2年度の文科省文部科学関係予算案②
(国 2020-01-23付)

 文部科学省の令和2年度文部科学関係予算案主要事項はつぎのとおり(カッコ内%は対前年度比)。

《夢と志をもち、可能性に挑戦するために必要となる力の育成》

【地域と学校の連携・協働の推進等】=75億6600万円(118・3%)

 学校を核とした地域力強化の仕組みづくりを推進するとともに、地域の活性化につながる多様な取組を展開することによって、まち全体で地域の将来を担う子どもたちを育成するとともに1億総活躍社会および地方創生の実現を図る。

◆学校を核とした地域力強化プラン=73億7300万円―補助率3分の1

 学校を核とした地域力強化のための仕組みづくりや地域の活性化に直結する様々な施策などを地域の特色に応じて組み合わせて推進する。

▼地域と学校の連携・協働体制構築事業=67億3700万円

 社会に開かれた教育課程の実現に向けた基盤となる体制の構築を支援するために、コミュニティ・スクール(学校運営協議会)と地域学校協働活動を一体的に推進し、社会全体の教育力の向上および地域の活性化を図る。

 地域学校協働活動を推進するため、地域と学校をつなぐ地域学校協働活動推進員を配置し、地域の実情に合わせた様々な地域学校協働活動の総合化、ネットワーク化を目指し、組織的で安定的に継続できる地域学校協働本部の整備を推進する。

▽地域学校協働本部の設置―8000本部

▼地域における家庭教育支援基盤構築事業=7500万円

 地域人材の養成や家庭教育支援チームの組織化など家庭教育支援体制の構築、保護者への学習機会の提供や相談対応・情報提供に加え、児童虐待への対応を含む支援員などに対する研修の強化、保護者に寄り添うアウトリーチ型支援の実施など地域における家庭教育支援の取組を推進する。

▽家庭教育支援の実施―1000ヵ所

▼地域と連携した学校教育活動=4億5400万円

▽地域を担う人材育成のためのキャリアプランニング推進事業=800万円―15人

 キャリアプランニングスーパーバイザーを都道府県などに配置し、地元企業などと連携した職場体験やインターンシップおよび地元への愛着を深めるキャリア教育の推進等を通じ、地元に就職し地域を担う人材を育成する。

▽地域と連携した学校保健推進事業=800万円―67ヵ所

 養護教諭の未配置校などに対し、経験豊富な退職養護教諭をスクールヘルスリーダーとして派遣し、学校・家庭・地域の関係機関などの連携による効果的な学校保健活動の展開を図る。

◆地域における小学校就学前の子どもを対象とした多様な集団活動等への支援の在り方に関する調査事業(新規)=1億9200万円

 幼稚園や保育所、認定こども園に通っていない満3歳以上の小学校就学前の幼児を対象に、自然体験、様々な遊びや生活体験を通じた多様な集団的な活動を行う施設などに対して支援を行っている自治体に対して、それらの施設などに対する国と地方が協力した支援の在り方に関する調査を実施する。

【新しい時代に求められる資質・能力の育成】=94億6600万円(101・2%)

〈教育課程の充実〉=29億2200万円(104・4%)

 新学習指導要領の全面実施に向けて、一人ひとりの児童生徒が自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り開き、持続可能な社会の創り手となることができるように、初等中等教育の教育課程の充実を図る。

◆読解力等の学力向上のための取組の推進=6億900万円

 PISA2018の結果を踏まえ、各学校における読解力などの学力向上に資するよう、総合的に調査・実践研究などを実施する。

▽学力向上のための基盤づくりに関する調査研究

▽新学習指導要領の着実な実施に向けた取組の推進

◆理数教育の充実のための総合的な支援等=19億1700万円

 観察・実験の充実を図るため、理科観察実験アシスタントの配置支援や、理科教育振興法に基づいた観察、実験にかかる理科設備の整備充実を行う。

◆次代を見据えた教育課程・指導方法等に関する先導的研究開発=7000万円

 今後の教育課程の基準の改善などに資する実証的資料を得るため、現行の学習指導要領等によらない教育課程の編成・実施を認める研究開発学校を指定し、新しい教育課程、指導方法などについての研究開発を実施する。

