利尻町２年度教育行政執行方針　沓形小へＩＣＴ検討　土曜学習で英語力向上

（市町村 2020-04-09付）

利尻町教委・小杉和樹教育長

　【稚内発】利尻町教委の小杉和樹教育長は令和２年度教育行政執行方針において、土曜学習で小学校１年生から各学年に応じた英語力の向上を図る取組を推進する考えを示した。ＩＣＴの活用については、仙法志小学校と利尻中学校での実践を踏まえ、沓形小学校への導入を改築事業と併せて検討していく。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

　社会で生きる実践的な学力育成のため、コミュニケーション能力を高める教育やキャリア教育、情報教育、ふるさと教育等の充実に取り組む。

　確かな学力の育成を目指し、全国学力・学習状況調査などの状況把握と分析を行い、常に指導方法の検証・改善を行いながら基礎的・基本的な学習の定着を図るため、チャレンジテストや基礎学力問題集の活用、大学生を活用した学習会などを引き続き開催する。

　小学校の新学習指導要領が２年度から始まり、英語が教科化されていることなどから、外国語指導助手の配置を継続し、英語教育や国際理解教育の充実に努めるとともに、社会教育で実施している土曜学習においても、小学校１年生から各学年に応じた英語力の向上に努めていく。

　本町においては、小・中・高校が連携して地域の豊富な教育資源を活用するなどして発達の段階に応じたキャリア教育を推進している。１２年間の指導の体系化と学校間の指導の一貫性を確保することによって、ふるさとの理解に始まり、地域で家庭生活を営み、子どもを育てる意義の理解が深まるよう、キャリアノートを活用するなどして実践を重ねている。

　信頼に満ち、特色のある開かれた学校づくりの推進と併せて、保小連携に始まり、小中連携・小小連携・小中高連携など学校間連携の推進、教職員の資質・指導力の向上などに取り組んでいる。

　ＩＣＴの活用は、GIGAスクール構想（児童生徒１人に１台のコンピューター端末）の実現に向けた取組を行いながら、全国的にも実績のある学習ソフトを導入する。

　離島という地理的条件でもＩＣＴを活用した教育によって都市部の大規模校と比較しても遜色のない学習環境とデジタル教材の活用などによって、個に応じた指導はもとより、グループ別指導や発展的な学習、考える授業と児童生徒の学習意欲の喚起と学力の向上に役立てている。今後は、仙法志小、利尻中での実践を踏まえ、沓形小への導入も改築事業と併せて検討していく。

　特別支援教育では、２年度も特別支援教育支援員を必要とする学校に配置する。切れ目のない一貫した特別支援教育が行われるよう、引き続き校内支援体制の整備を図っていく。

　感謝と思いやりにあふれる豊かな心・健やかな身体を育む教育の推進では、道徳教育の充実や体験的な活動・奉仕活動・読書活動の推進、生徒指導・教育相談の充実や健康教育・食育の充実、安全教育の充実を推進する。また、２年度からの小学校におけるプログラミング教育についても、研修を行うなど円滑に実施されるよう取り組む。

　利尻中では、コミュニティ・スクール制度を活用した学校づくりを行っており、今後は小学校への導入についても推進体制を整備しながら既存組織も活用した導入を検討していく。

　学校教育の推進を図るため、アクションプランに基づいた働き方改革の実践、教育環境整備として、引き続き校務支援システムの活用、学校業務の補助をおこなう支援員の配置など、教員が子どもと向き合う時間の確保に向けた業務改善を推進する。

(市町村 2020-04-09付)