【解説】放射線教育の実施状況調査結果
(解説 2020-04-07付)

 文部科学省は、放射線教育の実施状況調査の結果をまとめた。全国の小学校の約7割、中学校の約9割、高校の8割が授業等で放射線に関する内容を扱い、副読本を活用している小学校は約5割、中学校は約6割、高校は約3割だった。

 調査は全国の小学校、中学校、高校、特別支援学校等における放射線教育の実施状況と平成30年に改訂した放射線副読本の活用状況を把握するため行った。無作為で選定した小学校1673校、中学校1375校、高校等1259校(義務教育学校、中等教育学校、特別支援学校を含む)を調査した。調査時期は令和元年12月から2年1月。

 授業などで放射線に関する内容を取り扱ったことや扱う予定がある学校の割合は、小学校が69%、中学校が95%、高校が80%となった。実施した教科は、小・中学校は社会や理科、高校は公民や理科が多かった。外部人材などを活用している学校の割合は、すべての校種が1割に満たなかった。

 教科等横断的な取組を行った場合に工夫した例として、「総合的な学習の時間での平和学習(原子爆弾)および防災学習(地震)」「修学旅行での広島訪問」などが挙がった。

 放射線副読本の活用状況をみると、小学校の52%、中学校の56%、高校の28%が活用。活用した主な教科は、小学校が社会や理科、中学校と高校は理科。

 放射線副読本を活用した際に有効だった点として、「絵や写真があることで、子どもたちにとって分かりやすい」「生徒自ら放射線に対する科学的知識と風評被害やいじめについて深く考える機会となった」などが寄せられた。

 改善点としては、「危険性を正しく伝えることと同時に放射線の有用性などについても大きく取り上げてほしい」などの意見が上がった。

(解説 2020-04-07付)

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