業所の効率的かつ効果的な連携の在り方について調査研究を行う。
◆難聴児の早期支援に向けた保健・医療・福祉・教育の連携推進(新規)=2100万円
▽保健、医療、福祉と連携した聴覚障害のある乳幼児に対する教育相談充実事業
聴覚障害児の早期支援を促進するため、特別支援学校(聴覚障害)における保健、医療、福祉など、厚生労働行政と連携した教育相談の実施体制構築にかかる実践研究を行う。
▽難聴児の切れ目ない支援体制構築事業
医療・療育・教育関係者を対象とした難聴児の早期支援にかかる研修を開催し、担当者の専門性向上を通じた難聴児への支援体制構築を図る。
◆学習指導要領等の趣旨徹底および学習・指導方法の改善・充実=1億5400万円
教科書等の作成や新学習指導要領の周知・徹底を着実に実施し、農福連携や知的障害の児童生徒へのプログラミング教育など、障害の状態等に応じた教育課程の編成や指導方法に関する政策的な課題にかかる先導的な実践研究などを行う。
◆特別支援教育に関する教職員等の資質向上事業=3500万円
特別支援教育を担当する教員の専門性の向上を図るため、特別支援学校教諭免許状等取得に資する取組や特別支援学校教員などに対する専門的研修を行う。
◆高校段階における入院生徒に対する教育保障体制整備事業=2100万円
高校段階の入院生徒などに対する教育保障体制の整備について調査研究を実施する。
◆教科書デジタルデータを活用した拡大教科書、音声教材等普及促進プロジェクト=2億700万円
発達障害や視覚障害などのある児童生徒が十分な教育を受けられる環境を整備するため、教科書デジタルデータを活用した音声教材などに関する効率的な製作方法や高校等における拡大教科書の普及促進、教材の活用に関するアセスメントなどについて実践的な調査研究等を実施する。
【女性の活躍推進等のための環境整備】=6200万円(93・9%)
女性の活躍推進等を図るため、多様な年代に対する学び直しを通じたキャリア形成支援に取り組むとともに、学校教育段階から男女共同参画意識の醸成を図るための教材や教員研修プログラムの開発などの基盤整備を充実する。
◆女性の多様なチャレンジに寄り添う学びと社会参画支援事業(新規)=3400万円
多様な年代の女性の社会参画を推進するため、関係機関と連携のもと、キャリアアップやキャリアチェンジなどに向けた意識醸成や相談体制の充実を含め、学習プログラムの開発など、女性の多様なチャレンジを総合的に支援するモデルの開発や普及啓発を行う。
◆次世代のライフプランニング教育推進事業=2800万円
次世代を担う若者が、固定的な性別役割分担意識にとらわれず主体的に多様な進路を選択することができるよう、学校教育段階から男女共同参画意識の醸成を図るため、学校で活用できるライフプランニング教育プログラムや、教員研修プログラムを開発する。
【リカレント教育等社会人の学び直しの総合的な充実】=89億3500万円(101・2%)
人生100年時代や技術革新の進展などを見据え、わが国のリカレント教育の抜本的な拡充を推進するため、大学等におけるSociety5・0に対応した高度技術人材や地方創生人材の育成をはじめとした幅広い分野の実践的な教育プログラムや教職志望者向けの講座のほか、専門学校における分野横断型講座など、幅広い社会人や地域・企業のニーズを踏まえたリカレントプログラムの開発を進める。また、実務家教員の育成、女性のキャリアアップなどに向けた学び直しやキャリア形成の支援、社会人の学びの情報アクセスの改善などを通じ、就職氷河期世代を含む社会人を対象とした大学・専修学校等の取組を支援する。
◆放送大学の充実=73億8600万円
数理・データサイエンス・AI人材を育成するためのオンライン配信による授業科目・公開講座コンテンツや、地方公共団体・企業・大学等と連携した短期リカレント講座コンテンツを制作し、リカレント教育の機会を全国へ提供する。
◆社会人の学びの情報アクセス改善に向けた実践研究=1700万円
社会人や企業などの学びに対するニーズを整理し、社会人が各大学・専修学校等における社会人向けのプログラムの開設状況や、社会人の学びを支援する各種制度に関する情報に効果的・効率的にアクセスすることができる機会の創出に向けて、大学等との連携体制を構築し、実践的な調査研究を行う。
◆大学等におけるリカレント講座の持続可能な運営モデルの構築(新規)=1600万円
大学等のリカレント講座の運営状況について調査するとともに、結果を踏まえた実証実験を行い、大学等におけるリカレント講座の持続可能な運営モデルを構築し、全国展開する。