◆現代的課題に対応した教育の充実等=1億4600万円

 現代的な課題に対応した資質・能力を子どもたちに育むため、環境教育や放射線教育等の充実を図るための取組などを実施する。

〈情報教育・外国語教育の充実〉=14億4600万円(84・7%)

 新学習指導要領を踏まえ、すべての児童生徒にSociety5・0の時代にグローバルに活躍するための力を育成するため、情報活用能力の育成に向けた取組の推進や、新時代の学びにおける先端技術の導入に向けた実証研究を実施するとともに、小・中・高校を通じた英語教育の強化を進める。

◆小・中・高校を通じた情報教育強化事業=1億3300万円

 新学習指導要領の趣旨を踏まえ、すべての学習の基盤となる情報活用能力の育成に向けて、つぎの取組によって、小・中・高校を通じた情報教育の強化・充実を図る。

▼情報教育指導充実事業

▽情報教育関係教科における免許外教科担任の解消に向けた調査研究

▽現職教員の情報教育にかかる指導力向上に資する教員研修用教材の作成

▽情報関係人材を活用した指導体制の充実に資する調査研究

▽プログラミング教育に関する指導事例などの情報提供

▼児童生徒の情報活用能力の把握に関する調査研究

▼情報モラル教育の指導資料の改善・充実や児童生徒向け啓発資料の作成・配布等

◆青少年を取り巻く有害環境対策の推進=3800万円

 スマートフォンなどの所持率が上昇し、SNSなどを通じた犯罪やいじめ等に青少年が巻き込まれるとともに、ネット依存による生活習慣の乱れなどが課題となっていることから、関係府省庁と連携し、インターネットなどの適切な使用やネット依存などを含む各種依存症予防について、保護者と青少年に直接働きかける啓発と教育活動を推進する。

◆学習者用デジタル教科書の効果・影響等に関する実証研究=2000万円

 学習者用デジタル教科書の在り方の検討のため、その使用による教育上の効果・影響を把握・検証するための実証研究を行う。また、諸外国におけるデジタル教科書の実態調査を行う。

◆小・中・高校を通じた英語教育強化事業=3億8000万円

▼新たな外国語教育に対応した条件整備事業

▽小学校中学年用教材(Let=s Try=)の配布

▼英語教育改善プラン推進事業

▽各都道府県・指定都市教委において、英語教育改善プランを策定し、目標達成に向けて行う取組のうち、他地域への普及が期待されるものを支援

▼教員養成機関等との連携による小学校外国語の専門人材育成・確保事業

▽大学と教育委員会などとの連携によって専門性を有した教員や外部人材等の活用のための講座開設などを支援

▼外国語教育の指導法等強化のための実証研究事業

▽小・中・高校の教員を対象としたオンライン・オフラインを融合した研修の実証研究の実施等

〈道徳教育の充実〉=42億3600万円(100・7%)

 平成27年3月、道徳教育にかかる学習指導要領等の一部改正を行い、これまでの小・中学校における道徳の時間を教育課程上、「特別の教科 道徳」(以下、道徳科)と新たに位置付けるとともに、いじめの問題への対応の充実や発達の段階をより一層踏まえた体系的なものとする観点からの内容の改善、問題解決的な学習を取り入れるなどの指導方法の工夫を図ることなどを示した。

 また、高校の道徳教育においては、平成30年3月に公示した高校学習指導要領において、中学校までの道徳科の学習等を通じて深めた道徳的諸価値の理解をもとにしながら、人間としての在り方・生き方に関する教育の充実を図るなど、小学校から高校までの系統的な指導の充実を図った。

