【解説】TALIS2018報告書
(解説 2020-04-01付)

 OECD国際教員指導環境調査(TALIS)2018報告書vol.2によると、日本の教員・校長ともに「保護者の懸念に対処すること」に対するストレスの値が参加国平均より高いことが分かった。

 TALISは、学校の学習環境と教員・校長の勤務環境に焦点を当てた国際調査。国際比較可能なデータを収集し、教育に関する分析や教育政策の検討に資することがねらい。2008年に第1回、2013年に第2回を実施。

 2018年第3回調査は日本を含む48ヵ国・地域が参加。文部科学省本省との連携のもと、国立教育政策研究所が国内における調査を担当した。結果は昨年6月と、ことし3月の2回に分けて公表。今回の報告書は、3月公表分をまとめた。

 調査対象は小・中学校の教員と校長。日本からは小学校197校、中学校196校が参加した。

 今回、「教員へのフィードバック」「教員・校長のストレス」などの項目を新たに公表した。

 教員へのフィードバックの供給源において、日本の中学校教員は「学校運営チームメンバー以外の校内の同僚」が71・3%と参加国平均(56・9%)より高かった。また、日本の小・中学校教員はフィードバックが良い影響を与えた内容について、「担当教科等の指導法に関する能力」や「主な担当教科等の分野に関する知識と理解」が参加国平均よりも高かった。

 ストレスについては、日本の教員は参加国平均より「事務的な業務が多すぎること」「保護者の懸念に対処すること」について高い数値となった。また、校長のストレスでは「児童生徒の学力に対して責任を負っていること」が最も高く、次いで教員と同じく「保護者の懸念に対処すること」が高かった。

(解説 2020-04-01付)

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