札幌啓成高第3期SSHスタート 先進的教科横断の実践を 啓成STEAMを開発・普及(学校 2020-05-28付)
札幌啓成高校(中西勝範校長)は、文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受け、本年度から5ヵ年計画で研究を推進する。研究開発課題は「創造力を高める先進的教科横断の実践を取り入れたカリキュラム“啓成STEAM”の開発・普及」。独自の理数系教育「KSI(啓成サイエンスイニシアティブ)」、探究活動や森林研修において、教科等横断的に発展・進化させたプログラムを開発する。
札幌啓成高は平成22年度からSSH事業の研究を開始。第1期となる22~26年度は理数科の課題研究の充実、第2期となる27年度~令和元年度は実践成果の普通科への拡大を大きな柱として研究に取り組んできた。
2年度から5ヵ年計画で研究を推進する第3期の研究開発課題は「創造力を高める先進的教科横断の実践を取り入れたカリキュラム“啓成STEAM”の開発・普及」。STEAMは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)を統合的に学習する教育手法。個々の特性に応じた資質・能力を獲得したグローバルに活躍する科学技術系リーダーの育成や、優れたコミュニケーション能力、高い汎用性をもった主体的協働者の育成をねらう。
目標として、①科学的アプローチをデザインする力の定着を図るとともに、多面的にものを見る柔軟な思考力と新しい価値を創造する力などを育成する②地域社会との相互関連性を重視しながら地域に自分たちの考えを発信する探究学習を通して、コラボレーション力、新しい価値を創造する力、社会貢献力等を育成する③英語コミュニケーション力と進んで世界へ羽ばたこうとする意識を高め、世界共通の課題の解決に向けて貢献できる資質・能力を育成する④挑戦と振り返りを繰り返し、つぎの学びの段階を自ら構築できる力を育成する。併せて、本校の課題である女子のキャリア意識の改革を図る―の4点を掲げている。
研究内容は、理数科オリジナルプログラムの森林研修や理科・数学の課題研究などを行う学校設定科目「KSI」、探究活動「Future Vision」において、STEAMの要素(統計処理、バイオミメティクス、ロボット・プログラミングなど)を取り入れたプログラムを開発。学習データの蓄積によるeポートフォリオなどを使い、成果を検証する。
KSIの授業で新たに保健とサイエンスが融合した「KSI保健」を開始。理科との連携によって、体内環境に関する実験を取り入れた授業を実施し、その結果から自己の健康の在り方を考察する。
森林研修では、新たに空間情報を可視化するGIS(地理情報システム)の基本概念、使い方の習得、道路沿いの樹木の種類や高さなどのデータ取得などに取り組むとしている。
(学校 2020-05-28付)
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