 これらの取組は、道徳教育について考える道徳、議論する道徳へと質的に転換を図るものであり、令和2年度から順次、全面実施される新学習指導要領を踏まえた道徳教育が着実に行われるよう、改訂学習指導要領の趣旨を生かした効果的な指導や評価、推進体制を構築するため研究協議会の開催などを通じた小・中・高校の教員の指導力向上を図る。

 さらに、学校・家庭・地域の連携による道徳教育の取組の支援等を行う。

◆道徳教育の抜本的改善・充実等=42億3600万円

▽道徳教育の抜本的改善・充実にかかる支援

 小・中学校における道徳科を要とした各教科等を通じた道徳教育および高校における道徳教育の効果的な指導方法、道徳科の評価および推進体制などにかかる指導主事・教員などの研究協議会を開催する。

 また、地域教材の活用等による地域の特色を生かした道徳教育の実践・普及、家庭・地域との連携を強化する取組などについて支援する。

 特に、高校においては、新たに規定された道徳教育推進教師の育成を中心とした教員研修の資料の開発を行う。

▽道徳教育アーカイブの整備

 道徳科の趣旨やねらいを踏まえた効果的な指導方法や評価方法について、現在、各学校などで取り組まれている好事例や優れた教材を収集・集約・発信などするための機能を有した道徳教育アーカイブの充実を図る。

▽道徳科の教科書の無償給与

 小学校および中学校の道徳科の教科書を無償給与する。

〈Society5・0に向けた人材育成〉=8億6200万円(134・1%)

 「Society5・0に向けた人材育成~社会が変わる、学びが変わる」(平成30年6月5日)において取りまとめた3つの方向性(①公正に個別最適化された学びを実現する多様な学習の機会と場の提供②基礎的読解力、数学的思考力などの基盤的な学力や情報活用能力をすべての児童生徒が習得③文理分断からの脱却)に基づき、Society5・0という新たな時代に向けた具体的施策を展開する。

◆WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業=1億5100万円

 これまでのスーパーグローバルハイスクール(SGH)などの取組の実績を活用し、高校などと国内外の大学、企業、国際機関などが協働し、高校生により高度な学びを提供する仕組みを構築する。

 グローバルな社会課題のカリキュラム開発や研究内容と関連する高校生国際会議の開催、大学教育の先取り履修を単位認定する取組や高度かつ多様な科目内容を生徒個人の興味・関心・特性に応じて、履修可能とする高校生の学習プログラム・コースを開発・実践する。

◆地域との協働による高校教育改革推進事業=2億5200万円

 新高校学習指導要領を踏まえ、Society5・0を地域から分厚く支える人材の育成に向けた教育改革を推進するため、経済財政運営と改革の基本方針2019や、まち・ひと・しごと創生基本方針2019に基づき、高校が自治体、高等教育機関、産業界などと協働してコンソーシアムを構築し、地域課題の解決等の探究的な学びを実現する取組を推進することで、地域振興の核としての高校の機能強化を図る。

【虐待、いじめ・不登校対応等の推進】=71億6600万円(103・4%)

 教育再生実行会議提言、いじめ防止対策推進法、いじめの防止等のための基本的な方針および第3期教育振興基本計画を踏まえ、いじめの未然防止、早期発見・早期対応や教育相談体制の整備およびインターネットやSNSを通じて行われるいじめへの対応など、地方公共団体などにおけるいじめ問題をはじめとする生徒指導上の諸課題への対応のための支援体制を整備するほか、専門スタッフの配置充実を図る。

 また、平成28年に成立した義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律および同法に基づき策定した基本指針を踏まえ、不登校児童生徒等に対する教育機会の確保の推進のため、教育委員会・学校、関係機関の連携などによる不登校児童生徒へのきめ細かな支援体制の整備を推進するとともに、夜間中学の設置促進などを図る。