《誰もが社会の担い手となるための学びのセーフティネットの構築》
【幼児教育・保育の無償化の実施】=3409億9900万円の内数(内閣府計上)
すべての子どもに質の高い幼児教育を保障するため、子ども・子育て支援法の一部を改正する法律などを踏まえ、令和元年10月からの無償化措置を着実に実施する。
【学校をプラットフォームとした総合的な子どもの貧困対策の推進】=92億2400万円(109・2%)
家庭の経済状況にかかわらず、学ぶ意欲と能力のあるすべての子どもが質の高い教育を受け、能力・可能性を最大限伸ばしてそれぞれの夢に挑戦できるようにすることは、一人ひとりの豊かな人生の実現に加え、今後のわが国の成長・発展にもつながるものである。
子どもの貧困対策に関する大綱を踏まえ、学校を子どもの貧困対策のプラットフォームと位置付け、総合的な子どもの貧困対策を推進するとともに、教育の機会均等を保障するため、教育費負担の軽減を実施する。
◆要保護児童生徒援助費補助=6億2600万円―補助率2分の1
要保護児童生徒の保護者に対して学用品費、修学旅行費、学校給食費などの就学援助を実施。中学校の新入学児童生徒学用品費等の予算単価の引き上げなど、国庫補助の拡充を図るとともに、就学援助の着実な取組を支援する。
▼被災児童生徒就学支援等事業(大規模災害対応分)=9億1100万円
熊本地震などの大規模災害で被災し、経済的に就学が困難な幼児児童生徒の就学機会を確保するため、小中学生に対する学用品費などの援助、高校生に対する奨学金支給、特別支援学校等に在籍する児童生徒などへの就学奨励、私立学校および専修学校・各種学校の授業料減免などを実施する。
【私立小・中学校等に通う児童生徒への経済的支援に関する実証事業】=9億9500万円(100・0%)
私立小・中学校等に通う児童生徒への経済的支援に関し、年収400万円未満の世帯に属する児童生徒について、授業料負担の軽減を行いつつ、義務教育において私立学校を選択している理由や家庭の経済状況などについて実態把握のための調査を行う。
◆私立小・中学校等に通う児童生徒への経済的支援に関する実証事業=9億9500万円―実施期間2017~21年度
▽授業料負担の軽減
年収400万円未満の世帯に属する児童生徒について、授業料負担の軽減を行う(最大で年額10万円)。
▽実態把握
義務教育において私立学校を選択している理由や家庭の経済状況などについて実態把握のための調査を行う。
【高校生等への就学支援等】=4484億6000万円(113・8%)
すべての意志ある生徒が安心して教育を受けられるよう、高校等の授業料に充てるために高校等就学支援金を支給するとともに、低所得世帯に対しては、授業料以外の教育費について、各都道府県が実施する高校生等奨学給付金事業を支援することで、家庭の教育費負担の軽減を図る。
また、高校中途退学の未然防止および高校中退者などに対する学習支援などによる切れ目ない支援を推進する。
◆私立高校授業料の実質無償化等=4253億1700万円
▼私立高校授業料の実質無償化(高校等就学支援金交付金)=4247億9500万円
私立高校等に通う年収590万円未満世帯の生徒を対象に、高校等就学支援金の支給上限額を私立高校の平均授業料を勘案した水準(39万6000円)まで引き上げることによって、私立高校授業料の実質無償化を実現する。
私立高校等の通信制課程に通う年収590万円未満世帯の支給上限額は29万7000円。
▼専攻科の生徒への修学支援の創設(新規)=2億4500万円
高校および特別支援学校の専攻科に通う低所得世帯の生徒に対して、都道府県が支援事業を行う場合に、国が都道府県に対して所要額を補助する。
▽都道府県が授業料にかかる支援を行う場合に、その経費の2分の1を国が補助
▽都道府県が授業料以外の教育費にかかる支援を行う場合、その経費の3分の1を国が補助(高校生等奨学給付金の内数)
▼高校等で学び直す人に対する修学支援=2億7600万円
▽高校等を中退した後、再び高校等で学び直す人に対して、都道府県が継続して
授業料にかかる支援金を支給する場合に、国が都道府県に対して所要額を補助=
私立高校等に通う生徒の支給上限額(29万7000円)を年収590万円未満世帯まで(現行は年収270万円未満世帯まで)拡充
▼高校等就学支援金事務費交付金等=27億9300万円
◆高校生等奨学給付金(奨学のための給付金)=136億1000万円―補助率3分の1
