市立小中学校適正規模基本方針案 中学校は6~18学級 よりよい教育環境を確保 北広島市教委
(市町村 2020-01-23付)

 北広島市教委は、市立小学校および中学校の適正規模に関する基本方針(案)をまとめた。少子化などに伴う児童生徒数の減少によって学校の小規模化が進んでいることから、より良い教育環境の確保や教育の質の向上を目指して新しく策定するもの。案では、適正な学校規模の基準を、小学校で「12~18学級」、新たに検討した中学校では「6~18学級」と示している。

 市教委は、平成19年3月に小学校の適正規模に関する基本方針を策定。しかし、児童生徒数の減少によって学校の小規模化が進んでいることや、教育を取り巻く社会情勢の大きな変化などから、あらためて市における小学校の適正規模および新たに中学校の適正規模について検討することとした。

 市教委は、市立小学校および中学校通学区域審議会による令和元年11月の答申を受け、より良い教育環境の確保と教育の質の向上を図る観点から、分校や特別支援学級を除く市立小・中学校の適正規模について基本方針をまとめることとしている。

 市立小・中学校を取り巻く現状をみると、児童数は、ピーク時の昭和58年度から令和元年度までに約60%に減少。生徒数は、ピーク時の平成2年度から令和元年度までに約62%に減少している。住民基本台帳人口による推計では、令和2年度以降も児童生徒数の減少傾向が続く見込み。

 学校規模について、国の標準学級数の下限12学級を下回る小学校は、元年度で全8校中2校。6年度には4校となることが予想されている。

 現在6校ある中学校では、元年度に12学級を下回る学校が4校、6学級を下回る学校が1校。6年度には12学級を下回る学校が4校、6学級を下回る学校が3校となる見込みとなっている。

 小規模校・大規模校のメリットやデメリットなどを踏まえ、学校の適正規模についての基本的な考え方を「クラス替えを契機として児童生徒が意欲を新たにすることができる学校規模」「クラス同士が切磋琢磨する教育活動や、クラスの枠を超えて行う委員会活動や遠足、修学旅行などの集団活動が効果的に行える学校規模」「学年に複数の教員を配置することで、同学年の教員による指導面の連携や協力が可能になり、より教育の質の向上を図ることができる学校規模」などと示し、子どもたちへの指導面、学校運営面から総合的に検討。

 適正な学校規模の基準を、小学校は「12~18学級」、中学校は「6~18学級」とした。

 なお、市教委では、基本方針は市立小・中学校の適正規模化等の検討が必要な学校を考える上での基準として定めるものであり、今後、学校規模の適正化を図るための手段や適正配置、学校を統合しないなどの選択に当たっては、保護者や地域住民の意見、地域の特性などに応じて慎重に検討することとしている。

 基本方針(案)は市のホームページで公表しており、2月17日までパブリックコメントを実施。意見等を踏まえ、今後の教育委員会で決定する。

(市町村 2020-01-23付)

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