【解説】文科省　２年度交通安全計画

（解説 2020-05-19付）

　文部科学省は、令和２年度交通安全業務計画を策定した。文科省および都道府県が講ずべき施策に関する計画作成の基準とするべき事項を定め、関係機関における交通安全に関する施策を計画的に推進することを目的に毎年策定しているもの。安全な道路交通環境づくりの推進や生涯にわたる交通安全教育の振興に資する具体的な施策を明記している。

　主要対策として、①安全な道路交通環境づくりの促進②生涯にわたる交通安全教育の振興③青少年の暴走行為の防止④救助・救急体制等の整備⑤交通安全に関する科学技術の振興―の５項目を掲げている。

　安全な道路交通環境づくりの促進では、教育委員会において、学校が通学路を設定する際、地域の実情を考慮し、安全な通学路・登下校の時間帯を設定する必要性を指摘。警察・道路管理者などと連携し、定期的な点検の実施や必要に応じて随時点検を行うなど、通学路の安全確保に努める重要性を示している。

　生涯にわたる交通安全教育の振興では、学校における交通安全教育の在り方を明記。家庭・地域、関係機関・団体との連携・協力を図りながら、学校の教育活動全体を通じて計画的・組織的に行うとともに、学校安全計画によって幼児児童生徒に通学を含む日常生活で交通安全に関する指導を行う必要性を記した。

　交通安全に関する科学技術の振興では、文科省所管の独立行政法人において実施する陸上交通や海上交通、航空交通の安全に関する科学技術振興に向けた取組を紹介。防災科学技術研究所において、吹雪・雪崩や路面凍結などの発生予測に関する研究を野外観測や雪氷環境を人工的に再現した室内実験で行うことや、宇宙航空研究開発機構が航空輸送の安全に関する研究開発などを推進するとした。

(解説 2020-05-19付)