▼非課税世帯(全日制等、第1子)の給付額の増額によって、低所得世帯のさらなる教育費負担を軽減
▽給付額(年額)
・国公立の高校等在学者=8万2700円↓8万4000円
・私立の高校等在学者=9万8500円↓10万3500円
◆高校中途退学の未然防止および高校中退者等に対する学習支援等による切れ目ない支援=70億1700万円
▼高校中退者等に対する学習相談・学習支援の促進=6900万円
就職やキャリアアップにおいて不利な立場にある高校中退者等を対象に、高校卒業程度の学力を身に付けさせるための学習相談および学習支援を実施する地方公共団体の取組を支援するとともに、新たな支援体制のモデル開発を実施する。
▽地域における学びを通じたステップアップ支援促進事業(新規)=4700万円
・実施主体=主に市町村(負担割合=国3分の1、都道府県3分の1、市町村3分の1)
▽学びを通じたステップアップ支援促進事業(委託事業)=2300万円
・実施主体=都道府県、市町村、民間団体
【高等教育の就学支援の着実な実施】=5822億5100万円(565・7%)
大学等における就学の支援に関する法律に基づき、少子化に対処するため、低所得世帯であっても社会で自立し活躍できる人材を育成する大学等において修学できるよう、高等教育の修学支援(授業料等減免・給付型奨学金)を着実に実施(内閣府計上)する。
また、これと一体的な無利子奨学金事業についても、意欲のある学生等が経済的理由によって進学を断念することがないよう、貸与基準を満たす希望者全員に対する貸与を確実に実施する。
◆高等教育の修学支援新制度(内閣府計上)(新規)=4881億7600万円
・対象学校種―大学、短期大学、高等専門学校、専門学校
・対象学生―住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯の学生等
・財源―社会保障関係費として内閣府に予算計上し、文部科学省で執行
▼授業料等減免制度の創設(新規)=2527億9200万円
各大学等が以下の上限額まで授業料・入学金の減免を実施し、その減免に要する費用を国から措置(非課税世帯に準ずる世帯の学生等に対しては、非課税世帯の額の3分の2の額または3分の1の額を減免)する。
▽授業料減免上限額(年額・昼間部)
・大学=国公立53万5800円、私立70万円
・短大=国公立39万円、私立62万円
・高専=国公立23万4600円、私立70万円
・専門学校=国公立16万6800円、私立59万円
▽入学金減免上限額(年額・昼間部)
・大学=国公立28万2000円、私立26万円
・短大=国公立16万9200円、私立25万円
・高専=国公立8万4600円、私立13万円円
・専門学校=国公立7万円、私立16万円
▼給付型奨学金の支給の拡充(新規)=2353億8400万円
学業に専念するため、必要な学生生活費を賄えるよう(非課税世帯に準ずる世帯の学生等は非課税世帯の額の3分の2の額または3分の1の額を)支給する。
▽支給額(年額)
・大学=国公立自宅35万400円、自宅外80万400円。私立自宅45万9600円、自宅外90万9600円
・短大=国公立自宅35万400円、自宅外80万400円。私立自宅45万9600円、自宅外90万9600円
・高専=国公立自宅21万円、自宅外41万400円。私立自宅32万400円、自宅外51万9600円
・専門学校=国公立自宅35万400円、自宅外80万400円。私立自宅45万9600円、自宅外90万9600円
※私立の大学、短大、専門学校の通信課程における支給額(年額)は5万100
0円
※児童養護施設等の入居者等・生活保護世帯出身者のうち、居住に要する費用にかかる支援の必要がないと認められる学生等の支給額(年額)は、大学、短大、専門学校は国公立39万9600円、私立51万円、高専は国公立30万9600円、私立42万円
◆無利子奨学金の貸与基準を満たす希望者全員に対する貸与の確実な実施=940億7500万円
貸与基準を満たす希望者全員への貸与を引き続き確実に行う。
・事業費―無利子奨学金3113億9100万円(有利子奨学金7327億4800万円)
・貸与人員―無利子奨学金51万8000人(有利子奨学金83万3000人)
【外国人受入れ拡大に対応した日本語教育・外国人児童生徒等への教育の充実】=17億95000万円(133・9%)