◆いじめ対策・不登校支援等総合推進事業=70億9100万円

▼外部専門家を活用した教育相談体制の整備・関係機関との連携強化等=70億2100万円

▽24時間子どもSOSダイヤル

 いじめ等を含む子どものSOSを受け止めるための通話料無料の電話相談の実施。

▽SNS等を活用した相談体制の構築に対する支援

 いじめを含め、様々な悩みを抱える児童生徒に対するSNS等を活用した相談体制の構築を図る。

・SNS等を活用した相談体制構築事業(30地域、補助率定額)

▽不登校児童生徒に対する支援推進事業(新規)―補助率3分の1

 自治体や民間団体などが行う学校以外の場における不登校児童生徒に対する支援体制の整備を推進(67地域)。

▼いじめ対策・不登校支援等推進事業=4100万円

▽自殺予防に対する効果的な取組に関する調査研究

▽スクールカウンセラーおよびスクールソーシャルワーカーの常勤化に向けた調査研究

▽不登校児童生徒の実態把握等に関する調査研究(新規)

▽SNS等を活用した相談体制の在り方に関する調査研究

◆夜間中学の設置促進・充実=7500万円

 平成28年12月に成立した教育機会確保法および第3期教育振興基本計画などを踏まえ、①夜間中学の新設・運営補助②都道府県における協議会等の設置・充実③既設の夜間中学における教育活動の充実を図る―ことなどによって、夜間中学における就学機会の提供を推進する。

【子どもの体験活動・読書活動の推進】=1億9400万円(111・5%)

 子どもたちの豊かな成長に欠かせない自然体験、農山漁村体験、文化芸術体験など様々な体験活動を通じ、児童生徒の豊かな人間性や社会性を育むとともに、自己有用感を高め、自らの役割を意識させるなど一人ひとりのキャリア発達を促す。

 また、子どもたちの感性や表現力、創造力などを高め、人生をより深く生きる力を身に付ける上で欠くことができない読書活動について、当該活動を推進するための環境の整備を図る。

◆体験活動等を通じた青少年自立支援プロジェクト=2700万円

 自己肯定感を育むための自然体験活動や、主権者としての意識の醸成等に効果的な事業を実施・検証する。また、優れた体験活動等を実施している企業を表彰するとともに、優良実践事例を全国に普及する。

◆健全育成のための体験活動推進事業=9900万円

▽宿泊体験事業(学校を核とした地域力強化プランの一部)―補助率3分の1

・小学校、中学校、高校等における取組(322校)

・学校教育における農山漁村体験活動の導入のための取組(134地域)

・教育支援センター(適応指導教室)などにおける体験活動の取組(134地域)

◆小・中学校等における起業体験推進事業=1600万円

 児童生徒がチャレンジ精神や他者と協働しながら新しい価値を創造する力など、これからの時代に求められる資質・能力の育成を目指した起業体験活動を行うモデルを構築し、全国への普及を図る。

◆子どもの読書活動の推進=2100万円

 子どもたちの読書習慣の形成に向けて、発達段階に応じた取組を推進する事業を実施・検証する。また、特色ある優れた読書推進の取組を行っている民間団体などを表彰する。

◆学校図書館総合推進事業(新規)=3000万円

 学校図書館は、児童生徒の興味・関心などに応じて、自発的・主体的に読書等を行う場所であり、創造的な活動を行う場である。このため、児童生徒の読書活動の推進を支援するため、学校図書館を推進する特色ある取組などを実施・検証するとともに、学校図書館の専門的職務を行う司書教諭の養成講習を実施する。

【幼児教育の振興】=43億6700万円(103・0%)

 幼児期の教育が生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることにかんがみ、幼児教育の質の向上および環境整備を促進することによって幼児教育の振興を図る。

◆幼児教育の質の向上=3億9000万円

▼幼児教育推進体制の充実・活用強化=1億9000万円―補助率2分の1

 地方公共団体において、公私立幼稚園・保育所・認定こども園に対して一体的に域内全体の幼児教育の質の向上を図るため、担当部局の教育・保育内容面にかかる事務の一元化や幼児教育センターの設置など、幼児教育の推進体制を構築している都道府県および市町村を対象に、幼児教育アドバイザーの配置およびそれらを活用した研修支援、幼小接続の推進などに必要な費用の一部を補助する。

