【解説】高校の95%が主権者教育実施
(解説 2020-04-02付)

 文部科学省は、主権者教育(政治的教養の教育)に関する実施状況調査の結果をまとめた。令和元年度、全国の公私立高校の95・6%が第3学年に在籍する生徒を対象に主権者教育を実施したことが分かった。具体的な指導内容は「公職選挙法や選挙の具体的な仕組み」が84・6%で最も多かった。

 調査は国公私立高校等1587課程を対象に抽出して実施。

 有効回答数は1299課程。学校における主権者教育の実施状況、教育委員会による高校等への支援状況について調査した。

 元年度は第3学年に在籍する生徒の95・6%に主権者教育を実施。実施した教科は公民科が74・4%、特別活動が46・3%、総合的な探究の時間が20・2%などとなった。未実施校は私立高校の通信制課程などに多かった。

 具体的な指導内容で最も多いのは「公職選挙法や選挙の具体的な仕組み」が84・6%。「模擬選挙等の実践的な学習活動」が47・3%、「現実の政治的事象についての話し合い活動」が34・4%となっている。

 教材は、教科書を使用が59・9%、副教材を使用が61・4%。指導に当たっての連携の対象は選挙管理委員会が42・7%と最も多かった。

 指導の時間数は、2~4時間が最も多く58・4%、次いで、1時間が27・7%、5時間以上が12・9%となっている。

 また、全国の教育委員会の89・4%が主権者教育を支援する取組を実施。具体的な取組内容は、「教員等に対する研修の実施」が56・1%、「教員用指導資料や事例集等の作成・提供」が24・6%など。

 文科省は、調査結果を踏まえ、学校や教育委員会における特徴ある取組、副教材を活用した授業事例などを収集するとしている。

(解説 2020-04-02付)

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