道研所内アカデミーで赤司氏講義 目標共有し当事者意識を 組織力向上のポイント説く(道・道教委 2020-01-27付)
赤司展子氏
道立教育研究所は22日、同所で所内アカデミー「Outside Lecture」を開いた。ウィーシュタインズ㈱の赤司展子代表取締役が、組織力を高めるマネジメントについて講義。赤司氏は、組織の目標や存在意義の共有、多様性への寛容、個々の当事者意識や主体性などを組織力向上のポイントとして挙げた。
企業再生や震災復興に携わった取組から組織力を高めるマネジメントについて学ぶとともに、「現場第一主義と未来教育の創造」の理念の具現化に必要な資質・能力の向上を図ることが目的。所員や道教委職員など約60人が参加した。
開会に当たり、北村善春所長があいさつ。赤司氏について、札幌市内の私立高校で働き方改革などをサポートしていることや、経営コンサルタントとして日本航空などの企業再生に携わった経歴などを紹介した。
続いて、赤司氏が登壇。「組織として機能するマネジメント~企業再生・震災復興」と題して講演した。
福島県双葉郡で震災からの教育復興を推進した経験などから、学びの多様性や環境の大切さを実感したことを回顧。学校の経営アドバイスのみならず、科学・技術・ものづくり・芸術・数学の要素を生かしたSTEAM教育を子どもに直接提供することができる会社を立ち上げたことを紹介した。
組織改善や経営改革において、①ビジョンとパーパス(存在意義)の明確化・共有②多様性への寛容③個々の当事者意識―の総合力が組織力を高めることを強調。
①について、組織の理念や存在意義が個人にまで浸透している組織の強みを紹介した。
②では、なれ合いではなく互いが気持ちよく働ける潤滑な関係の重要性を説明。大人としての多様性への寛容さが組織としての質を高めることを説明した。
③では、個々が自分の強みを認識し、当事者意識や主体性をもつことの大切さを説明。個々の特性をパーツとしてうまく合わせることで、組織としての力を発揮できることを伝えた。
最後に、「学校は、今と未来をつなげる場。何のために学ぶのか、何のために学校があって、どのような未来をつくりたいのかをみんなで考え、組織力の高い学校づくりを」と呼びかけた。
このあと、講義内容や寄せられた意見・質問などを踏まえ、北村所長と赤司氏が対談。学校ビジョンなどを提示する際のポイントや、新学習指導要領で求められる資質・能力と社会に必要なスキルの共通点、外部からのチェック機能の大切さなどが話題に挙がった。
(道・道教委 2020-01-27付)
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