▼幼稚園教諭免許法認定講習等推進事業=2900万円

 幼稚園教諭は2種免許状の保有率が高い一方で、上進のための免許法認定講習などの開設数が少ないことから、講習などの開設支援を通じて1種免許状の取得機会を拡大し、幼稚園教諭の専門性の向上を図る。

▼幼稚園の人材確保支援事業=7600万円

 幼稚園における優秀な人材の安定的な確保を図るため、離職防止のための研修や働きやすい環境の整備、離職者の再就職促進マッチング制度の構築など、各地域における先導的な人材確保策を支援し、有効な方法を検証・普及する。

▼幼児教育の教育課題に対応した指導方法等充実調査研究=5800万円

 小学校教育との接続、家庭教育との連携、教育活動や園運営の評価の実施、Society5・0時代の先端技術を活用した指導方法の開発など、教育課題に対応した指導の在り方を調査研究する。また、障がいのある幼児や外国人の幼児など特別な配慮を必要とする幼児の受入れを行う教諭らが必要とされる知識を得ることができるよう、必要となる研修プログラムの開発および指導上の配慮に関する研究を行う。

◆幼児教育の環境整備の充実=39億7700万円

▼認定こども園等への財政支援=34億8700万円

 認定こども園の施設整備・園舎の耐震化・防犯対策に要する経費の一部を補助するとともに、幼稚園教諭免許と保育士資格の併有促進、研修などの実施、園務改善のためのICT化などを支援する。

▽認定こども園施設整備交付金=25億2400万円―負担割合(認定こども園施設整備)国2分の1・市町村4分の1・事業者4分の1等

▽教育支援体制整備事業費交付金=9億6300万円

―負担割合(園務改善のためのICT化支援)国4分の3・事業者4分の1等

▼私立幼稚園の施設整備の充実=4億9000万円―補助率3分の1

 緊急の課題となっている耐震化のための耐震補強、耐震改築、非構造部材の耐震対策などに要する経費とともに、防犯対策、アスベスト対策やエコ改修などに要する経費の一部を補助することによって、幼稚園の環境整備を図る。

【キャリア教育・職業教育の充実】=19億3100万円(88・9%)

 小学校からの起業体験や中学校の職場体験活動、高校におけるインターンシップなどのキャリア教育を推進するとともに、専門高校においては、先進的な卓越した取組の実践研究や地域課題の解決などの探究的な学びを実現する取組を推進する。さらに、実践的な職業教育を行う専修学校における産学連携教育や職業実践専門課程にかかる取組を推進し、専修学校全体の質保証・向上などを図る。

◆将来の在り方・生き方を主体的に考えられる若者を育むキャリア教育推進事業=2100万円

▽小学校における進路指導の在り方に関する調査研究

 新学習指導要領において小学校段階からのキャリア教育が明確に位置付けられるとともに、中学校における入学者選抜が広がりをみせるなどの状況を踏まえ、小学校での進路選択などのキャリア教育の在り方などについて調査研究を行う。

▽小・中学校等における起業体験推進事業

 児童生徒がチャレンジ精神や、他者と協働しながら新しい価値を創造する力など、これからの時代に求められる資質・能力の育成を目指した起業体験活動を行うモデルを構築し、全国への普及を図る。

▽キャリア教育の普及・啓発等

 キャリア教育推進連携シンポジウムの開催等。

◆スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール=4800万円

 高度な知識・技能を身に付けた専門的職業人を育成するため、専攻科を含めた5年一貫のカリキュラムの研究や大学・研究機関等との連携など、先進的な卓越した取組を行う専門高校を指定した実践研究および事業検証を実施し、成果の普及を図る。

【学校健康教育の推進】=1億5600万円(86・2%)

