道教委が文化財保存活用大綱素案　アイヌ伝承盛り込む　２７日まで意見募集　７月策定

（道・道教委 2020-03-16付）

　道教委は、北海道における文化財保存活用大綱素案をまとめた。文化財を「守り」「育み」「生かす」との基本理念のもと、「維持・管理体制の整備」など６点の保存・活用方針を設定。本道独自となるアイヌ文化財の保存・活用の推進や、防災・災害発生時・復旧に関する取組などを盛り込んだ。２７日までパブリックコメントを実施し、７月の策定を目指す。

　大綱は、道内における文化財の保護・活用の基本的な方向性を明確にし、各種の取組を進める上での共通の基盤とするため、新たに策定するもの。

　素案をみると、第１章「文化財の保存・活用に関する基本的な方針」、第２章「文化財の保存・活用を図るために講ずる措置」、第３章「市町村への支援の方針」、第４章「防災・災害発生時の対応」、第５章「文化財の保存・活用の推進体制」で構成。

　文化財を「守り」「育み」「生かす」を基本理念に揚げ、保存・活用方針の柱に、①維持・管理体制の整備②後継者・指導者の育成③地域資源としての活用④民間団体などとの連携⑤道民の理解促進と積極的な公開⑥文化財保護行政の推進力強化―の６点を設定した。

　文化財の保存・活用に向け、アイヌ文化財の伝承と活用の促進を打ち出した。世界遺産（文化遺産）の登録と保存・活用の推進、道が管理する文化財の保存・活用などの取組を推進する。

　市町村に対しては、助成事業に関する指導助言や市町村が策定する文化財保存活用地域計画策定への支援方針を示している。

　このほか、防災のための取組方針、災害発生時における対応方針、被災した文化財の復旧に向けた支援体制や取組方針を挙げている。

　参考資料として、道内に所在する国・道指定（選定、登録）文化財一覧を掲載している。

　２７日までパブリックコメントを実施しており、道議会での議論を経て、７月の策定を目指する。

(道・道教委 2020-03-16付)