ＩＣＴ支援システム試行導入　保育士の業務負担軽減　札幌市内初認定こども園にじいろ

（学校 2020-02-25付）

タブレット端末４台を設置している

　札幌市は１月から、清田区の認定こども園にじいろに民間のICT業務支援システムを試行的に導入している。保育士の業務負担軽減を目的としたもので、市内公立保育園等における同システムの活用は初。試験導入は３月までで、結果を踏まえ、本格導入を検討していく。

　同園には、タブレット端末が４台設置されている。玄関に２台が配置されており、保護者が登園時間や降園時間などを入力する。

　残る２台のうち１台は管理用。もう１台は、子どもの食事や睡眠時の状態など園内での状況を入力するために設置している。

　システム導入以前は、出席簿や延長保育の時間管理などを手書きしていたが、導入によって月末業務の負担軽減につながっているという。

　子どもの食事の状況は、タブレット端末上で茶碗のマークを押すと食べた量が分かるような仕組みとしているほか、“おかわり”“完食”など、食事の様子が一目で分かるようになっている。

　子どもの睡眠時の状態については、ゼロ歳児の場合５分置き、１歳児は１５分置きに確認が必要。導入前までは、どの向きで寝ているかなどを用紙に記入していた。今回の検証は午睡のみとしているが、記録者の氏名をタブレット端末で入力可能。働き方改革の視点から、職員の作業負担の軽減、ペーパーレス化にもつながっている。

　今回は検証の対象外となっているが、保護者がシステムと連携したアプリをスマートフォンにインストールすると、子どもの園内での食事の様子のほか、午睡の記録、職員からの連絡等も簡単に確認できる機能もある。朝の忙しい時間帯での欠席連絡などが可能となっている。

　にじいろの淺利光昌保育教育係長は「業務の負担軽減に役立っているが、タブレット端末が１クラスに１つなど、台数がより多いと職員も使いやすくなる」と話す。

　市は今後、業者からの保護者と園へのアンケート結果をもとに、公立保育園全体でシステムの導入を検討する。

(学校 2020-02-25付)