日本語指導が必要な児童生徒や国内の日本語学習者が大幅に増加していること、新たな在留資格「特定技能」が創設されたことなどを背景として、外国人の受入れ拡大に向け、外国人が日本社会の一員として円滑に生活できる環境を整備し、日本人と外国人の共生社会を実現するため、日本語教育・外国人児童生徒等に向けた教育の充実を図る。
◆外国人児童生徒等への教育の充実=8億4100万円
共生社会の実現に向け、日本語指導が必要な児童生徒について、学校における日本語指導体制の充実や多言語翻訳システムなどICTの活用の促進などを行うとともに、多様な取組を通じた支援によって外国人の子どもなどに対して適切な教育機会の確保を図る。
▼帰国・外国人児童生徒等教育の推進支援事業=7億1200万円
▼日本語指導が必要な児童生徒等の教育支援基盤整備事業=1700万円
▼多文化共生に向けた日本語指導の充実に関する調査研究(新規)=3600万円
《スポーツ立国の実現》
【スポーツ立国の実現を目指したスポーツの振興】=350億8400万円(103・2%)
すべての人々がスポーツを「する」「みる」「ささえる」機会を確保するとともに、国民に誇りと喜び、夢と感動を与えてくれるトップアスリートの育成・強化、スポーツを通じた地域や経済の活性化、国際貢献などを推進し、国民の成熟した文化としてスポーツを一層根付かせ、人々がスポーツの力で輝き、前向きで活力ある社会と絆の強い世界を創る。
◆2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会=161億8000万円
▼競技力向上事業=100億5400万円
2020年東京大会、2022年北京大会をはじめとする国際競技大会における日本代表選手のメダル獲得に向けて、各競技団体が行う日常的・継続的な強化活動および2024年パリ大会などで活躍が期待される次世代アスリートの発掘・育成などの戦略的な強化について、オリンピック競技とパラリンピック競技の一体的な支援を実施する。
▼ハイパフォーマンス・サポート事業=22億400万円
次期オリンピック・パラリンピック競技大会においてメダル獲得の可能性の高い競技を対象に、わが国のトップアスリートが世界の強豪国に競り勝ち、メダルを獲得することができるよう、多方面から専門的かつ高度な支援を戦略的・包括的に実施する。
また、2020年東京大会において、アスリート、コーチ、スタッフが競技へ向けた最終準備を行うための医・科学・情報サポート拠点の設置等を行う。
◆2020年東京大会以降も見据えたスポーツ・レガシーなどのスポーツ施策の総合的な推進=189億400万円
▼Sport in Life推進プロジェクト(スポーツ参画人口の拡大方策)(新規)=2億5600万円
スポーツの振興を積極的に推進する関係団体の取組を同プロジェクトで一体化し、多様な形でスポーツの機会を提供するとともに、関係団体間の連携によって推進力・相乗効果を創出し、2020年東京大会のレガシーとして新たに1000万人のスポーツ実施者を増加させる。
▼障害者スポーツ推進プロジェクト=8700万円
障害者が身近な場所でスポーツを実施できる環境整備、障害者スポーツ団体の支援、障害者のスポーツ用具を有効活用する仕組みの構築などによって、障害者が生涯にわたってスポーツを実施するための基盤を整備する。
《文化芸術の力で未来を切り拓く》
【文化財の確実な継承に向けた保存・活用の推進】=462億9500万円(101・3%)
文化財を次世代に確実に継承するために、修理・整備や緊急状況調査を踏まえた防災対策、修理技術者の育成などを支援するとともに、世界文化遺産、日本遺産をはじめ地域の文化財の総合的活用など、文化財を活用した地域活性化の取組を支援する。
◆文化財防衛のための基盤の整備=257億700万円
▼災害等から文化財を護るための防災対策促進プラン=39億700万円
首里城跡やノートルダム大聖堂での火災を踏まえ、文化財を確実に後世に継承するため、防火施設などの設置や、設計図や写真等のデジタル保存などの防火対策を行うとともに、防犯、耐震対策などに対して補助等を行う。
▼適切な修理周期等による文化財の継承の推進=212億500万円
適切な周期による文化財の修理・整備などに対して補助するとともに、文化財の散逸等防止のため、文化財の買上げなどを行う。
▼文化財を支える伝統の技伝承基盤強化プラン=5億9500万円
文化財の保存技術や用具・原材料を次世代に継承するため、現在の状況の実態把握、技の継承や原材料確保などへの支援、国内外への情報発信など等を進める。
