特性踏まえた道徳科資料　釧路局　定義や考え方など示す　管内小・中等全教員に配布

（道・道教委 2020-03-16付）

資料は全８ページ。ＨＰにも掲載している（クリックすると拡大表示されます）

　【釧路発】釧路教育局は、道徳科の特性を踏まえた授業実践の参考資料「Ｈｅａｒｔ　ｏｆ　ｈｅａｒｔ」を作成した。授業づくり理論編、同実践編、複式学級における指導の３部構成、「考え、議論する道徳」の定義、道徳における深い学びなどを簡潔にまとめたほか、指導案をもとに理論を実践に置き換える際の考え方などを提示した。資料は３月中に管内の小・中学校、義務教育学校の全教員に配布する予定。研修や授業づくりでの有効活用を期待している。

　子ども一人ひとりに道徳性を養い、豊かな心を育むことができるよう、道徳科の指導力向上を目指し、義務教育指導班が中心となって作成した。

　資料は３部構成。全８ページとなっている。

　「道徳科の特質を踏まえた授業づくり・理論編」では、考え、議論する道徳や道徳科における深い学びと学習評価などについて解説。

　「考え、議論する道徳」について、４つのポイント「問題意識をもつ」「自分とのかかわりでとらえて考える」「多面的・多角的に考える」「自らを振り返り、自己の生き方についての考えを深める」を提示。それぞれの意義や必要性などについて、図や具体的事例などを示しながら解説している。

　「道徳科の特性を踏まえた授業づくり・実践編」では、学習指導案などで具体的な実践例を示した。

　小学３年生の主題「長所を伸ばすよさ」の指導案を紹介。価値観や児童観、教材観を基盤に作成した本時案には、具体的な活動例などを記載しており、理論編で解説した内容を実践と結び付けて説明している。

　また、「複式学級における道徳科の指導」では、発達段階に応じたねらいの設定や多様な考えの提示など、指導に工夫を凝らすことの大切さを説明するとともに、複式学級の学年別指導例なども紹介。小規模校における話し合いや多様な考えの提示の難しさなどに目を向けた、具体的な解決策なども提案している。

　タイトル「Ｈｅａｒｔ　ｏｆ　ｈｅａｒｔ」には「心のよりどころ」という意味があり、子どもたちが力強く生きるための内面的資質を育むことと、教師の指導力向上の両面において心のよりどころとなることへの期待を込めた。

　資料は、釧路教育局Ｗｅｂページにも掲載している。

(道・道教委 2020-03-16付)