道教委 新時代支える働き方改革 検証サイクルで効果 旭川市知新小が最終報告会(学校 2020-03-17付)
成果と課題などを報告する金川教諭
【旭川発】旭川市立知新小学校(本間祐一校長)は12日、同校で道教委「新時代の教育を支える働き方改革促進事業」の最終報告会を開いた。同校教職員をはじめ、上川教育局の川島政吉主幹など25人が参加。同校と民間コンサルタントとを中継でつなぎ、中間報告会後に取り組んだ内容の成果と課題や次年度の校務分掌に加える事項などを提案した。成果として、検証サイクルを取り入れることで活動の効果が上がったことなどが示された。
事業は、学校における働き方改革の実現を図るため、教育局主幹(働き方改革)と対象校、民間コンサルタントと協働して取り組むもの。
全道の学校で実践可能な取組と持続・自走可能な具体的助言などを含めた業務改善手引書を作成することが目的。上川管内では、旭川西高校と知新小が対象校となっている。
本間校長があいさつ。「次年度は改善した教育課程を確かに実施していくこと、改善した学校運営組織を確かに推進させていくことが改革の本丸となる。引き続き、高い意識をもって取り組んでいきたい」と話した。
次いで、働き方改革推進委員長を務める金川奈緒教諭が、自校の実態や中間報告会後の取組、成果などについて報告した。
11月に立ち上げた職員室環境・校内環境・定時退勤・ICTの4つのプロジェクトチームが取り組んできた内容を紹介。定時退勤プロジェクトチームは、出退勤について意識するため、職員室に出退勤時間が誰でも分かるように名札を貼って知らせる「自分マネジメントボード」の見直しに取り組んだ。
改訂版では、時間幅を広くして年休や早退などをためらわずに取得できるよう工夫したり、午後5時以降の欄には「今日は、定時退勤日!」と視覚的に分かるポップで目立たせたりしたことを説明した。
全体を通した成果として、「働き方改革における意識改革を図ることができた」「迅速かつ効果的な検証サイクルを取り入れることで、活動の効果が上がった」などを挙げた。
課題として「時間外勤務月45時間以内の達成には、各分掌の業務改善も重要」と分析した。
続いて、各分掌部長から次年度に盛り込む事項などを、また、㈱インソースの杉山晋一代表取締役執行役員社長が手引書について説明した。
◆旭川西高と旭川市知新小 校務分掌等の新たな項目
道教委の「新時代の教育を支える働き方改革促進事業」に取り組む旭川西高校(遠藤孝一校長)と知新小学校は、それぞれ実施した最終報告会での成果と課題を踏まえ、次年度の校務分掌などに新たに盛り込む項目などを提案した。
各学校の提案事項はつぎのとおり。
【旭川西高】
▼分掌組織
▽人員配置変更―マネジメントグループ7人、スタディサポートグループ11人、キャリアサポート11人、学年主任3人、研究開発グループ7人
▽組織編成では、人員配置の簡略化や配置の自由度を高めることなどを図って、学年や担任・副担当のバランスについて配慮
▽統合や委員数を減らすことで開催しやすく、機動力を高め効率化を図るため、委員会の所管分掌を変更
▽臨機応変な協働体制づくりと、短いサイクルでの組織改善を行うため、12月を目途に教頭と各グループリーダーが次年度の人員配置について協議
▼学年組織
▽担任の学年持ち上がりを原則とせず、1年単位の配置も検討
▽学年内の教科バランスについて配慮
▼学校改善
▽データと薄冊による引き継ぎの徹底、実施要領には準備の人員・スケジュールや留意事項の記述などを行い、業務を引き継いでいく
▽グループリーダーが年度後半の計画・担当割り当てを見直す
【知新小】
▼分掌改善プラン〈教務部〉
▽日課・週時程の見直し、会議の精査等を通じて教材研究の時間を確保
▽Eライブラリの一層の活用を目指して、教職員用の研修等の機会を設定
▼学校改善プラン〈研究部〉
▽研究主題・仮説ベースではなく、授業改善プロジェクトで進めていく
▽研修日を従来のミニ研修としながら授業改善に直結する内容、計画を立てる
▼学校改善プラン〈生徒指導部〉
▽歌フェスは年2回開催だったものを年1回開催(7月)に変更するなど、時間縮減を図って整理
▽安全マップを来年度中に見直し、落雪情報なども盛り込み整理
▼学校改善プラン〈事務部〉
▽印刷機器等の使用方法について効率的・効果的な考察をしていく
▼学校改善プラン〈保健体育部〉
▽マラソン・なわとびは、個人記録掲示は行わないほか、体育の準備で取り入れるよう提案
▽フッ化物の実施要領、手洗い石けんの補充について変更
▽給食の食数、給食試食会の改善など
(学校 2020-03-17付)
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