◆文化財の公開活用、伝承者養成、鑑賞機会の充実等=66億7000万円
▼無形文化財の伝承・公開等=14億3400万円
重要無形文化財および選定保存技術の保持者、保持団体などが行う伝承者養成および文化財修理技術者の人材育成、原材料・用具の確保などや、重要無形民俗文化財の保護団体などが行う伝承者養成や用具の修理に対して補助等を行う。
▼地域文化財の総合的な活用の推進=22億7300万円
地域の文化財の総合的な活用を推進するため、文化財保存活用地域計画などの策定支援のほか、日本遺産の認定地域などにおいて、解説ガイドなどの育成や観光ルート開発に向けたモニターツアーの実施等へ支援を行うとともに、伝統行事・伝統芸能の後継者養成、古典に親しむ活動など、地域の文化遺産を活用した特色ある総合的な取組を支援する。
▼国立アイヌ民族博物館の運営等=13億7600万円
アイヌ文化の復興等の中核施設である博物館(2020年4月開館予定)の管理運営などを行う。
【文化芸術立国に向けた文化芸術の創造・発展と人材育成】=213億5600万円(100・3%)
創造的で多様性に富んだ文化芸術立国を形成するため、文化芸術の創造活動および人材育成を推進するとともに、子どもたちが多様な文化芸術にふれる環境の充実、生活文化の振興や障害者による文化芸術活動の推進を図る取組を実施する。
◆新たな時代に対応した文化芸術人材の育成および子どもたちの文化芸術体験の推進=82億100万円
▼新進芸術家等の人材育成=15億2200万円
才能豊かな新進芸術家などに、海外の大学や統括団体などにおける実践的な研修の機会を提供することなどによって、次代を担い、世界に通用する芸術家等を育成する。
▼文化芸術による創造性豊かな子どもの育成=66億7900万円
学校・地域において文化芸術によって、子どもたちの豊かな感性・情操や創造力などを育むため、質の高い文化芸術や地域の伝統文化など多様な文化芸術にふれる環境の充実や、子どもたちが身近な地域で文化芸術活動に親しむための環境整備を図る。
【文化発信を支える基盤の整備・充実】=351億6100万円(102・3%)
◆生活者としての外国人に対する日本語教育の推進=9億5500万円
▼地域日本語教育の総合的な体制づくり推進事業=4億9700百万円
新たな在留資格の創設などを踏まえ、地方公共団体が関係機関などと有機的に連携し、日本語教育環境を強化するための総合的な体制づくりを推進するとともに、生活者としての外国人の日本語学習機会の確保を図る。
▼生活者としての外国人のための日本語教室空白地域解消推進事業=1億4700万円
日本語教室の開設されていない市区町村に住む外国人のため、日本語教育のノウハウを有していない自治体を対象としたアドバイザーの派遣、インターネット等を活用した日本語学習教材(ICT教材)の開発などを実施する。
《Society5・0の実現に向けた科学技術イノベーションの推進》
【科学技術イノベーション人材の育成・確保】=241億3800万円(97・7%)
◆次代の科学技術イノベーションを担う人材の育成
▼スーパーサイエンスハイスクール(SSH)支援事業=22億1900万円
中等教育段階から体系的に生徒の科学的能力などの伸長を図るため、先進的な理数系教育を実施する高校などをスーパーサイエンスハイスクールに指定し、わが国の将来の科学技術をけん引する人材の育成を支援する。
▼理数分野で卓越した才能をもつ児童生徒を対象とした大学の育成活動支援=6億7000万円
地域で卓越した理数分野に関する意欲、能力を有する全国の児童生徒を大学等が発掘し、特別な教育プログラムを個別に提供することによって、その能力などのさらなる伸長を図る。
▽グローバルサイエンスキャンパス(高校生向け)=4億2900万円
▽ジュニアドクター育成塾(小中学生向け)=2億4100万円
◆科学技術イノベーションを担う女性の活躍促進
研究と出産・育児などのライフイベントとの両立や女性研究者の研究力向上を通じたリーダーの育成を一体的に推進するダイバーシティ実現に向けた取組や、出産・育児による研究中断から復帰する優れた研究者への研究奨励金の支給、女子中高生の理系分野への興味・関心を高め、適切な進路選択を可能にするための取組を実施する。
▽女子中高生の理系進路選択支援プログラム=4200万円
(シリーズ終わり)
(国 2020-01-24付)
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