 児童生徒が生涯にわたって健康で安全に生活できるよう、がん教育をはじめとする学校保健、学校を核として家庭を巻き込んだ食育の推進を図る。

◆学校保健推進事業=7500万円

 新学習指導要領に対応したがん教育の普及・啓発および地域の実情に応じたがん教育の取組の支援や、学校健診データをPHR(Personal Health Record)に提供するための技術的な手法等を検討することなどによって、学校保健を一層推進する。

◆学校給食・食育総合推進事業=8100万円

 栄養教諭を中核として家庭を巻き込んだ取組を推進し、児童生徒の食に関する自己管理能力の育成等を目指す。また、効果的な取組の成果や栄養教諭の配置効果などについて実証データを用いて分析・検証する。

【少子化に対応した活力ある学校教育の推進】=24億1000万円(97・9%)

 現下の少子化・人口減少社会を踏まえ、地域の実情に応じて、少子化に対応した活力ある学校教育を推進するため、学校統合を契機とした魅力ある学校づくりや小規模校における教育環境の充実を図る。

◆へき地児童生徒援助費等補助金=23億5500万円

 へき地教育振興法に基づき、離島や中山間地域に所在する学校の教育の振興を図るため、地方公共団体が実施するスクールバス購入費や通学費支援について補助する。

 学校統廃合に伴い遠距離通学となる児童生徒の通学条件を緩和するため、地方公共団体によるるスクールバス購入費や通学費支援について補助する。

◆高校における教育の質確保・多様性への対応に関する調査研究=5500万円

 高校におけるPDCAサイクル構築に向けた学びの基礎診断の活用に関する調査研究や、広域通信制高校における教育の質の確保のための調査研究、定時制・通信制課程において特別な支援を要する生徒、外国人生徒、経済的な困難を抱える生徒や非行・犯罪歴を有する生徒などの学習ニーズに応じた指導方法等の調査研究を行う

【全国的な学力調査の実施等教育分野におけるEBPMの推進】=42億1800万円(80・7%)

 教育施策を推進するに当たっては、効果的・効率的な教育政策の企画・立案などを行う観点や、国民への説明責任を果たす観点から、客観的な根拠を重視した行政運営に取り組むことが重要である。そのため、教育における客観的根拠に基づく政策立案(EBPM)を推進する。

 また、義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、国・教育委員会における教育施策の成果と課題を検証し、その改善・充実を図るとともに、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立て、さらに、これらの取組を通じた教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立するため、全国的な学力調査を実施する。

◆EBPMをはじめとした統計改革を推進するための調査研究=5000万円

 統計改革推進会議最終とりまとめや第3期教育振興基本計画に基づき、教育分野におけるEBPMを推進するため、客観的な根拠の開発や統計調査の改善などに資する調査研究を実施する。

◆全国的な学力調査の実施=41億6800万円

 令和2年度調査として、小6、中3を対象に、国語、算数・数学を対象教科とした悉皆調査、保護者に対する調査(抽出)および経年変化分析調査(抽出)を行う。

 また、令和3年度調査として、国語、算数・数学、理科の悉皆調査を実施するための準備を行う。

【高大接続改革の推進】=15億9600万円(67・9%)

 高大接続改革実行プラン(平成27年1月16日文部科学大臣決定)および高大接続改革の実施方針等(29年7月13日策定)に基づき、高校教育改革、大学教育改革、大学入学者選抜改革を一体的に推進する。

◆大学入学者選抜における共通テスト改革推進事業(新規)=14億3300万円

 大学入学者選抜における共通テストについて、新学習指導要領に対応した試験問題や、CBT方式を検討するための調査研究などを実施する。

 このほか、マークシート式問題について、思考力・判断力・表現力を一層重視した作問への見直しを図る。

◆大学入学者選抜改革推進=1億800万円

 大学入学者選抜において主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度の評価を、より実質的かつ効果的・効率的に行える環境を整備するため、調査書の電子化に向けた調査研究を実施する。

(国 2020-01-23付)

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