【解説】遠隔授業の必須要件緩和

（解説 2020-04-09付）

　政府は７日、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策を閣議決定した。教育関連の施策では、学校休業中における児童生徒の教育機会確保のため、遠隔授業の必須要件を緩和。受信側に教員がいなくても、正式に授業参加しているものとする。このほか、高校における遠隔授業の単位取得数の緩和、オンラインカリキュラムの充実など、遠隔教育の推進に向けた施策を盛り込んだ。

　７日発令となった特別措置法に基づく緊急事態宣言を踏まえ、感染拡大の早期収束、収束後の需要喚起に向けた施策を示すもの。決定済みの新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策の第１・２弾などを含めた財政支出の総額は、３９・５兆円にのぼる。

　教育関連の施策をみると、児童生徒の教育機会確保のため、ＩＣＴ環境の早急整備の必要性を指摘。家庭でオンライン授業を受けることができるよう、具体的な整備の方法・手順をまとめる方針を示した。

　具体的な施策として、これまで遠隔授業の必須要件だった「受信側の教員の存在」を緩和。児童生徒が自宅で遠隔授業を受ける場合、受信側に教員がいなくても正式に授業参加しているものとする。

　遠隔授業における単位取得数の制限を緩和。高校では、対面によって行う授業と同等の教育効果を有すると認める場合、３６単位を上限に遠隔授業を可能としていたが、単位取得数の算定に柔軟に対応する。

　このほか、自宅での学習のためオンラインカリキュラムを充実。オンラインでの学びに関する著作権要件を整理するためデジタルの資料配布を原則許諾不要とする「著作権法の一部を改正する法律」を即時に施行するとし、３年度の本格実施に向け、補償金負担の軽減のための必要な支援について検討するとした。

(解説 2020-04-09付)