道立生涯学習推進センターが初調査 54市町村で住民参画事業 指導者確保困難の声も
(道・道教委 2020-03-16付)

 道立生涯学習推進センターは、「人口減少時代の新しい地域づくりに資する社会教育事業に関する調査研究~住民の主体的な地域づくりを進めるプロセス・手段とその評価の検証(資料編)」をまとめた。地域の課題解決を目指す住民参画型事業を実施している市町村の割合は全体の約3割となる54市町村。未実施の市町村では「指導者や運営者の確保が困難」との声が多いことが分かった。

 調査研究は、各地の特性を生かした地域づくりに資する社会教育事業を展開するため、事業のプロセスと手法、その成果を測る評価方法を調べるため、本年度から3ヵ年計画で実施するもの。

 本年度は、道内179市町村を対象に地域の課題解決を目指す住民参画型事業に関する調査を実施。2年度は芦別市、鷹栖町の2地域におけるモデル事業を開発・実施し、3年度に事業を検証する。

 本年度の調査結果をみると、地域の課題解決を目指す住民参画型事業を実施している市町村の割合は、全体の約3割となる54市町村。内容は「地域づくり・まちづくりに関する事業」が過半数を占め、「家庭教育・子育てに関する事業」「コミュニティ・スクールや学校協働活動に関する事業」「子どもを対象としたリーダー育成事業」の順に多い。

 継続年数をみると、1年以上5年未満の事業が全体の48・1%。10年以上継続している事業は27・7%で、最も長い事業は湧別町の子ども会リーダー研修会で54年となっている。

 担当者が重視している点として最も多かったのは「聞き取り調査による地域の実情やニーズの把握」(31・5%)。継続年数によって順位は異なるものの、地域の実情を踏まえた工夫、将来像の共有化や、協働で目標達成や解決を目指すプロセスの重要性を指摘している。

 事業を実施する上で難しい点(複数回答)は「住民の参加や取組への参画を得ること」が85・2%で最多。企画段階から住民の意見を反映させること、意欲をもってチャレンジし、参加住民が指導者や運営者となるよう導くことが必要と分析している。

 住民参画型事業を未実施と回答した125市町村のうち、実施しない理由として最も多く挙がったのは「指導者や運営者の確保が困難」(70・4%)。

 住民の主体的な地域づくりを推進するに当たっての要望(複数回答)で「とても重要」「重要」の回答で最も多かったのは「優れた実践事例や研究成果の提供」。地域住民の主体的な参画に関する全国・全道の具体的な取組の収集と共有、活動の構想から評価に至る過程を分析したモデル事業を道教委が示す必要性を示した。

(道・道教委 2020-03-16付)

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